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俳優単推しからミュージカルオタクになった話

ツイフィールにミュージカルオタクになるまでを書いたつもりだったのに、いつのまにか山本耕史さん(以下耕史くん)に落ちるまでになってしまった。なので、ここではメンフィス(アメリカ)と出会ってミュージカルオタクになるまでの過程を書いていこうと思います。

単推し時代

高2の夏に耕史くんに落ちた。
暇で暇でしょうがなかった夏休みに大河ドラマ『新選組!』を見たからだ。
詳しいことは上にツイフィールのリンクを置いたので読んでください。

彼はドラマも出ていたが、ストレートプレイやミュージカルにも出ていることも知った。
私は大学生になりアルバイトも始めたので、お小遣い以上の金額が手に入るようになっていた。
耕史くんを生で見たい!耕史くんの舞台が観たい!
そう思うようになった。

学校の芸術鑑賞会以外で、初めて観た舞台は耕史くん主演の『GOD SPELL』(2010年)だった。
初めてファンクラブに入り、ファンクラブを通してチケットを取った。
申し込みをした時「こういうのは大体外れるもの」だと思って3公演申し込んだ。全部当たった。最初の舞台がまさかの多ステだった。

迎えたMy初日。まさかの最前列のセンターだった。開場時間ぴったりに行ったら、まだほとんど人は来ておらず1人で座っていてなんだか恥ずかしかったのは覚えている。
2回目で「あ、後ろの方でこんなことやってたんだ」となった。
3回目は千秋楽で、とにかくアドリブが満載だった。

その次に観たのがテンペスト(2011年)。シェイクスピアじゃなくて、琉球王朝末期の沖縄の話。
あまりに小顔で、人形が出てきたのかと思ったら仲間由紀恵さん本人でびっくりした。
生瀬勝久さんのアドリブがとても面白かった。
「なんか見たことあるおじさんがいるな」と思ったら堤幸彦監督(この舞台の演出担当)だった。

その後『ウサニ』(2012年)で所謂「日替わりネタ」の面白さを知り、『ロックオペラモーツァルト』(2013年)で彼のモーツァルトのカッコよさ・サリエリの色っぽさにびっくりした。

※この作品では『Mozart!』のように「ヴォルフ」とは呼ばない。「モーツァルト」と呼ぶ。ここは私はこだわらせてほしい。だから「耕史ヴォルフ」とは言わず「耕史モーツァルト」と呼ぶ。

『おのれナポレオン』は就活が佳境に入ると予想してチケットを取らなかった。

就活は終わっていなかったが『ヴォイツェク』は観に行った。ここで白井晃さんの演出、三宅純さんの演出と出会った。

いつも劇場で渡されるフライヤーの束。
なんとなく「耕史くん出演作以外のも観に行きたいなー」と思っていたがお金もなく、そのままになっていた。

2014年初夏

ちょうど社会人になった2014年(年齢がバレる)。
オーシャンズ11(梅芸版 または 香取版)の公演中だったと思う。
2015年1~2月に赤坂ACTシアターにて「MEMPHIS(メンフィス)」が上演されることが発表になった。

オーシャンズ11の千秋楽の日にファン友達とヒカリエでご飯を食べながら
「トニー賞受賞作品だってー!」
みたいな会話をした気がする。
ぶっちゃけトニー賞というものが何なのか知らなかった。

主人公の名前とヒロインの名前は確か先に出ていて
ヒューイ・カルフーン:山本耕史
フェリシア・ファレル:濱田めぐみ
とのことだった。

濱田めぐみさん(以下めぐさん)の名前を見た時、完全に
濱田マリさんと勘違いしていた。
あ、あの人ミュージカルやるんだ、と思った。

後に調べたら濱田マリさんとは別人だということ
その方は劇団四季で有名だった女優さんだ
ということがわかった。

「劇団四季・・・。あー、ライオンキングね。」
本当に最初はこのくらいしか知らなかった。

今まで耕史くん出演作のヒロインって、舞台出身の方が少なかった気がする。仲間由紀恵さんとかマイコさんとか秋元才加ちゃんとか。
だから本格的な舞台女優さんと共演だー、って思った。

