【おしえて!妊活】 ビタミンDが不足しています
食べているつもりでも量が足りなかったり、偏っていたりと、飽食の時代であっても日本人のカラダは、潜在的な栄養不足であると言われています。
個体差があるので必要な栄養素が【みな同じ】というワケではないのですが、栄養素についてちょっと知識があれば、「あれ?私、ビタミン○が足りてない?」なんて、症状から気付くことができるかも知れません。
ご自身の健康管理だけでなく、妊活にも影響する「栄養素」について、少しづつご紹介したいと思います。
もちろん、食事をきちんと3食摂ることがベースですよっ!
ビタミンⅮとくる病
ビタミンDと言えば、❝ 骨に大切なんだよね ❞ ってこと、なんとなく知っていますよね?
食糧事情が困難だった時代、乳幼児にみられたビタミンD欠乏による「くる病」ですが、近年この「くる病」が増加傾向にあります。
食糧事情が改善している現代に、なぜ「くる病」が増加傾向にあるのでしょうか?
くる病とは、小児の発育期(特に骨の発育期)にカルシウムが骨に沈着せず、しっかりとした骨の組織が形成されない状態をいいます。主な原因はビタミンD、リン、カルシウムの不足などといわれ、その症状は、骨の成長障害や骨格や軟骨部分の変形です。
症状が進むと成長・発達に影響が出ます。アルプスの少女ハイジのクララは、ビタミンD欠乏によるくる病と言われています。
女性の大半が不足?
こんな症状、よくありませんか?
風邪をひきやすい
疲れやすい
気分が落ち込む
もの忘れ
女性に良くあるプチ不調。
疲れて免疫が低下してるのかな?って程度でスルーしがちだったりしますが、もしかしたらビタミンⅮが足りないからかも知れません。
もちろん、ビタミンD以外の栄養素が足りない場合もこんなプチ不調が出るので一概に言えませんが、ちょっと自分の足を見て下さい。
もし、O脚やX脚が顕著にみられるようであれば、ビタミンD不足の可能性があります。
ビタミンⅮが不足するのはなぜ?
女性の大半が不足していると言われているビタミンⅮ。
なぜ、現代女性に不足しているのでしょうか?
その大きな理由が2つあります。
◆ 日光浴不足
◆ 偏った食事
ビタミンDは脂溶性のビタミンで、日光浴によって体内で生成することができます。もちろん食事からも摂ることができます。
近年は、シミやシワなど美容面からの予防で、紫外線対策が常識になりました。UV対策が進んだことが、ビタミンD不足を加速させているのです。
また、さまざまな食事療法や欠食、偏食などの影響もビタミンDの不足を加速させているのです。
ビタミンⅮ不足の母体から赤ちゃんがうまれると
知らず知らず、不足しているビタミンD。
ビタミンDが不足したお母さんからうまれた赤ちゃんはどうなるでしょう?
うまれた赤ちゃんの頭を指でおすと、ピンポン球のようにへこむ状態がみられることがあります。これが「頭蓋ろう」で、くる病の初期症状と言われています。
頭蓋ろうが無くても、お母さんがビタミンD不足のまま完全母乳で育てた場合も、母乳中のビタミンD含有量が少ないため、赤ちゃんのビタミンD不足が否めません。(ミルクには必要量のビタミンDが含まれています)
母乳にはたくさんの免疫が含まれているし、母児相互作用といった愛着形成にとても重要です。母乳育児や完全母乳を目指すなら、妊娠前からビタミンDを補給し続けておくことが大切になります。
妊活にビタミンⅮ
妊活中に必要な栄養素と言えば「葉酸」。これはもう市民権を得ているので、みなさん葉酸サプリを飲んでいます。(葉酸は二分脊椎予防)
そして最近注目を浴びているのがビタミンⅮ。
ビタミンDには受精卵が着床し、胎盤をつくる役割があることが分かってきました。そうです、ビタミンⅮが不足すると、受精卵は着床しにくくなり、胎盤の形成が不十分になるということなのです。
体内に取り込まれた活性型ビタミンⅮは、腸や腎臓だけでなく、子宮内膜や胎盤を形成する組織に存在し、妊娠の維持に大きく関わっていることも分かっています。流産をくり返す場合は、要因のひとつにビタミンD不足が関与しているかも知れませんね。
また、子宮内膜症や多嚢胞卵巣症候群といった不妊症の原因となる病気を持つ人は、血中のビタミンDの濃度が低いと言われています。
体外受精の治療も、血中ビタミンDが高い方が妊娠率が高いことが分かっているので、不妊治療専門病院では、ビタミンDサプリの摂取をすすめているところが常識になってきているようです。(もちろんそれ以外の栄養素も妊活には必要ですよ)
不妊以外のビタミンD不足による影響
ビタミンⅮ不足の影響は、不妊だけではありません。
認知機能低下による将来の認知症発症や、セロトニン分泌不足(日光に当たらないこと)によるうつ症状、免疫機能低下による免疫異常などを引き起こすことが分かっています。
このコロナ禍、ビタミンⅮ不足による「うつ」が増えているそうですし、産後うつを予防するにもビタミンDの摂取が鍵を握っているようです。
日光浴するだけで予防できるのなら、日に当たりますとも!って思いませんか?
ビタミンⅮの摂取方法
【日光浴】
1日10~15分、日焼け止めを使わない状態で室外へ出ましょう。
もちろんお顔は日焼け止めOKですよ!
赤ちゃんも同じです。新生児期は1日10~15分、ガラス越しでかまいません。産着のまま日光浴させてあげてください。
【ビタミンⅮが含まれる食材を食べる】
きくらげ、かつお、しらす、いわし、さけ、煮干し、すじこ、いくら、めかじき、サバ、干しシイタケなど。
【ビタミンⅮサプリメントの摂取】
サプリは食生活を整えて、日光浴や食事からしても不調が改善しない時の最終手段です。決して自己判断せず、あなたの体調をトータルでサポートしてくれる専門家からのアドバイスをもらってくださいね。
さいごに
いかがでしたか?
コロナ禍で免疫強化が言われている中、ビタミンⅮの摂取が脚光を浴びていますが、ビタミンⅮだけが免疫を強化してくれるわけではありません。
睡眠や栄養など、生活習慣を整えることがなによりも大切です。
助産師の視点から、こんな感じで妊活やプレコンセプションケアについて書いています。マガジンにまとめています。
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パラレルキャリアをもつフリーランス助産師です。歩くパワースポットと呼ばれるくらい幸運体質な私が、妊娠/出産/子育て/女性の健康/の情報発信と日々のくらしのよしなごとをエッセイでつづっています。サポートしていただけたら最高にうれしいです!