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「オープンであれ、嘘をなくす」、2019年に学んだ大切なこと

オープンであれ、嘘をなくす

昨年のどこかで、Guy Kawasakiさんがスティーブ・ジョブズとの出来事についてQuoraで読んだことがありました。オープンさと嘘について考えさせられる内容でした。昨年の学びを振り返っている時に、それが自分改めて大切なことだと思ったので、新年早々noteにしてみました。

その 出来事とは、ある日スティーブ・ジョブズがGuy Kwasakiさんのところに知らない人を連れて訪れて、その人を紹介せずに、「Knowareっていう会社についてどう思う?」と聞いてきました。

Guy kawasakiさんはその会社のプロダクトは平凡で退屈、単純過ぎて、マッキントッシュの戦略とはかけ離れたものだと考えていたので、スティーブ・ジョブズに対し、Knowareという会社について否定的なコメントをしました。しかし、ひとしきり批判を浴びせたあと、スティーブが同伴者をGuy Kawasaki さんに紹介し、「こちらはKnoware社のCEO、アーチー・マギルさん」と。
スティーブ・ジョブズと一緒に働いて、最も心に残った経験は何ですか?

この出来事でGuy Kawasakiさんは下記の3つの学びを得たそうで、そして僕はこの3つの学びこそスタートアップが生き残るために必要不可欠な学びだと思いました。

1. 本当のことを言うのは、あなたの人品と知性に対すテストです。本当のことを言うには強さが、何が本当なのかを見極めるには知性が必要です。
2. 人々は本音を聞くことを切に欲しています。ポジティブな雰囲気を保つため目的で彼らのプロダクトが素晴らしいと伝えることは、逆にそのプロダクトを改善する機会を奪ってしまうことでもあります。
3. 真実は一つしかありません。あなたが正直に振るまっていれば、一貫性を保つのは簡単です。しかし一つでも嘘をついたら、その嘘を覚えておかなければなりません。

オープンで、嘘のない状態はどういう状態なのか?

オープンで、嘘のない状態とは、Guy kawasakiさんの話も踏まえて私は日々起きている事象や出来事に対し、事実ベースで自分の主張や理解を、集合知として周囲に透明性高く共有できている状態だと思っています。
そのためにはまず正しく事実を理解することと、その事実に対し自分の主張や理解を周囲に正しく言語化できるように考え抜いて整理することが必要になります。
なので、オープンさを維持するためには、実はバイアスをなるべく取り除きながら事象や出来事を理解し、それについて独自の主張を述べられるように考え抜く努力が前提として必要ですし、周囲に共有・主張した時にコンフリクトが生まれたとしてもそれを恐れないメンタリティが必要です。

なぜオープンさは重要なのか?

スタートアップにとって、最もオープンさが重要だと思った理由は、日々の経験や仮説検証等から学べる内容が誤り、幅が狭まる、質が薄くなることです。
もし事実から目を背けていて、嘘のある状態でどんなに突き進んで、どれだけ議論し、行動をしていてもそこから何の学びも得られないはずです。短期的な成果を出せても嘘に嘘が重ねて中長期的にはいずれ破綻していくはずですし、仮に失敗したとしても「嘘の前提にあったから失敗した」としか学びが得られません。このような状態になってしまうことは誰にとってもすごく残念なことです。

例えば採用観点でオープンになれないと、採用したいか故に生まれる無意識的に自社の良さを過剰に見せたり、業績等を無理してよく見せたりすると、せっかく採用したのにも関わらず入社後に期待値のズレが生じて、うまくオンボーディングできなかったり、離れてしまったりします。更に失敗があったとしてもこの出来事からは「ミスマッチのないように情報の非対称性をなくす」くらいしか学びがない気がして勿体ないです。(勿論この学びも大切な学びではあります。)

スタートアップでは、日々オープンで、嘘のない状態で過ごしていけば、自ら考え抜いた行動を起こせて、その行動に対し、オープンなユーザーや仲間からのフィードバックを常に受け入れることができ、改善への行動サイクルをより早く、正しく回すことができます。そしてより沢山の学びを得ることができます。つまり中長期的により大きな結果に繋がりやすいです。

オープンさは、地獄を経験していても、そのまま突き進める勇気

オープンで居続けることは正直難しいところもあります。受け入れてたくない事象やトークストレートに伝えることが難しいは沢山ありますし、事実の原因を掘り下げたり、透明性高く共有することは時にかなりハードなことです。でもきっとそういう時こそ沢山の学びがあります。
チャーチルの「地獄を経験しているなら、そのまま突き進め(If you're going through hell, keep going.)」という言葉が個人的に好きなのですが、この言葉のように、決して事実から目を背けず、仮に地獄にいるとしてもそれを認識した上で向き合うことこそがオープンで、嘘をなくす状態を体現していると思いますし、我々スタートアップが向き合っているコトの実現への近道だと信じています。
2020も抱負としてどんな状況でもオープンに、誠実に過ごして行く所存です。

牟田吉昌(Yoshimasa Muta)
株式会社Boulder founder CEO
幼少期に中国の長期滞在経験あり、バイリンガル(日本語・中国語)
学生時代にスタートアップ立ち上げ等を経験後、株式会社リクルートホールディングスに新卒入社し、「AirPAY」に従事
その後株式会社フラミンゴにジョインし、取締役COOに就任
2019年4月に株式会社BOULDERを創業
エンプロイーサクセス事業「Well」(https://well.b-boulder.com/)をリリース、開発・運営
Twitter:@Yeahman18Roots


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