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ブラック治療院で学んだこと5つ【マネしなくていい】

この話は、「ブラックな環境の鍼灸院」で働いていたsuzukiの体験談です。
私のしくじった経験から、何か学びや気づきにつながればいいな。

こんな人は是非読んでみてほしいです。
・ブラックな環境で働いている人
・ブラックな環境から抜け出したい人
・治療院業界で、就職や転職で悩んでいる人
・治療院界隈の学生さん


「ブラックだからこそ」学べることはたくさんある

通常ブラック企業に勤めると、「自分のためにならない」「時間の無駄」というイメージがあるのではないでしょうか。
もちろん、「良い職場環境」の特徴として、「成長できる」という部分はとても人気の判断基準になります。
「自分が成長できる環境」を求め就職先を探す方も少なくないでしょう。

しかし、「ブラックな環境」で働いたからこそ学べること
というのは実はとてもたくさんありました。
そして、この時の学びがあったからこそ、今の自分があり、
今の自分としては、とても満足しています。

この記事では、ブラックな環境の鍼灸院で学んだからこそ学んだこと
をお伝えしていきたいと思います。
ちなみに、だからブラックな環境で働くといいよ!という気は微塵もございません。
私が学んだこの経験を、経験せずして知ってほしい、という気持ちからこの記事を書いています。

どんな環境だったか気になる方はこちら


それではいってみましょう!


ブラックな環境で学んだこと5つ


1:誰と働くかはマジで大事

就職前は「働く場所なんて自分次第でどうとでもなる」と豪語していた鈴木。
今思うと、普通に恥ずかしい。なんちゃって意識高い系やん。
実際働きだすと、「苦手な人」「尊敬できない人」と働くということの想定外の効率の悪さに気づきます。

・指示をされてもいまいち納得できない
・「間違ってるんじゃないか」と感じてしまう分、態度に反抗してる感が出てしまう
・「上司のために」という気持ちが一切働かない
・とにかくずっと不快な想いをすることになる。

結果、そんな状態だと、なんだかんだ失敗したりやる気がなくなったりします。
「誰かのために」という気持ちはとても大きな原動力になりますよね。
特に、治療家を目指す人は優しい方多いので。
「自分のため」と言い聞かせてはいましたが、
一緒に働く人のことを尊敬できていないと心がどんどん荒んでいきます。
これは合う合わないの問題もあるので、院長にも申し訳なかったな、と感じている部分でもあります。


2:太るとパフォーマンスと判断力が落ちる

当時、過酷な環境下で、
・晩御飯が夜中になること
・ごはんを作る気力がない→コンビニご飯
・食べるだけが楽しみ(暴飲暴食含む)

結果として、働いていた10か月で10kg太りました。(ヤバイw)
マジ、でぶ。

「こんなデブな自分、終わってるなぁ~」とも思ってましたし、
何より身体がだるい。
休みの日にも体力不足と無気力で外に出なくなりますし、
そもそも人に会いたくない。
デブ写真探したけど、デブ時代はメンタル落ちすぎていて、写真もない。
自己肯定感もダダ下がり

自己肯定感が下がると、無気力になりますし、
「仕事を辞めたほうがいい」という判断ができなくなることもあります。
自分で自分を苦しめる(=苦しいまま働き続ける)選択をしてしまいます。
そしてひきこもるので、助けてもらったり、気づいてもらうきっかけもない。
あとから考えたら「なんでやねん!」と思えることでも、
その時はそうしてしまうのです。

こうして、安い賃金で意思なく働き続ける社畜的な人間が作られていきます。

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3:大人、先輩だから正しいというわけではない

当時何故か「自分より年上の人が言っていることは正しい」と思い込んでいた私。
要因として、体育会系の世界で育ったということもあるのではないかと思っています。

でもね、今、恐らく当時の院長くらいの年齢になってみて思いますが、

大人と言っても、間違うときは間違うし、
変な人もいっぱいいるし、年齢が上だからって立派というわけではない。

私も未だに、間違うこともたくさんありますし、
年下の人から教わることもたくさんあります。

どんなに、「正しいっぽいこと」を自信を持って言われたとしても(ワンマン社長あるあるです)、
それが正しいかどうか、決めるのは自分自身です。

辞める権利、選ぶ権利、自分の人生の権利は自分にあります。
(もちろん、その分義務もありますが)

「俺も昔はそうだった」とか、
「大人になれば分かる」とか、
「お前はまだ知らないだけ」とか、
そんな言葉には、耳を向けてもいいですが、向けなくてもいいんです。

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体育会系の人、治療院業界には多いと思います。
これ、ほんと、気を付けたほうがいいです。


4:意外と何やっても生きていけるという覚悟

辞めたあと、
「あの状況で生きていけていたのなら、何やっても生きていけるわ」
「何やってもあれより悪いことはないわ」と考えられるようになった鈴木。
23歳の時、10か月勤めた鍼灸院を1月末に辞め、2月1日には開業したのですが、
この時、
「だめだったらキャバクラで働けばいいわ」と思っていました。

