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マルチビジネス地獄〜私の後悔と教訓〜

あの頃のわたしは、どうかしていた。

毎日、ハードワークで心身ともに
オーバーヒート。

自分でも気づかないうちに
選んではいけない方向へと
向かっていた。


その話を持ってきたのは、
中学校の同級生。家も近くて
よく遊んでいた。

    中学生の頃は。


その友人の名前は、まいちゃん。
明るくて元気なイメージの娘。
まいちゃんは、わたしが
社会人1年生のときに突然、
連絡してきた。

「もしもし?覚えてる?」

そんな感じで電話が掛かってきた。。。
と、記憶している。

懐かしい話をひとしきりして
話の流れで自然に会うことになった。

すっかり大人びた雰囲気になっていた
彼女は、世間話からわたしが
仕事や家族や彼について
疲れ切っていることを感じ取り、
上手にビジネスについて
熱く語った。

「絶対、やったほうがいいって。
  ね、一緒に成功しよ!」

その言葉をすっかり信じ切って
わたしは、どんどんハマっていった。

最初は、
きれいなオフィスに圧倒され、
セミナーの話に感動✨

この世界は 憧れと夢と
色とりどりに満ちた未来で溢れていた。

マルチビジネスについて。
システムの講義。
商品について。
経営理念。
方向性。
そのすべてが まったく知らない世界。

なんだかとても難しい話だらけで
現実があまりにも苦しくて
内容が理解できてなくても
なんとなくでいいかって思えていた。

これこそがこのシステムの狙いだった。
わたしのような無知で素直で
共感しやすい人がハマりやすい罠。

この時に気づけていれば。
「なにかおかしい」
そう思えていたら あんな地獄を
味合わなくてよかったのに。

それからも どんどん引き込まれて
まずは、自分の購入。
(このビジネスは 貴金属の販売で
成り立っていて一つ一つの商品が
ばか高かった。)

メンズの大きな時計に 
すっかり魅了された。

メレダイヤが入った高級時計。
シルバーの文字盤。
黒い皮のベルト。
シンプルなブランド名のロゴ。

事務所に行くたびに その素晴らしさに
視線とこころを奪われていった。

ーショーケースに入った
     威厳のある存在感ー

まさに成功者が持つにふさわしい時計。

成功者になるには、まず見かけから。
そういうことで スーツを買った。

そして時計を購入。
自分で買ってもランク昇級になる。

  さあ、成功の階段を登り始めた

本当にそう思っていた。

友人の勧誘計画。

リストアップする。
誰に電話するか、いつするか、
どんな話から誘うトークへ移るか。

毎週、どれだけの進捗をしたかの報告を
上司にする。そして次の計画を一緒に
考えて・・・

小学校の同級生からどんどん連絡した。
中学の同級生も連絡しまくった。

でも。

会ってくれたのは0人。

高校の同級生には、
あまり連絡しなかった。

部活で知り合った彼と
他の部員がこじれていた。

専門学校の同級生は、何人か会えた。

ただ。

そのころには、
もうすでに借金が出来ていた。

これが成功?少し、疑問が出てきた。

同級生を一人、
誘うことに成功したわたしは
引き返すことが出来なくなっていた。

借金を返さなきゃ。
売上を上げなくちゃ。

どんどん焦って

どんどん行き詰まって

それでも辞めることは出来なくなった。

買った商品は、

メンズの時計

ブランドのイメージキャラの指輪

サファイアの原石

その原石を使用したオーダーメイドの
かわいい指輪✿

締めて150万円

銀行のフリーローンから100万
最後に誘って入会した友人から50万

そして気づいた。

   これは…騙されているんだ

それから 借金の返済の日々。。。

働いて働いてバイトして
寝る間も惜しんで働いて。

マンションの家賃を3ヶ月滞納。
電話が止まった。
電気も付かなくなった。

バイトするために情報誌を買うか、
今日の食事を買うかの究極の選択を
強いられたこともあった。

虫歯が痛くなっても
歯医者に行けなかった。

とにかく誘ったあの娘を
恨んだ。
ただ一言、

「誘ってごめんね。」

そう言ってくれてたら
少しは救われたのに。
あんなに一緒に過ごしたのに
退会したら連絡が取れなくなった。

その後、営業の会社に就職し、
売上をバンバン上げて
借金を完済した。

その後もいろいろなその手の
ビジネスに誘われたが
あの時のように再び熱をあげることは
もうなかった。

なぜ、冷静さをすべて
失ってしまっていたのか。
「誰でも稼げる、成功できる」
そんな安易な仕事があるわけないのに。

今なら そんな事を言う友人を
心のなかで笑って
「そんな話、信じられるって
 ピュアなままでうらやましい」
そういうふうに 感じることが出来る。

あんな体験は、もうしたくない。

その気持ちがあるから。

今は、守るべき家族がいるから。

わたしはもう誰かに頼らない。
(何か)に期待しないで
自分を信じる。
自分の能力でしっかりと生きていく。


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