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もっと美しい日本語を知りたい。

今日は徒然と、脈絡なく書いてみる。

美しい日本語をもっと知りたいな、と思う。
作品のタイトルを考える時、もっと自分の中に語彙があればいいのに、と思う。


「天の海」


最近、空や海のような絵を描いているんだけれど、空の様子をあらわす日本語の語彙がとても多くて驚いた。それは、「逢魔が時」とか「黄昏」のように、ある時間帯を指す場合もあるし、空の色を指す場合もある。どれも美しくて、感嘆する。

詩的な表現が出来る人に憧れている。それは昔から。中高生の頃は恥ずかしながら詩を書いたりもしたが(所謂中二病だ)、今となってはなかなかそういうことを考える時間も減った。昔は、肥大化した自我によって、自分の境遇を憂いたり、かわいそうな自分に酔っていること、あるいはそうやって斜に構えてメランコリックであることが創造的なのだと思っていたように思う。盛大な勘違いだ。


「茜雲」

絵のタイトルは最後に考えることが多い。描いている最中から候補が浮かんでくることもあるし、あとからいろいろ調べて考えて決めることもある。
日頃から、いいなと思った言葉はストックしておくようにしているが、それが毎回ドンピシャで使えるわけではないから、結局ああでもないこうでもないと試行錯誤して決定する。

絵に言葉がピッタリと「ハマる」瞬間ってある。たまに、「この絵はこのタイトルがいい」と、描きながら決まることがあるが、そういうときは大概はずれがないように思う。それは恐らく、絵の持っているエネルギーと、言葉の持っているエネルギーが一致する瞬間なのだと思う。

願わくば全ての絵がそうであればいいんだけれど、なかなかそうはいかない。さんざん考えてひねり出して、苦心して考えたタイトルが素晴らしいものとは限らないのは、誰しも経験があることではないだろうか。

言葉をもっと上手に扱えるようになりたい。本当は自分の作品をもっと説明したほうがいいのかも知れない。でも、タイトルと作品を見て、それをどう感じるかは鑑賞者に任せたい気持ちもある。幸い、最近はようやく、見ただけでわかる作品が描けるようになってきた。

最近の絵は、空や海など、自然界のエレメントを再構築したような作品が多い。これは、自分にとっては、抽象度を下げる実験でもある。
世界を構成する要素を分解し、再構築する。それはもうもともとの景色ではなく、私の中にある心象風景に近いのだけれど、それをあえて単純化して描くことに意味はあるのだろうか。実験は飽きるまで続く。


「白夜」


同じものを見て、それぞれが想起するものはきっと違う。例えば「あの日の空」と聞いて、日々のどんな思い出が蘇るのかは人によって違う。

そういう、自分と対峙するための鏡のような作品が描きたいと思う。
もっともっと精度の高い鏡になりたい。自我が消えて、透明になっていくような。そのためには、自分の純度をもっと高める必要があり、今はかなりノイズが多いように思う。周囲のノイズにかき消されないように、もっと自分と親密になりたい。

究極的には、自分の声を聞いていればいいのだと思う。自分の純度を高めるというのは、ひたすら他人に向かいがちな関心を、すべて自分に戻していく作業なのだと思う。誰かの世界を覗いてあれこれ言うのは簡単だけれど、じゃあ自分の世界はどうなんだろうか。私の創造した世界は、美しいんだろうか。

自分が感じ取っているものをそのまま描けたらどんなに楽だろうか。情報をそのまま再現するには、自分の身体の精度はまだまだ低い。目で見たものすら再現できない。頭の中にあるものを具現化することが出来ない。
絵を描くことはおもしろいが、同時にとてももどかしい。頭の中の情報を全部拾って書き留められたらいいのに。でもそれはきっと誰も読めないんだろう。


「initiation」

情報をもっと立体的に収納して引き出せたらいいのに。頭の回路が足りない。というよりも、身体の使い方の問題のような気がする。
肉体と思考の連結を助ける目的で、絵を描いている。いつもとは違う回路を使用して活性化するための。肉体との連結が甘いから、誰かに乗っ取られるんだ。もっと、肉体と意識をきちんと連結させておかないと、意識レベルが下がってしまう。今後はもう少し、肉体のノイズを消していかないといけない気がするので、そこは今後の課題。


「降臨」

数字が情報を格納しておく格納庫であるならば、絵も同じように、情報を格納しておくものに出来ないだろうか。一定の情報をその中に格納して、見る人が見たら解凍できるファイルのような。そういう装置として絵を描けるようになったらいいのに。いちいちすべてを語らなくても、見ただけで相手の中に何かが溢れて止まらなくなるような。もしかしたらそれを人は「感動」と呼ぶのかも知れないけど。
単に感情が揺さぶられるような横軸の波ではなくて、雷に打たれたような衝撃を齎すような。




こんなことばかり考えて生きている。

後半はあまり人に伝えるつもりがない部分を書いてしまったのだけれど、これはこれで自分用のメモとしては意味があるかも知れないのでこのまま残しておくことにする。



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