シェア
小さなカフェがありました。 お役所の駐車場の角にぽつんと建っているそのカフェが、本当はお役所よりもずっとずっと前からあったことを知る人はもういませんでした。 だから誰もがそのカフェはお役所のものだろうと思っているくらいでした。でも、本当はどこのものでもありませんでした。 そこには娘さんがいます。お父さんの手伝いをして、珈琲を入れています。彼女が入れる珈琲は、優しく人の心を包んでくれます。だからとても人気です。お役所の昼休みには、珈琲を求めて列ができます