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『いしゃ先生』貧しかった頃の日本はこんな人に支えられていたんだー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(15)

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実在の医師・志田周子の半生を描いた映画です。

時は昭和10年。日本がまだまだ貧しい頃のお話。しかも、舞台となる山形県の村は雪深い山奥。そこはさらにもう一段上の貧しさ。もちろん無医村です。

そこへこの村の出身である志田周子が医師としてやってきます。まだ医学を勉強中で東京に恋人がいる周子は不本意ながら3年間だけという約束で村長(周子の父親)の頼みを聞き入れます。そして…。

この映画は、貧しかった頃の日本を教えてくれます。貧しいだけではなく人間の持つ偏見と迷信についても改めて考えさせられます。

でも思いました。

貧乏で偏見と迷信があるところにしか愛に満ちた立派な人は現れないのでは?と。

戦前の日本にはこの志田周子のような名もない「偉人」がたくさんいたのだと思います。

現代のわれわれ日本人ができることはこうした名もない「偉人」を一人でも多く知ること、一人でも多く伝えることだけです。

それは大事な教育の役目です。

アクティブラーニングも個別最適化もGIGAスクールも大切でしょうが、どう教えるかと同時に何を教えるか(伝えるか)の検討が本気でなされていないのでは?と思います。

老婆心ながら現場のこうした教材研究が衰弱していることを憂いています。

ちなみに私たちが当たり前に思っている皆健康保険制度が成立したのは昭和36年だそうです(私が生まれた年)。志田周子はその翌37年に亡くなっています。合掌。

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