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2022年よく聴いた曲ベスト10(洋楽編)

寒中お見舞い申し上げます。邦楽編に引き続き洋楽編です。

【第10位】
Bad Habit / Steve Lacy

ジ・インターネットのギタリストであり、プロデューサーとしてケンドリック・ラマ―、ソランジュ、ヴァンパイア・ウィークエンドなどの作品を手掛け、ルイ・ヴィトンのファッションショーでモデルを務めるなど、その類い稀な才能で多岐に渡る活躍を見せるレイシー。いま世界でもっとも注目されているアーティストの一人といっても過言ではない。

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The Internetのメンバーだったのを知らずにただカッコイー!!と唸っていた2022年。The Internetといえば映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」でイキった編集者が「こないだThe Internetのライブ行ってきてサァ~」と吐かして周囲もキラキラしたリアクションをかまし奥田民生になりたいボーイのみ不安を憶えるシーンをいつも思い出す。ちなみにイキりな編集者役は新井浩文

【第9位】
Tongo Barra / Vieux Farka Toure 、 Khruangbin

クルアンビンとの極上コラボでアフリカ最高のギタリスト楽曲をオマージュ!
マリの伝統的音楽とブルースを融合させたサウンドで〈アフリカのジョン・リー・フッカー〉とも評される伝説的ギタリスト=アリ・ファルカ・トゥーレの楽曲を、息子ヴィユー×来日迫るクルアンビンによるコラボでオマージュしたアルバム。

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気を抜いたらKhruangbinばかり聴いていた2022年。こちらの歌モノKhruangbinは辺境バリバリ異国情緒に野太いおっさんのマリアージュで総じて民族のルーツをそのまま現代の皿に乗っけた感がありやはり落ち着く。

【第8位】
Concorde / Black Country, New Road

2021年のベスト・アルバムの一つとして各方面から評価され、メディアからの満点レビューが続出、全英チャート初登場4位の快挙を達成したブラック・カントリー・ニュー・ロードが衝撃のデビュー作『For the first time』に続くセカンド・アルバム『Ants From Up There』をリリース。

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チルい曲も欲した2022年。アレコレのような古い曲に新譜を挟み込む、というのが私がプレイリストを作る上で大事にしているルールなのだけど、この曲はどの昭和と昭和の間にもすっぽりと収まった良曲だった。メインボーカルのデヴィッド・ボウイみたいな深くて優しくてスフィアン・スティーヴンスみたいな儚さといなたさが素敵やん。と思っていたらまさかの脱退。去年の苗場はボーカル不在とて外タレ集めてフェスが出来ただけで許されたせいか学芸会でもよしだったのだろうけど、と思っていたら最近のUKツアーではなんと即完してるらしい。4月はO-EASTやBIGCATのサーキット。アンダーワールドの娘のド根性、大売れする前に観ておきたい。※厳密には2021年11月30日リリース

【第7位】
Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) / Ron Trent,Khruangbin

本アルバムの参加ゲストにはクルアンビンに加えて、ブラジルの伝説的バンド、アジムスのドラマー、イヴァン・コンチとベーシストのアレックス・マリェイロス、フランスのジャズ/フュージョン界のスター、ジャン=リュック・ポンティ、そしてアンビエントのパイオニア、ジジ・マシンといった面々が名を連ねており、マスタリングをフランソワ・ケヴォーキアンが手がけた超豪華なコラボレーション作品となっている。

Qetic

またまたKhruangbinだった2022年。

【第6位】
Anchor in the Clouds / Butter Bath

アレコレのような古い曲に新譜を挟み込む、というのが私がプレイリストを作る上で大事にしているルールなのだけど(以下略)

【第5位】
Thousand Knives – Thundercat Remodel / 坂本龍一, Thundercat

サンダーキャットの「千のナイフ」カバーまさかの歌もの!!!まああの童謡みたいなメロディは口ずさみたくなる

Kotetsu Shoichiro

カバー曲という名のブレインフィーダー新譜。坂本龍一氏のこれまでにないプロモーションに心配の二文字しかなかった2022年。でもこのカバー曲はとても笑えて泣けた。いつものブルース・リーの黄色いジャージ白シャツかめはめ波ならぬスイカを両手から放ちながら作ったのだと思っている。

【第4位】
Oh Caroline / The 1975

古い例を出してしまえばU2 が『All That You Can't Leave Behind』を出した時みたいなタイミングの作品に位置付けられるのかもしれないが、創作の袋小路に入る前に状況を俯瞰し、しかもそれをまだ若いうちにやってのけるあたりは失敗しない世代らしい利口さを見るかのよう。意図はともかくエッセンシャルな魅力をストレートに打ち出す清々しさに圧倒されておきたい。

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第4位はTOTOで「アフリカ」でした。
2022年は現代にアレンジしたカバー曲か一見レア・グルーヴのようなオリジナル楽曲が特に刺さった2022年。この曲は後者の台頭。私がまだDJをやっていたら大晦日はアフリカとこの曲とパープル・レインをバック・トゥ・バックしながら途中歌いながら締めていたはず。

