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沖縄で学んだ台風&停電対策

 沖縄で2週間のワーケーションを体験し、台風8号・9号の2つの台風に遭遇しました。台風8号のときは雨がほとんど真横に降っているような状態で、風雨の音もすさまじいものでした。台風9号は沖縄直撃で、カーラジオによれば、沖縄では3年ぶりの大きな台風だ、とのことでした。沖縄で言う「大きな台風」とは、車が風で横転するレベルを指すようです。マンションタイプのコンドミニアムに滞在していましたが、窓の端っこから少量ですが雨水が吹き込んでいたり、玄関のドアスコープの隙間から雨が入ってきて水滴が流れ落ちてきたりするほどでした。今、接近している台風10号はそれよりもさらに大きいとのこと。

 台風9号では、12時間以上の停電を経験しました。朝5時に目覚めたときにはすでにエアコンの電源が切れており、まさかと思って確かめてみると停電。あわてて冷凍庫にあるアイスクリームを食べて、もう一眠りしました。そこから夕方5時過ぎまでの停電の経験をもとに、自分の備忘録も兼ねて、台風による停電時に必要なものをまとめておきたいと思います。ただし、あくまで私流のやり方なので、実際に試す場合は自己責任でお願いします。

1. 自宅周辺の対応

 まず、ベランダにあるものはすべて室内へ移動させました。これは、コンドミニアムに到着した際に、受付でも言われました。私たち夫婦は旅先ということもありそれ以上のことはできませんでしたが、周辺の店舗の多くは、養生テープで窓ガラスを保護したり、窓のあるところにネットを張って飛来物対策をしていました。大きなマンションの入り口は、自動ドアを停止し、自動ドア下の隙間部分を土嚢でふさいでいました。

2. 食事

 停電になると、水道やガスも止まる可能性が高いです。宿泊したコンドミニアムはIHコンロだったため、食材はあるものの、調理は一切できませんでした。そうしている間にも、冷蔵庫の中身はどんどん温まっていくので、調理してしまいたい気持ちになりました。

 冷蔵庫の中身で特に心配なのは冷凍室。少しずつ、でも確実に溶けていくため、効率よく冷やすために冷蔵庫のものもあわせて冷凍庫へ移しました(冷凍庫の方が狭いから)。冷凍庫には、袋に入った氷と、ペットボトルに入った凍らせてある麦茶をいくつか購入してきて入れておきました。冷凍野菜や冷凍豚肉などの12時間の経過を見ると、やややわらかくはなったものの凍った状態はキープされていました。凍らせた麦茶は4分の1くらい溶けていました。

 台風の場合は外に出ない方が安全ですし、お店も閉まっている可能性が高いので、カセットコンロが1台あれば、冷蔵庫の中を整理しつつ調理もできて便利です。防災用の食事セットのようなものは近くのスーパーにはあまり置いていないので、カセットコンロがない場合は缶詰でしのぐしかないな〜、と思いました。

 また、停電中にラジオで聞いたのですが、大人に必要な1日分の水は3リットルとのこと。自宅にはウォーターサーバーがありますが、電気で動く仕組みのため、やはり備蓄用のペットボトルの水は必須です。飲み水としてだけでなく、歯磨きなどにも使いました。

 さらに、水が出ないので、野菜を洗うことも、食器を洗うこともできません。停電になった時はたまたま、レタスを切り分けて1回分ずつジップロックに入れていたので、食べる分だけお皿に出して、缶詰のツナやコーンを乗せてサラダにしていただきました。また、豆腐やもずくなど、すでに小分けになっていて調理不要な食材は重宝しました。台風が来ることは地震と違って予測可能なので、事前に野菜を切り分けて保存しておくと、停電になっても日常に近い食生活を送ることができるかもしれません。また、水道が止まると食器も洗えないので、お皿や取り分けのスプーンなどにはラップを巻いて対応しました。

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 災害時によくカップ麺などが売り切れたりしますが、今回の場合、IHコンロも電気ポットも使えないし、水も出ないのでお湯が沸かせませんでした。この経験から、多くの人は災害時にカップ麺を食べることはできないのではないかと思いました。

3. トイレ

 12時間の停電で、これが最も重要なポイントでした。コンドミニアムには浴槽があったので、停電になる前に浴槽いっぱいに水を張りました。これは、テレビでもラジオでも早めにやっておくようガイドがありました。そして、私たちももれなくこの準備に助けられました。(※小さいお子さんがいる家庭では、誤って浴槽に落ちてしまうなどのリスクもあるようです。)