この年の秋頃に有村架純ちゃん主演の『ジャンヌ・ダルク』を観に行く。
初めての耕史くんが出演していない舞台。ただし、白井さんの演出と三宅さんの音楽なので、全く関係ないともいえず。
初めての2階席。そして初めて前のめり観劇の迷惑さを知った。(今までファンクラブで取っていた為全て1階席だった)

2014年11月18日火曜日

当時の赤坂BLITZ(現マイナビBLITZ)にて、メンフィスの製作発表に参加した。
一般参加者は抽選制で、ダメ元で応募したらまさかの当選。
平日だったが有給休暇を行使し参加した。
今まで観たことある耕史くんの舞台ではこういう一般人が参加できるような会見を開いたことはなかった。
後に、東宝とかホリプロとかは一般人を入れた会見をやることがある時があると知ったけど、この時は主催がどことか演出が誰だとか全く気にしなかった。

その模様がこちら↓

正直、耕史くんとジェロくん以外知らなかった。
ジェロくんについても
黒人演歌歌手で『海雪』を歌った人ということ
2013年に「tick,tick...BOOM!」というミュージカルで共演した人
ということぐらいしか知らなかった。
「あの赤いドレスの人がヒロインの、例の濱田めぐみさんか」
そんなことを考えながら帰った。

2015年2月1日

大げさかもしれないけど
世界のすべてが変わった日だった。

先にこのミュージカルについて。
内容はというと↓

アメリカ テネシー州メンフィスでの物語。白人男性ヒューイと黒人女性の歌手フェリシアが出会い、白人のラジオ局で初めてフェリシアの歌声を流す。あることをきっかけに2人は別れてしまう。その後フェリシアは全米ツアーに出る。その最中、フェリシアはメンフィスに立ち寄り、ヒューイにコンサートに出てほしいと持ちかける。

前回書いたnoteより抜粋。
物語の時代は大体ビートルズとかフォーシーズンズとかと同じころ。(実際メンフィスで当時の流行曲として使われていた曲が舞台『Back Beat』で使われている。あの犬の歌。)

公演初日である1月30日
その前日くらいにに雪が降った。

初日は金曜日。私が行ったのは開幕から3日目の2月1日の日曜日。
ファン友達と行く日を合わせて行った。

テンペストやヴォイツェクで行ったことがある赤坂ACTシアター。

赤坂ビズタワーでお昼を食べていざ劇場へ。

開演。

2つのラジオ局DJのセリフから始まり、M1は『Underground』
ジェロくん演じるデルレイのソロから。
「耕史くん初っ端から出ないかー」って思ってボーッとしてた。
フェリシアが登場するまでは。
曲の途中で入ってくる(店に戻ってくる)めぐさんが演じるフェリシア・ファレル。

「ただいま兄さん!」
「このビールストリートには昼も夜もないのよ」
「私が歌うわ」
「one,two,three,four!」

小言ばかり
兄さんがマスター(「あぁそうさ!」)
縛られてる
スターになるまで
このマイクで歌うだけ
お楽しみはお預けで
遊びたいのに 許してくれない

この7行がフェリシアの歌いだしになるのだが
「小言ばかり」のこの一言を聞いた瞬間、私の体の中心がビリビリと痺れた。と同時に涙が止まらなかった。

今まで、テレビのドキュメンタリー番組でもドラマでも、観劇でも
例えば誰かが亡くなったとか悲しいシーンで泣いたことは数あれど
人の歌声に感動して涙が出た、というのは生まれて初めてだった。

耕史くん演じるヒューイも情けなかったり、かっこよかったり、人間くさかったり。
最後の曲『Steal Your Rock’n’Roll』で号泣。
終演後は友達と「やばい、やばい」と繰り返した。
とにかく、私はこのミュージカル『メンフィス』が大好きになった。

