紙の小説→Web投稿小説で戸惑ったこと
小説投稿サイトの小説は、あらゆる意味で「紙の小説(書籍になっている小説)」と異なっています。
それまで「紙の本」に親しんできた読者・作者であれば、戸惑うことも多々あります。
中でも自分が戸惑ったのが「『話』って、どういうこと?」でした。
紙の小説は大概「第〇章」や「第〇部」で分かれていて、「〇話」という単位はあまり見たことがありません。
(百物語のような「物語集」や短編集ならともかくとして…。)
投稿サイトの編集画面でいきなり「新しい話を追加する」という表現が出て来た時、自分は「???」となりました。
「新しい話って、今書こうとしているこの小説が『新しい話』じゃないの?」「話って『1つの物語』を指すわけじゃないの?」と、意味が分かりませんでした。
その後、どうやら「1つのページ」が「1つの話」ということらしい、と理解したのですが…
「章の設定」で、さらに混乱しました。
と言うのも、投稿サイトでは「話」の上に「章」が来るからです。
「『話』をいくつかまとめたもの=章」「章>話」なのです。
自分の中では「話>部>章」なイメージでしたので、大混乱でした。
今ならば「そういえば、TVドラマとかで「最終話」の数話前から「最終章」って表現が使われだすよね」と、第〇話の上に第〇章が来るイメージも理解できます。
(でも、いつもいきなり「最終章」で「その前に第1章とか第2章とかあったっけ?」といつも思うのですが…。)
しかし、投稿サイト初心者の当時は、そのイメージが全く掴めませんでした。
そして「自分も混乱したのだから、他の読者も戸惑うのでは?」と思ったのです。
「できれば紙の小説と同じように『第〇部>第〇章』のイメージで、小説を書いていきたいな」と思ったのです。
しかし、この時、自分は「誤解」をしていました。
紙の小説で言うところの「部」が投稿サイトの「章」で、紙の小説で言うところの「章」が投稿サイトの「話」なのだと思い込んでいたのです。
構造的にはそれで間違っていないのですが…紙の小説と投稿サイトでは、大きく違っている点がありました。
それは「1投稿あたりの文章量」です。
投稿サイトでは、昨今「毎日投稿」をする人が多数います。
毎日投稿するというのは、とても大変なことですので、自然と1投稿あたりの文章量が減ります。
(少し前までは1000~2000字台というイメージでしたが、最近は1000字以下も珍しくありません。)
そうすると「1つの話」だけでは到底「1つの章」を構成できるほどの文章量にならないのです。
(シーンの途中で1話が切れてしまっていたり、中途半端なところで終わっている話もあります。)
なので「複数の『話』をまとめて、やっと1つの『章』が出来上がる」というイメージなのではないかと…。
(ただ、投稿ペースは人によって違いますし、1話あたりの文字数上限は結構多いので、人によっては1話を1万文字以上で書いている人もいます。そんな場合には1話=1章でもイケるのではないかと思うのですが…。)
そのことに気づかなかった当時の自分は「皆、1000~2000字台で1つの章をまとめてるんだ、すごいな!」と思っていました。
そして自分も1000~2000字台で1つの章をまとめていかねば、と考えたのです。
…というわけで、アルファポリスさんで連載している「囚われの姫は嫌なので、ちょっと暴走させてもらいます!~自作RPG転生~」では、無謀にも「だいたい2000字台」で1つの「章」をまとめています。
「話」や「章」などの表記は、作者の自由に変えられるので、「話→章」「章→部」に変えて、構造も紙の小説のように「第〇部>第〇章」としました。
書き始めてだいぶ経ってから、上記のように「あれ?ひょっとして『話』のイメージって、思ってたのと違う…?」と気づいたのですが…
今さら構造を変えるのもナンなので、「第〇部>第〇章」のままで通しています。
おかげで、周りからちょっと浮いている気がしないでもないのですが…。
(ちなみに、投稿サイトによっては章の下が「話」ではなく「節」になっていることもあります。←個人的には、こっちの方が好きです。)
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