見出し画像

幸福製造機としてのデス・ストランディング #デスストで繋がれ

 どうも、パフォーマンス測定おじさんです。今日は人間の体調の科学と照らし合わせるとデス・ストランディングは幸福になるための装置としてとても優秀なのでは?という話をしたいと思います。

 ことの始まりは、「ゲームの企画職の人にデスストをどのように楽しいと感じましたか?という質問をするの割とその人の素養が計れて良いのではないか?」という話で、自分もデス・ストランディングの何が楽しいのか?を自分なりに解釈してみました。すると、デスストの楽しさというのは人間が幸福なったり、モチベーションをあげたり、体調を管理していくための要素が随所に含まれているな!という気づきがあったので文章としてまとめてみました。という話です。以下、その話。

 デス・ストランディングには単純にゲームとして面白い。という視点以外にも、人間の行動や感情に基づいた面白さのハックが行われているなぁと感じています。今回は自分が感じた他のゲームとひと味違う面白さについて感想を述べていきたいと思います。

計画の達成による幸福


旅行は計画を立てているときが一番楽しいという話を聞いたことがありませんか?これはデスストでも同じです。
・依頼が3つきてるな。方向は一緒だから全部受けて山を迂回するルートで進むか
・今日はあの山の頂上になにかないかな?見に行くか(実際に見に行くとカイラル物質が大量においてあったりする)
・山超えるにあたって、梯子3個とパイル1個もってくか。
といった計画の作成、そしてその達成。これは旅行に行った際に人間が感じる達成感や万能感と同じ効果を発揮していると考えられます。

自然と触れる

 これも最高の体調からのお話ですが、人間は「自然に触れる」ことにより体調を改善することができます。面白いことにこの自然というのはテレビで流れているような風景や、音でも良いとされていることです。デスストの舞台は6~7割が自然の大地と言っても過言ではなく(廃墟もあるけど…)自然と触れる。という意味ではベストなゲームと言えそうです。

経済的な効率化による幸福

 人間は何にお金を使うと幸せになるか?というのが↑の本のテーマなのですがこの本の中で語られていることの一つに、自由になる時間が多くなるようなものに投資をしろ。という話があります。デス・ストランディングでも、移動手段や道路、便利道具といったものに自分のリソースを投入することができます。それによって、より大量の荷物を運んだり、短時間でものを届ける。といったリターンを得ることができます。ちょっと幸せになってきました?

感謝による幸福

これはもう特に言うことはないですね。人間がデザインされた環境では数十人程度の集落でお互いに助け合うことで自然の驚異や、他の動物からの危険から逃れ生活してきました。偶然か、意図的か、デスストの舞台は似たような環境になっていますね。(これは、最高の体調、幸せをお金で買う療法に似たような記述があります。)

というわけで、デス・ストランディング。単純に楽しいというだけでなく人生における大事な「充実感」「幸福感」「達成感」を丁寧に味わえるゲームとなっているわけですね。

その他にもこのゲームには以下の通り、ゲームとして成り立たせるための大事な要素がきちんと含まれています。

難しいことへの挑戦

計画が崩されてからのリカバリー、バイクで爆走していたら谷があることに気づかず落下、バイクを失って徒歩で目的地へ向かうことに…
同じことを繰り返して通算回数の達成、これは修行僧的な上級の幸福製造ですね。耐え難い苦痛に耐え続けることで脳内から快楽物質を放出させる的な…

成長の実感

 単純に同じ道を何回か往復する際、どんどん道が舗装されたり、橋、ロープが建てられる事によって配達時間が短縮され、あたかも自分が成長して時間が短くなったかのように感じるのも良い。これは経済の発展的な見方もできますね。効率よく物事が進められる様になったのでより大量の物流が動くようになります。

余談

 レベルデザインは相当練られている。BTとの遭遇は最初は恐怖の塊で見つからないように息を殺して進むんだけど、数回やるうちに、「あ、だりーな、コイツラ倒せねぇのかな?」になったあたりで血液グレネードなどが支給され、BTはあわれ、狩りの対象へ変貌する。
 行き来するのだるいな。となったタイミングでバイクが登場し、大量の荷物運ぶのだるいな。となったタイミングでミュールのトラックを盗んで走り出せることに気づく(トラック作れるようになるけどね)。

 UI良いよね。という話を聞くけど現実世界にあったら配達員がブチギレそうなセブンコーヒー的UIでは?と個人的には感じている。ゲームの本質的にはゲーム初心者に遊んでほしいけど、左キー押しながらステイック回して、L2押しながらみたいな複合操作はかなりの熟練を要求する。(ただ、ゲーム体験UXを考えると、ここをわかりやすくしてゲームが止まるよりはこちらのほうがトータルで良いので取捨選択が行われたんだろうなーと思う。)

 経済とオキシトシンという意味では以下の本も気になっているので読んでみたらまたデススト評をしてみたい。

 デスストは純粋な優良レベルデザインによる楽しさと脳ハック的な心理的幸福、経済的な合理性を1つのパッケージにおさめたものすごく質の高いゲームとなっています。ただモノを運ぶゲームでしょ?と敬遠せず、ぜひ遊んでみてください。

頂いたサポートは新たな測定ツールの制作、購入に使い、データの公開という形で反映することができたらなと考えています。