自分をキャラクター化して自己分析してみる

 実のところ人間の欲望ってけっこうずれてることがあってさ、自分の体と心が本当に必要としているものと、私たちが「欲しい」と思うものって、違ってることがよくあるんだよね。

 たとえば、恋っていうのは欲望だけど、それが成就した瞬間(欲しかったものを手に入れた瞬間)なんだか物足りない気持ちになるってのはよくあることみたいだし、逆に、何にも期待していなかったのにたまたま手に入ったもののおかげで自分の生活や生き方に満足できることもあるわけだし。

 ということで、恋愛に興味のある一若者として、自分という人間と相性のいい人間はどんな感じか、ちょっと考えてみることにする。


 自分の欲望を排除するために、自分という人間を外から見ないといけない。つまり、第三者視点から自分を見るということなのだけれど……そういう事をするときに手っ取り早いのは、自分を「キャラクター化」してみることだ。

 SNSをやっていると、そういうのはやりやすくなる。私の本名は「睦月」ではないからこそ、ここで書いている私の文章は「睦月というキャラクター」が書いていることに、してしまうことができる。

 そういうわけで、私の分身たる睦月ちゃんと相性のいい人がどんな人か考えてみよう。


●かわいいかわいい睦月ちゃんについて

・女の子
・十代後半
・精神的にちょっと不安定
・文章を書くのが得意
・絵を描いたり作曲したりするのも好き
・毎日ひとりでお散歩してる
・服はあまり数持ってないけど、なぜか自分のファッションセンスに自信がある
・髪型いじるのが好き(自分のも人のも)
・考えることが得意で、口達者
・よく冗談が滑るが、あまり気にしていないし、かわいく笑っとけば何とかなることを知っている
・自分の書いた小説が大好き
・自分の作ったキャラクターが大好き
・自分自身のことが大好き(ナルシストっぽい雰囲気はあまりない)
・ときどき急に、深く落ち込む
・ときどき急に、ハイテンションで哲学的な話をし始める
・基本マイペース。人に合わせるのが嫌いだけれど、平気な顔して合わせていることは多い
・気づいたらいなくなっている時がある(疲れるとひとりきりになろうとする)
・明るくて個性的なキャラクターなのに、どこか他者との間に線を引いている感じがある
・何かあるとすぐに一、ニ回だけ謝る
・困っている人や悲しんでいる人にはいつも親切
・初対面の人にも親切
・見返りを求めることはほとんどなくて、いいことも悪いことも、自分がやったことはすぐに忘れ、人からされたことはよく覚えている。


 んー。まぁこんな感じかな。けっこう普通だね。なんか、割とどんな人とでもうまくやっていけそう。
 でもなんか、イケメンで色々ハイスペックな人と付き合ってる姿はなんか想像できないね。そういうタイプではない感じがする。癒し系って感じではないし、気が強いわけでもないし、他の子たちをいつも意識している感じでもない。
 自分の世界を持っているけど、他の人の世界もちゃんと尊重してるから、本人が思っているよりも結構バランス感覚が優れてる? 周りから見たら「ひとりでも人生楽しそう。幸せそう」って感じなのか、これもしかして。

……なんか、こういう子は、ずっと男を知らずひとりで明るく楽しくみんなと笑いあっていて欲しいって、私は個人的に思っちゃうなぁ。なかなか複雑ですねぇ。今はそれでもいいけど、今後どうなるか分からんしなぁ。


 逆に考えよう。私に足りないものって何だろう。それを補完してくれる人って、どんな人だろう。

●睦月ちゃんに足りないもの

・スタミナ(作業も人付き合いも)
・ストレス耐性(ちょっとしたことですごくショックを受ける)
・世間への関心(知的な関心はあっても、感情的な関心がない。他人事でしか見ていないし、見たくない)
・社会的立場(泣)

●睦月ちゃんの持っているもの

・安心できる居場所(ひとりきりの清潔な個室)
・自由な時間(にいいいいいと)

 私持ってるもの少な! まぁ、私はこれに関しては、少ない方がいいと思っている人間だからなぁ。多いと、色々配慮しなきゃいけないし、私そういう風に色んな事に気を配る体力的な余裕ないし。


 単純に考えると、お金持ちで社会的地位の高い人が補完的なのかなって思うんだけど、でもこの子、そういう人のこと苦手なんだよね。自分と似たような感じで生きている人とじゃないと、すぐに消耗しちゃうんだよね。
 なるほど。だとすると、条件はいくつか絞れるな。

