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26歳、台湾で起業した「路遙力(通称Lu)」という会社について

皆さんこんにちは·。路遙力(·Lu-Yaoli: 通称Lu)の齋藤睦です。私が台湾に渡ったのは2019年の6月。そこからビジネスモデルを検討したり起業の準備をし、2020年5月、26歳で路(以下:Lu)を創業致しました。

路遙力ができた経緯と由来

私は台湾に渡るまでは東北の地方創生ベンチャー企業「VISIT東北」で、東北地方のインバウンド推進に携わっていました。そこでは主に台湾市場向けのインバウンドプロモーションに関わっていました。そういった経緯もあり、VISIT東北のグループ会社として東北と台湾の架け橋になるという思いも、路は持っています。こちらの写真はVISIT東北のメンバーの皆様との写真です。

VISIT東北HP  

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路遙力の名前の意味を話すと、路は日本語で「みち」と読みます。意味としては新しい選択肢や方法と意味があり、人に視野や考え方が広がるような気付きを与えたいという思いがあります。

また、昔の中国のことわざに「路遙知馬力(lu yao zhi ma li)」ということわざがあります。これは昔の中国の役人がいくつか馬を走らせてみると、一見早く見えなそうな馬が実はかなり早く、なかなか見た目で判断できなかったという逸話からきています。この言葉のように、外見や見栄にとらわれずきちんと本質を見抜き、人や社会にとって本当に価値がある変化を起こし続けたいという考えがありました。

実は台湾の会社は中国語一文字の会社はほとんどなく、こうした2つや3つの漢字の音を組み合わせることが商習慣としてあります。この二つの思いをとって路遙力(ルーヤオリー)という会社名にしました。

ちなみにロゴは台湾でも積極的に活躍されている、世界的デザイナーである大石暁規(Akinori Oishi)さんにデザインいただきました。可愛らしいスマイルが特徴の大石さんのデザインを通して、私たちがまず笑っていたいなと。

人や社会に対してどう貢献するかの前に、まず身近な私たちが一番笑って幸せにいたいなということを、ロゴに込めております。

大石暁規(Akinori Oishi)さんHP

日本のインバウンド誘客で感じた違和感 

さて、こうして設立された路がやっていきたいこと。それは『多様性を理解するきっかけづくりです』

この思いを抱いたのは、私が東北でインバウンド誘致の事業をしていた時です。実は東北に来ている外国人観光客の約半数が台湾からの観光客であり、青少年交流等も非常に盛んであり、東北にとって台湾は一番身近な海外の一つとも言えます。その為、地元の政府や観光関係の方の多くは台湾からの観光客を東北に呼び込みたいと、官民一体となって取り組んでおりました。

ただそこで観光誘客に取り組む方の中で、台湾や海外に行ったことがない方も一定数いらっしゃいました。それもそのはずで、実は東北地方は日本の中でもかなりパスポートの所持率が低い地域なのです。日本全国の平均が約25%なのですが、東北で最も高い宮城県でも20%、10%以下の県も3県あるという状況です。ちなみに台湾は人口の約7割がパスポートを保有して海外に行ったことがあります。日本全体でもかなり低いことは問題であります。

私がどうしてこの状況を危惧しているかというと、まず海外経験が無いと日本に来る外国人観光客や、仕事で来る方の気持ちが理解しづらいということがあります。言葉が通じず習慣が全く異なる環境にいることは、刺激的な環境でもありますが、同時に凄くストレスもかかります。かかることです。私も何度も台湾で中国語通じずイライラしたことがあります、、

旅先で日本語や英語を話せる方に助けられたというような、旅の素晴らしい思い出をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?ただ逆に、頑張って話した英語や中国語が通じず、旅で困っているときに誰も助けてくれないような苦しい状況を経験したことがある方もいるのではないでしょうか。。東北や日本を訪れる外国の方も、きっと同じような経験をお持ちの方も多いと思います。

自分が海外に出て、海外にいることの魅力と大変さを分かっていれば、きっと世界の人の気持ちが理解でき、相手のことを労わる行動ができるのではないかと思っています。

今コロナウイルスの状況で見通しが見えない状況ではありますが、日本中がインバウンド観光客の誘致に国策として取り組んでおります。ただ同時に、私たちが海外を知る、そして海外の多様性を理解していくこと、視野を広げていくこと。そのことがまず何よりも大切なのだということを、私は強く感じております。

また、自分と異なる文化や取り組みをすることは発想の幅を広げていくこと、加えて自分の文化や事業を客観的に見ていくこともできる為、人生においてこの自分の視野や世界を広げていくことは他者にとっても、自身にとっても重要であると言えます。

こうした背景から、私達はこの多様性を理解すること、こうした社会の実現に向けて、日本と台湾を軸に事業を展開しております。

路が取り組む事業 

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私は現在、共同創業者である李京屏さん(通称:リーさん、写真右)と一緒に、主に3つの事業に取り組んでおります。

一つ目の事業は訪日観光プロモーション事業です。主に東北地方の政府や観光協会様等と連携し、東北の魅力を台湾に対して発信しています。これは東北地方を訪れる台湾の方がより増え、東北地方の方がより台湾や海外を身近に感じるような環境を作れたらと思っています。

二つ目の事業は訪台観光プロモーション事業です。台湾の政府と連携し、日本への台湾観光プロモーションを行っております。有名観光地以外の隠れたスポットや、台湾の地方の魅力などを中心に発信しております。これは台湾を訪れる日本の方に、台湾の多様な魅力を理解して台湾の新しい側面に触れていただきたいという思いがあります。

三つ目の事業は台湾の地方創成事業です。台湾で地方創成を取り組む方に対して、日本の地方創成の成功事例を基に、それをどのように台湾で活かしていくかを伝えていく事業をしております。台湾でも実は最近地方創成が国策としてとても力が入れられています。地方の過疎化や高齢化は世界中の共通課題であります。日本の地域活性化の事例は台湾でもかなり参考にされていて、日本の地方創成関係者が執筆した本の翻訳本も台湾の書店には並んでいます。私たちは台湾の地方創成関係者の方に、日本の社会課題の取り組みを伝えていくことで、アイディアや視野を広げていくことに貢献できたらと考えております。現在は講演などをベースに本事業に取り組んでいますが、将来的には日本の社会課題解決の事例をまとめたメディアやデータベースを作っていくことも視野に入れています。

そのほか、現在台湾茶を日本の方に提供するサービスも開発しています。これはまた別の記事で紹介をしたいと思っています。






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