見出し画像

母が「二人なんだけど、三人で暮らしてる気がする」と言い出した(-_-;)

相変わらずほぼ週一、車で10分ちょっとの所にある実家へ両親の様子を見に行っている。その時に父をスーパーへ連れて行く。免許返納を渋っていたけど、去年の夏、同い年ぐらいのおばあさんが運転する車が横っ腹に突っ込んできて、父もやっと観念した。

母は相変わらず自分の身体の悪い部分を見つけ出して、病院へ行くべきかどうか私に聞いてくるんだけど、そんな時ほど生き生きしている。ここが青くなってるとか、曲がってるとか、腫れてるとか、まだ自分が50代ぐらいのつもりでいるようだ。若い頃はきれいだったからね。年を取ればしわもできるだろ。先日89歳になった。

その母が、真剣な顔で言うのだ。
「お父さんと二人で暮らしているのはわかってるんだけど、時々三人で暮らしているような気がする。お父さんがお母さん(母の母 50年前に58歳で亡くなった)に見えるのよ。時々壁に黒い影も見える。でも、あんたがおばあちゃんに守られてると誰かが言ってたから、私も守られてるのかなあと思って。」

怖いとか、嫌だといった気分ではないらしい。
「そうやそうや、守ってくれてるのよ。」と私は言ったけど・・・老化は着実に進んでるんだろうな。

母は、父にも同じことを言ったそうで、父は以外にも不安がることなく「もう年やからなあ。」と。母も「お母さんが守ってくれてる」と思ってるし、こういう時「そんなもの、見えるわけないでしょ!何言ってるの!」などと言ってはいけないのだろう。

介護の先輩とその話をしていたら、認知症でなくても高齢者にはよく見られる症状だそうで、たぶん軽度の「せん妄」。
先輩のお父さんは認知症が進んでいたので「せん妄」が頻繁になり、「いつも来るヘルパーが財布を盗んだ」と騒いで大変だったそうだ。

父にダメ出しするときだけは相変わらずクリアな脳で、凄い瞬発力の母だけど、ぽろぽろとおかしなことを言い始めている。

「あんた、保険には入ってるの?」と言うから生命保険のことかと思ったら、国民健康保険のことだった。
母が「(ケアマネさんとか外部の人がうちに来て)コロナがうつるといけない」と言うから去年介護認定の手続きを見送ったのに、すっかり忘れているようで「どうやったら認定が受けられるんやろう。」と不満そうに言う。
何もしなくなった母の代わりに(本当はもっと動けると思う)、父が一生懸命おかずなどを作るのだが、「また肉じゃがかあ。」と言ったり。

ここに来て、母は怖いもんなしになってる気がする。

ふさぎこんで部屋にこもりっきりというのも困るけど、あの強気はどこから湧いてくるんだろう。
寂しさの裏返し?なんて思えない、私は冷たい娘。
体が痛い、お父さんに酷いこと言われた、などと嘆かれても、今ひとつ同情できない、残念な母なのだ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?