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【後編】Beaujolais(ボージョレ)の追究!!
前回に引き続き、今回もボージョレのワイン【後編】という事で語っていきたいと思います。
前編では、ボージョレ ヌーヴォをメインにお話しさせて頂きました。
そして
”コート・ドール地区ではなぜガメイから美味しいワインが出来なかったのか?
なぜボージョレ地区ではガメイから美味しいワインが出来るのか?”
この疑問が残ったままでした。
※前編をまだ読んで無い!!という方は最初にこちらを読んで頂けると理解しやすいかと思います。
それでは後編を始めたいと思います。
後編の重要キーワードは「土壌」です。
ガメイとは
ブルゴーニュ地方のボージョレ地区の主要黒ブドウ品種ガメイ。
ガメイはどんな品種なのか見ていきましょう。
ガメイはとても強いブドウ品種です。
冷涼な気候でも成長し、果実をたくさん実らせます。
収量が多い事は嬉しいのですが、たくさんの果実に栄養が行き渡るため、1つのブドウに対しての栄養が少なくなります。
この話、どこかで聞いた事がありませんか?
そうです、古木は収量が落ちる事により自然と果実の量がバランス良く制限されるとお話ししました。
まだお読みで無い方は、是非こちらも読んでみて下さい。
ガメイの収量の落とし方
ではどのようにしてガメイの収量を落とし、ポテンシャルの高いブドウを育てるのでしょうか?
結論から言ってしまいます。
土壌です。
ボージョレ地区では土壌によりガメイの収量を制限しているのです。
ボージョレ地区は花崗岩質土壌になります。
花崗岩質土壌の特徴は土壌が酸性という事です。
【酸性の土壌の特徴】
酸性の土壌というのは水素イオンが多い土壌という事になります。
プラス電荷の栄養(カルシウムなど)が流れてしまう
カルシウムなどのプラス電荷の栄養と土のマイナス電荷がくっついて栄養のある土壌になるのですが、酸性の土壌はたくさんある水素イオンと土のマイナス電荷がくっついてしまいます。
そしてくっつけなかったプラス電荷は流れてしまいます。
土に栄養剤を与えたとしても、流れてしまうという事です。
難しい話しになってしまいましたが、要するに栄養が少ない痩せた土壌という事なのです。
この痩せた土壌が果実の収量を抑え、高品質なブドウを実らせるのです。
これによりボージョレ地区で育ったガメイから造られるワインは、イチゴのようなチャーミングな香り。
高い酸と優しいタンニンのバランスが良く、冷やしても楽しめるワインになります。
ちなみにコート・ドール地区の土壌は石灰岩質土壌になります。
石灰岩質土壌はサンゴや貝の殻によるカルシウムが多く、アルカリ性の土壌になります。
花崗岩質土壌とは全然違いますね。
この石灰岩質土壌で育ったガメイから造られるワインは、酸がとても強くて、薄いシャバシャバしたワインになってしまうのです。
ブドウ品種の特徴 × 土壌の特徴
とても大切ですね。
クリュ ボージョレとは
ここからはボージョレ ヌーヴォ以外のボージョレワインについてご説明したいと思います。
テロワールとは
フランスワインは難しい!!と思ってる人も多いかと思います。
それはワイン名がブドウ畑の位置する場所名だからです。
例えば、東京都で育ったブドウから造られたワインの名前は「東京」です。
東京都中央区で育ったブドウから造られたワインの名前は地区名「中央」となります。
「東京」より「中央」の方が狭い範囲で育ったブドウになるため、よりその土壌や気候を楽しむ事が出来ます。
ワインから”その土壌や気候を感じる事”を”テロワールを感じる”と言います。
もちろん範囲が狭くなればなるほど、ワインの値段も高くなります。
また、どこの村や畑でもワイン名に畑の場所を名乗れるわけではありません。
ワイン法という細かい規定を満たしているワインのみブドウ畑の場所を名乗れるのです。
ボージョレの地図
ボージョレ地区にも村の名前を名乗ってるワインがあります。
ボージョレ地区はこのように分けられています。
・ボージョレ地区と名乗るワイン
・ボージョレ ヴィラージュと名乗るワイン
39の村が含まれています。
1つの村で育ったブドウからワインを造るよりも39の村の中で育ったブドウをブレンドしてワインを造る事が多いです。
・クリュ ボージョレと名乗るワイン
こちらはブレンドでは無く、10の村がそれぞれ個々の村で育ったブドウからワインを造ります。
![](https://assets.st-note.com/img/1678800377197-gHPb9F5yxz.jpg?width=1200)
そして地図はこのようになっています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100287961/picture_pc_d76dc802d0526a215b5f2db324726666.png?width=1200)
ピンク色:ボージョレ ヴィラージュ
緑:ボージョレ
北部にクリュ ボージョレが集中してますよね。
これには理由があります。
南部の土壌は粘土石灰質と砂岩が主体になります。
要するに、主体が花崗岩質土壌では無いため肥沃(栄養価の高い)土壌になります。
北部の土壌は花崗岩質土壌が主体になります。
なので、北部にクリュ ボージョレが集中してるのです。
クリュ ボージョレの個性
最後に3つのクリュ ボージョレを紹介したいと思います。
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【ムーラン・ナ・ヴァン】
こちらの土壌は花崗岩にマンガンの鉱脈が入り込んだ土壌になります。
ワインは骨格がしっかりとした複雑味のあるワインが生み出されています。
【フルーリー】
花崗岩質土壌で丘になっています。
やや標高が高いところに畑が位置しています。
ワインは女性的な華やかで優しく、軽めのワインが生み出されています。
【モルゴン】
花崗岩と火山岩の土壌になります。
ワインは力強くコクのあるワインになります。
まとめ
2回に渡り、ボージョレワインについて語ってみましたがいかがでしょうか?
ボージョレ ヌーヴォを飲む際にこの記事を思い出してもらえると嬉しいです。
またこの記事を読んで、ボージョレ ヌーヴォ以外のボージョレワインを飲んでみようかな?と思ってもらえたら嬉し過ぎて飛び跳ねます笑
この土日はボージョレワインで乾杯!!
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