猫大好き

 にゃんにゃんネッコネコにゃんにゃんにゃーん。

 多分あの雄猫は私と同じようなことを考えてる。
 あくびをして「あーセックスしてぇ」って思ってる。「どっかに発情した雌、いねぇかなぁ」って。しかし自分から動くつもりは一切ない。

 私が近づくと「人間きもっ」と思って、どこかに行く。うーん残念! 
 ともあれ猫は去勢された途端、人間に懐くようになる。それはきっと、己の本分を奪われたから、仕方なくそうせざるを得ないのだ。
 動物としての幸せの半分を奪われたから、別の幸せを見つけるしかない。だから、温もりを求めるようになる。本来猫は、温もりに固執するほど弱くはない。
 そんなのは軟弱な草食動物の特徴だ。
 猫のきっもち。

 私は猫に同情する。でも猫カフェでファーストキッスを奪われた時は複雑な気持ちになった。私の唇を奪ったのは、去勢された雄猫だった。しかも、舌がざらざらでめっちゃ痛かった。唇が超荒れた。しばらくリップクリームが手放せなくなった。
 それくらいは許してやろう。お前はかわいいからなぁ! アアアアアア!!

 よし。三十歳になっても彼氏が出来なかったら、猫を飼おう。そしたら、私は猫を飼うという夢を叶えられたことを、祝おう。

 人生はこうやって耐えるものだ。笑える。

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