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【歌詩】海洋散骨

海洋散骨

宛名のない創作物は
もう誰にも届かない
頭の大きな警察が
覚えのない罪状を読みあげる
君は凍った土中から見上げ
刻一刻と消えていく
形のない身体が黒く淀み
遂にはみんな忘れてしまった

始まりの汽笛に心躍らせていたね
無効の切符とも知らずに

  「ありふれた事故だ」と言うが
  君は蛇にはなれなかった
  もう既に死んでいたとしたら?

ここは世界一悲しい安置所
もう何年も放置された亡き骸に
こどもたちが石をぶつけている
「あんなおとなにはならない」と
「とてもみじめでかわいそうだ」と
笑っている 無邪気に笑っている

ああ! 新しい舞台の建て込み終わらない
もう間に合わない
あれが最期の上演だったとしたら?
言葉もない

せめて君をTimeLineから掘り返して
正しい海に還してあげる

  「ありふれた幕切れだ」と言うが
  あの子の孤独を想像したか?






どうしようもない憤りについて書いた。

SNSで行われる、誹謗中傷やアカウント凍結被害。
犯人の姿さえ分からないまま、一方的に攻撃を受けている人がいる。

「たかがSNSでの話」だとは言えるはずがない。

理不尽な嫌がらせに耐えかねて、消えてしまったアカウントの存在を、

悪質なイジメにより自決した人達と同じぐらい重く受け止めているのは、僕だけではないはずだ。

どちらも、その世界で確かに生きていたひとりだったのだから。


「海洋散骨」





ムジナの芝居


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