 停電になるとトイレは流れません。でも、浴槽から洗面器1杯の水をくみ、勢いよく便器に流し込むことで、大も小もちゃんと流すことができます。私にとっては初体験でしたが、貴重な体験でした。

 ただ、トイレのにおいはこもります。最近のトイレの脱臭機能はすごいんだな〜と実感する瞬間です(笑)。ということで、厚手のキッチンペーパーにレモンのアロマオイルを垂らしてにおい対策をしました。

 また、浴槽から洗面器に少し水を取ることで、トイレ後に手を洗うこともできました。これ、残り湯だったら手を洗うのは嫌かもしれません...。

4. 電子機器

 やっぱり頼りになるのはスマホでした。ただ、停電になるとWi-Fiの電源は落ちてしまうので、データ通信の残量がギリギリの方は要注意です。頼りになるスマホですが、それだけに頼ると電池はわりとすぐになくなります。たとえば、昼間でもトイレの中は暗かったので、スマホの懐中電灯機能を使いました。それから、ラジオが聞きたくてRadikoを使いました。もちろん、天気予報の最新情報もスマホから入手しました。これで相当、充電を消費しました。

 ここから言えることは、スマホの充電を長持ちさせる工夫が必要、ということです。今回はたまたま12時間で停電が終わったから良いものの、数日間続いたらどうしようかな、と思っていました。大容量のモバイルバッテリーは当然必要ですが、懐中電灯やラジオは専用のものを持っておくことをお勧めします。しかも、懐中電灯は最低2つは必要です。1つはリビングなどみんなが集まる部屋で使い、もう1つはトイレなどへの持参用です。また台風の風雨の音だけが響く部屋にいると、心細い気持ちになります。ラジオをつけっぱなしにしておくことで、音楽を流してくれたり、最新情報を伝えてくれたりするのはありがたかったです。

 今回、天候が小康状態のときに車で家電量販店へ出かけ、懐中電灯を購入しました。そこでラジオも買おうとしたのですが、ラジオコーナーで思わぬ発見が。研究でインタビューをするときなどに使うICレコーダーのほとんどに、FM機能がついているのです!私も研究者のはしくれとしていつも筆箱にICレコーダーを入れているのですが、家電量販店でそれに気づき、ラジオは買わずに済みました。ただし、最近はZoomでのインタビューが多いので充電を全くしていなかったため、モバイルバッテリーで充電しながらラジオを聴くハメになりました。ICレコーダーをお持ちの方は、そちらの充電もしっかりと。エネループなどの充電式電池を持っている方は、その充電も確認しておくと良さそうです。

5. 暑さ対策

 停電になると、エアコンも扇風機も使えません。そして台風だと窓を開けるわけにもいきません。じんわりと暑くなってきます。電気なしで体を冷やせるグッズがあると熱中症対策になりそうです。冷凍庫に保冷剤をためている人(それは私...)はそれを活用できるでしょうし、電池式の首からかける扇風機を持っている人も重宝しそうです。

 今回たまたま、ビーチで体を冷やすために「氷のう」を持って来ていました。浦和のロフトで買ったこちらです。

 水道水を入れるだけでもほんのり冷たくなり、フタがついているのでこぼれることもなく、結露もしにくい素敵な一品。ここに浴槽から水を入れ、氷を少し入れて使いました。特に「首の後ろ、わきの下、股のつけね」といった動脈の通ったところを冷やすのは、風邪をひいて熱を出したときなどに有効なので、熱中症対策も同様ではないかと思います。

6. お風呂

 今回、夜には電気がつくようになったので、お風呂は問題なく入れました。ですが、もし夜も停電が続くようであればやろうと思っていたことがありました。それは清拭です。私は手拭いが好きで、旅にも持参します。軽くて薄くてすぐに乾くからです。浴槽から洗面器に水をくみ、そこにラベンダーのアロマオイルを1-2滴入れて、その水で手拭いを濡らして絞り、それで体を拭く、というやり方です。ただの水でも問題ないとは思いますが、ラベンダーを入れたら気分も和らぐだろうなと思いました。

7. 台風銀座・沖縄から学ぶこと

 沖縄の人たちは台風に慣れていて、必要な準備はしっかりするものの、慌てず騒がずなところが本当に素敵でした。台風が来たら家の中でじっとして、過ぎ去るのを待つしかありません。関東に住んでいて不思議に思うのは、台風が来ているのに出勤したり、遅くまで出歩いたりしている人が多すぎること。自然に逆らえば痛い目に遭うに決まっています。

 台風10号はとても強い勢力のようです。進路にあたる地域の皆様、くれぐれもご安全に。私たちも予定を前倒しして帰路に着くことにしました。

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