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【1/100】映画を観ることについての、映画をそんなに観ない人間の雑感(2,205文字)

映画を観た。時々、「映画を観なければならない」という気持ちに駆られて、どうにかして映画を観ることがある。

この気持ちは、たぶんぼくが「映画は素晴らしいもの」で「映画を知らないなんて恥ずかしい」し、「映画を常に見る習慣がないなんて、あんまり文化的じゃないのね」みたいな、ひどい感覚を持っているせいだと思う。

 

もしかしたら、映画を観る人間の態度として適切なものがあって、それは、映画をある種どうでもいいもの(かもしれない)として観る、ってことなんじゃないかなと思う。

映画を観ることが難しいのには、いろんな理由があると思っていて、たとえば「あとから観られるのに映画館に行くのは大変だ」とか「2時間も取られるのは正直しんどい」とかがあると思う。

というか、ぼくが人に対して映画を観ない理由を説明するためにはあんなような言葉たちを使う。

ただ、もう少し真剣に考えてみると、「映画を観るとき、感動なり批判なり、強い感情を抱かないといけない」=「正負にかかわらず感動しなきゃいけない」と思っているのかもしれない、と思ってくる。

 

2024年に入ってから、自宅にあるデスクで映画を観ている(昨年までだと、プロジェクターで壁に投影して、ゴロゴロしていた)。せっかくなので、観ながらメモを取っている。そのメモは、正直本当に適当すぎるもので、「○○(主人公)~~~~やばいぞ大丈夫か」みたいなことばっかり書いてある。ただ、それを見ていると、意外とこんなもんでいいかもしれない、と思う。

自分が通り過ぎた、経験したものについて、なんでも知っていなきゃいけない、語りえなきゃいけない、みたいな感覚を有していたんだが、意外とそうではない気がする。

かつて自分が語りえたもの、について振り返るとき、1回しか経験していない、なんてものは正直ひとつもなかったように思える。1回の経験で得られるものは、まだ名付けられる前のものでしかない(僕にとっては)。ということは、ぼくが映画についてもし語りたいのであれば、たとえば複数の映画を捨てる(言い方が悪いが、大事にしすぎないで観る)ようになり、そのうえで何度も観たいと思って観たもの、についてのみ語れるのかもしれない。

 

こんなふうに思えてきたので、少し安心してきた。そもそも、別に映画について語る必要なんてのはないわけだが、ある種のサブカルチャーへの憧れが強いタイプなので、もう少しそこについては足掻いていきたいなと思う。

できれば、映画について自分の感想を書いて、ほかの人と交換/交歓することだってしてみたいが、この世には情報も知りたいこともあふれているのに、知ることができるものは限られている。ぼくが映画に時間を使うか、はぼくが決められることで、もしそうするんだとしたら、それはぼくが映画を観たい、ということになるんでしょう。(ので、今後このnoteに映画の話が出てくるか否かは、ここでぼくが書いたことが、ちゃんと実践できているか、という問いへの回答にはなります。きっと。)

 

今日は、「とりあえず映画を観る」がしたかったので、アマゾンプライムがおすすめしてくれた『グランド・ブダペスト・ホテル』を観ました。面白かった。
当然のことだけれども、要素が多いと複雑性が増えてきてよいね、と思う。人生っぽく見えるから。
ほんで、映画全体として、見た目がマジでよかった。ぼくはヨーロッパの紳士、みたいなものに非常に強くあこがれを持っているので、彼らの見た目・ファッション、インテリア、様は非常に良かったですね。自分の恰好、様を見直す機会の一つになるやもしれん、とは思いました。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00NCCNXX4/ref=atv_me_inc_c_TbVpuk_2_2?jic=8%7CEgRzdm9k

(後、グランド・ブダペスト・ホテルについていくつか論文があったので、読んでみたいと思う。何か感想があれば、残しますね。
昨日のグランド・ブダペスト・ホテル: 映画におけるシュテファン・ツヴァイク
 - シュテファン・ツヴァイクとこの映画の関係性を教えてくれる。さっきまで観たものが、また広がりを持って見られたのでうれしい
昨日の世界のための語りの技法: ウェス・アンダーソンの『グランド・ブダペスト・ホテル』 におけるツヴァイク・ルネサンス
  - ちょっとむずかしめ。ツヴァイクの作品を読んでみたくなる。
アンダーソン監督自身がインスパイアされた部分を教えてくれるので、その意味で読むのはよいかも)

あと、字幕で見たので、ちょっと英語の勉強にもなったりしていないかな、とかの下心もありましたね。それに、英語の勉強の前段階として、文化を理解したい気持ちもある。こういったものも、映画を、ザクザク観ていく、ということとつながってくるのかもしれない(つまり、ひとつの映画を楽しみ切るためには、複数の映画を観ることによる文化の理解、みたいなものが必要で、そのために、量を観ていけるとよいのではないか、って感じ)。

 

映画について語れるほど映画を観ていないけれども、映画をそんなに観ていない人間としての語りは一応済ませたつもり。いったん今日はここまでにします。

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またね~~~。

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