●睦月ちゃんがお付き合いできる人の条件

・睦月ちゃんに何らかの余分な義務や責任を負わせない
・無理に考えを一致させようとしてこない
・役割分担の有用性を理解している

 うわぁ。なんか気持ちわりー! でもこの子、この条件満たしてなかったら多分すぐ逃げちゃうんだよね。めっちゃわがままじゃん……
 なんか特徴で見た時は悪くない感じの子に見えるけど、パートナーとして生きていくこと考えると、なんつーか、かなりめんどくさい子だね。めっちゃ甘えん坊だし、基本何にもしないじゃん!
 まぁでも、存在自体が天然記念物というか、癒しっぽいところあるし、疲れてる人や困ってる人にすごく親切だから、そういう人にとってはそんなに悪くないかもな。


 これまでの考察を振り返ってみて、どんな人が睦月ちゃんと相性がいいか考えてみましょう。

●睦月ちゃんと相性のいい人

・自分自身のことは全部自分ひとりでちゃんとできる人(自立している人)
・いつも自分に優しく接してくれる人を求めている人(ただし、ただ甘やかされるのは嫌いな人。事実をちゃんと教えたうえで、大切にされていたい人)(あ! これママだ! ママを求めている人だ!)

 つまり、ママを求める大人……シャアかな?(最近アマゾンプライムビデオでガンダム見まくってる。面白い)

 なるほど。私はママだったのか……ママとしての才能……嘘でしょ?


……冷静になって、読み返してみて、思った。この「睦月ちゃん」ってキャラクター、ママだ。いや私のお母さんは昔から全然こんな感じじゃなくて、むしろ私よりもはるかに子供っぽいんだけど、ただみんなが求める「ママ像」に、私って結構近いかもって、そう思った。

 私、ママになりたいのかな……いやそんな馬鹿な。そんな馬鹿な! ダメだ。面白過ぎる。そんなことないでしょ。いやおかしいわほんと。ママ、ママかぁ。

 私、バーテンダーとか、そういう系の接客業やってみようかな。初対面の人に親切にするの好きだし、一定の距離を置いて短時間だけ人と関わるのは好きだし。

 小説を書く上でも、色んな人の話聞いておくのは損ないし。ただ、長時間の立ち仕事に耐えるのってなかなか……
 キャバクラとか、そういうのの方が体力的に楽で需要があるのは知ってるけど、あんまりそういうの好きじゃないんだよなぁ。ちゃんと男性とは距離を置いていたい、っていうか。女として見られるのは嫌、っていうか。
 見下されるのも嫌だし、人と話すときは対等でありたい。対等に言葉を交わすことがひとつのサービスとして成立するような仕事の方がいい。

 あと、私未成年だし。お酒出さないところで、そういうある程度のコミュニケーションが前提みたいな仕事って、ないよね。
 とりあえず体鍛えるかぁ……

 いや、ないな。やっぱり私、お金貰って人と関わるのは嫌だ。多分、できない。それは違うわ。肉体的な体力以前に、精神的にもたない。


 なんか、どっちかって言うと、そういう仕事をしている人と相性良さそう。コミュニケーション能力が高くて、ふだんは人を楽しませることを仕事にしてて、色んな人のわがままにも付き合っていて、その分、家では多少わがままは許してほしい、みたいな人。いつも人のことをサービスとして一方的に察してばかりだから、たまには自分が察してもらいたい、みたいな人。
 そうだよね。それなら、しんどいことをせずともその人から聞いた話を小説の材料にもできるし。

 なんか、恋愛的なアレじゃなくて、もうほとんどお互いにとって利益をもたらす関係ってだけだけど、そういうののほうがいい気がするな。あんまり変に感情動かされるのしんどいし……
 でもこれだと、恋人である必要ないよね。友達でいい。肉体関係も婚姻関係もいらない。

 うーん。なんか難しいなぁ。


●終わりに

 こういう自己省察って基本他の人が見てもあんまり面白くないと思うんだけど、でもいざ自分がやってみようと思ったときに、どういう風にすればいいか分からないことって、多々あると思うんだよね。
 そういう意味では、こういう風なあまり人が喜ばない独りよがりな自分のための文章をあげとくのって、案外無意味ではないかもしれないなぁって思う。

 自分を、一個のキャラクターに置き換えて、その子と相性がいい人とか、その子に向いている仕事とか、そういうのを考えてみるのって、意外と有用な方法なんじゃないかなって思うんだ。

 自分自身への理解が深まるし、色々と反省すべき点とか、改善すべき点とか、見つかることもあると思う。

 あと、こういうことをすると、自分のことを好きになれるような気もする。
 やっぱり自分のことって自分の目ではよく見れないからさ、他人として自分を見てみるっていうのは、自分をより深く肯定するきっかけになるんじゃないかなぁって。


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