【第3位】
Everybody Wants to Rule the World / Robert Glasper feat. Lalah Hathaway & Common

Robert Glasperは、Tears for Fearsの「Everybody Wants to Rule the World」をカヴァー。米ラジオ局SiriusXMの番組『Heart & Soul』のために行ったパフォーマンスで演奏しています。

amass

カバー曲オブ・ザ・イヤー。わだばラッパーになるとでも言いたげだった2019年から数年。Yasiin BeyことMos Defこと天才はおろか氏が憧れるJ Dillaをとっくに抜き去って手が届かない存在になったと思ったら秩父に来日するフットワークの軽さは健在。そのうちヴァンダレイ・シウバみたいにはなまるうどんで見かけるかもしれない。

【第2位】
Following the Trend / Far Caspian

アイルランドのSSW=Joel JohnstonのソロプロジェクトFar Caspianのデビュー・アルバムその名も『脱出の手引き』。(中略)閉塞的な故郷からの「叶う事のないであろう大いなる脱出」をテーマにしたJoel Johnston自身の為のサウンド・トラックである今作は、エレクトロ、アコースティックの絶妙な塩梅で構築されたサウンドスケープを通して、いかな聴き手をも抱えうる孤独と希望を優しく共有してくれる。

ALFFO RECORDS

ベルセバのようなグラスゴー感が一周回ってきた2022年。ユニオン下北沢店だったかどこだったかで聴いてからこれが第1位だと11月まで確信していた。

【第1位】
Skinny Ape / Gorillaz

“Skinny Ape”は“Cracker Island”、“New Gold”、“Baby Queen”に続いて、来たる新作『クラッカー・アイランド』から公開された4番目の曲となっている。ニュー・アルバムは2023年2月24日にリリースされる。

NME JAPAN

そして12月に見事に差し切って優勝したのはデーモンだった2022年。第1位記念にデーモンと私を振り返ると初めて自分で買った洋楽CDはThe Great Escapeで同時期に姉から(What's The Story) Morning Glory?を誕生日プレゼントで貰い「両方知っておけ」のメッセージと受け取った14歳はその後UKを離れGREEN DAYに出会いRage Against the Machineに出会いBeastie Boysこそ我が人生となってスケーターズナイトやパブリックカフェをうろうろする高校生になった頃には「UKはダサい」とまで言ったけど20年後のグリーンステージでArcade Fireを待っていた時に生「Photograph」を聴いて号泣した、デーモンと私。最近どこかのフェスで歌うYou Tubeを観たけどPark Life全盛期と見た目も声も変わらないからほんとに2022年?と疑った2022年だった。

余談

そうだ。不毛なnote、書こう。と先日は邦楽ベスト10を書きましたが、今回は昨年1年間でとりわけ素晴らしいと感じた洋楽を10曲選びました。ところで「洋楽」って言い方、なんとかなりませんかね。「洋画/邦画」もなかなかダサいのですが総じて「映画」っていってる以上は洋画邦画は成立しているようにも思えます。ですが「音楽」って総じていないから「洋楽」は気になります。当然邦楽も。日本か日本以外かを指す表現が「邦楽」「洋楽」はなんかとっても気になるんですね。なんなら差別表現にも思えてくるし、すごいざっくりしているようにも思える。お菓子は洋菓子と和菓子しかない、みたいな。ケーキは洋菓子で饅頭は和菓子というのはビートルズは洋楽で演歌は邦楽くらい単純な話で、はっきりと分断できるような曲ってあんまりないと思うんです。歌っている人、演奏している人の国籍だけで判断するなら、石野卓球は邦楽ですか?KhruangbinのYMOカバーは?そもそもベートーヴェンは「クラシック」ってあれ?トミー・ゲレロは「ギターが上手いスケーター」ってあれあれ?(誰も言ってない?)カレーライスは洋食?はま寿司のえびアボカド寿司は和食?そもそも寿司?プリンどら焼きはどっち?雪の宿ミルクティー味は?そんなことを考えている時間こそずっと遊んでいられる大切な時間で、フジロックフェスティバル開催前に乗り込んだ上野発の特急列車が越後湯沢に到着するまで、ビール片手に繰り広げる会話ってだいたいこんな時間だったような気がします。今年は誰が出るのでしょうか。そろそろフジロックらしいフジロックになるのでしょうか。音楽は素晴らしい。あ、音楽って言っちゃった。

次点5曲(順不同)


そうだ。不毛なnote、書こう。

ってまた思えたら、2022年よく聴いた曲ベスト10(洋楽編②)も書きたいと思います。ちなみに一番好きなジャンルは「DMRがまだあったらレコメンドしてくれそうなハウス」なのでその類になるでしょう。より一層自己満色が強まりそうだ。醍醐味だ。それではまた。


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