このメンフィスで初めていわゆる「遠征」をした。
私は首都圏在住で基本的に東京や神奈川の公演にしか行かない。しかし東京千秋楽を観に行けなかったこともあり、初めて飛行機とホテルを取り福岡を1人旅をした。観光地らしい観光地には1つも行けなかったけど。

この時ひどく風邪をひいていて、行きも帰りも離陸の際に耳が死にかけた。

着いた日は観劇しなかったが、現地でファン友達と会った。
その友達の友達と一緒にもつ鍋を食べた。
先輩ファンだったので、昔のファンクラブイベントなどの話を聞いた。

翌日の大千秋楽。キャナルシティ劇場(今は劇団四季の専用劇場となっている)

あまり覚えていないが、耳の状態の為か劇場の音響のせいなのか全体的にちょっとこもって聞こえた。
あとはまさかの最後の『Steal~』でめぐさんが転んだこと。
カーテンコールの挨拶で耕史くんがドラゴンボールのものまねをしたこと。
(「クリリンのことか!」、「(フリーザの声で)ハッカドゥ!」、「サイヤ人というのは本当にバカが多いですね」)
そのものまねの最中に照明が割れたこと。
あと九州在住のフォロワーさんと初めましてのご挨拶をした。
普通に観劇本番以外も楽しかった。

その後

濱田めぐみさんを追いかけ始めた。
2015年、日生劇場での『Death Note』(以下デスミュ)。
そして赤坂ACTシアターでの『サンセット大通り』。これは初日に入ることができ、これが最初で最後のU-25チケットだった。やはりめぐさんの歌の力に圧倒され、ここでも大号泣だった。

デスミュと同時期に『レ・ミゼラブル』を観に行った。これが初めての帝国劇場だった。
観劇を決めた理由は耕史くんがかつてマリウス役をやったこと。『メンフィス』に出ていた吉原光夫さん(以下光夫さん)が出ていること。
光夫さんがメンフィスで演じたボビーは割と内気な性格ということもあり歌は少なめだったので、彼の歌が聞いてみたかった。

びっくりした。『彼を帰して』を聞いて、光夫さんがこんなにも高音をきれいに歌える人だとは思わなかった。彼は帝国劇場の中心にいた。(「レミゼの主役は誰か?」という議論はひとまず置いといて)
正直メンフィスのボビー役はもったいないと思った。

更にその後はまた耕史くん出演の『嵐が丘』を観に行ったり(耕史くんが結婚したり)、
『エリザベート』(2015年)を観に行ったり(オーシャンズ11の東京公演後にスマスマで放送されたのに影響された)。
他にも『アラジン』や『RENT』、『黒執事』
観劇本数は少ないけれど、この2015年が私のミュージカルオタク元年になった。

2016年も『花より男子』や地球ゴージャスの公演、『ブラックメリーポピンズ』などいろんなものを観に行った。

ファンクラブも耕史くんのみだったが、2016年に浦井健治さん、2018年に加藤和樹さんのに入った。

まとめ

私のミュージカル人生は2015年『メンフィス』で始まった。
これは自信を持って言える。
だから2017年の再演の時は、耕史くんファンの自分とミュージカルオタクの自分が混在しているなんだか不思議な感覚だった。
いつも思うのは「耕史くんは私を新しい世界へ連れて行ってくれる」
彼のファンになっていなかったら、そしてミュージカルに出会っていなかったら、私の休日はずっと家に引きこもっていたかもしれない。
そして、フォロワーという名の友達にも出会えなかった。

観劇とはお金のかかる趣味だ。正直自分の収入を考えると不相応だと思う。
でも多分やめないと思う。生活環境が変わったら観劇本数は減るかもしれないけど。
劇場という少し日常から離れた空間で、少しオシャレして、最高のパフォーマンスを観て、感動して、関わる全ての人に拍手を送る。
これからも続けていきたい趣味だと思っている。

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