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これはキャバクラを下に見てなどいるわけではなく、
私の中で、「キャバ嬢マジ尊敬」という気持ちがあったからです。
我々治療家は、人の困っていることを補い、満足してもらいお金を頂戴するお仕事。
そういう意味では、キャバクラで働く方も一緒だと思います。
むしろ、お酒とお話だけでそれなりに高額の料金を頂戴できる「キャバ嬢」の皆様、最強だと思っていました。
そして、夜のお仕事なので、昼間は治療院の営業ができる。

なので、スキルを身に着けるべくキャバ嬢になろうと思ったのですが、
幸い1か月目から治療院の売上が想像以上に上がったため、その計画はなくなりました。

「何やってもこれ以下の最低な状態はない」と思えたことで、
プライドを捨てて、他の仕事をやりながらでも生きていく、という選択肢を持てましたし、
最悪16万(当時の給料)あれば生きていける(車処分したら13万)と思えば、開業するという選択もできました。

最低な状態を一度経験しておくことで、とても選択肢が拡がり、
なかなかチャレンジに二の足を踏んでしまうようなことにも挑戦することができたと思っています。

人生、何とかなる。


5:「患者は治療院につく」説、そうとも限らない

院長から言われていた言葉の中に
「鍼灸院の看板があるからみんな来ているだけ、お前が1人になったら誰も来てくれない」
という言葉がありました。
結果から言うと、これは私自身が驚くレベルで覆されました。

諸条件はあると思いますが、私の場合、

・辞めるときに、「鈴木さんの治療を受けたいから俺も今のところで治療受けるのやめる」と言ってくれた患者様がいた。
(勝手に引き抜いたのではなく、患者様から院長に直談判してくださり、「辞めた後のsuzukiのところで治療を受ける」話を自らつけてくださいました。
院長は「あんな患者要らないしどうでもいい」と言っていました)

・学生時代から診ていてその流れで院の顧客になった患者様は、開業後、全力で人伝いに私のことを聞きつけてご連絡をいただく。

・付き合いのあった病院の院長先生は、退職のご報告に伺ったあと、私の院の方に患者様のご紹介をしてくださるように

ということで、もちろん「治療院の看板あってこそ」という部分もあるかとは思います。
しかし、事実として、きちんとやっていれば見てくれている人はいるし、
「人についている」患者さんもたくさんいらっしゃるということを身を持って学ぶことができました。


一番の学びは「治療家めちゃくちゃ困っている説」

鈴木はブラック鍼灸院を辞めて、開業をしました。
開業してからは、ありがたいことにほとんど悩みもなく現在まで生活しています。

開業して最初の頃こそ、「院長の言ってた通り、私みたいな人間、やっていけないんじゃないか」
と思っていましたが、売上は当初から50万以上で安定し、
患者様にもたくさんのご紹介を頂戴し、
経費がほとんどかかってない分、十分な暮らしができるようになりました。
(勤務時代に滞納していた諸々も1年かけて全て支払いを終えました)

徐々に落ち着きだした開業2年目のこと、
ある時突然、院長への「恨み」が、ある種の「哀れみ」「同情」の気持ちに変化したのです。

1年かけて傷が癒えたのでしょうね。
それまで、「院長なんて消えてしまえばいい」と恨みしか持たなかった自分が、
「院長も本当は大変だったのかな」
「経営とか雇用、人の育て方を知らなかっただけで、実は悪い人じゃなかったのかも」

許すつもりはありませんでしたが、自然にそう思えるようになったのです。

そこで私が、気づいたことは
「世の治療家の先生たちって、実は皆めっちゃ困ってるんじゃないかな」ということ

①雇用される側の人で、私のように人間関係や環境でつらい思いをしている人はたくさんいる。

②1人で治療院を経営しても、それはそれで経営者としての悩みがつきず、セミナーに参加したり、DVDを購入する日々。

③人を雇っても、人は思い通りにいかないし、そもそも経営や人材育成は素人

①②を身をもって体験する中で、
もしかしたら、院長はこの「③」の部分で困っていたのかもしれない、という風に考えるようになりました。

つまり、
私がブラック鍼灸院では働いたことで得た大きな学びは、
「この業界はまだまだ改善するべき点があり、困っている先生は無限にいる」
という学びです。

ここに想いを馳せられるようになったのは、この鍼灸院で働いたからこそ得られたものだと思っています。

困っている治療家の先生に本気で寄り添いたいと思っていますし、
自分で言うのも何ですが、面倒見の良さや共感することには自信があります。
いっしょに仕事をしている仲間には「入れ込みすぎないようにね」と注意されます。

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当時の出来事が、今の自分を作っていて、そして今では自分の糧になっています。

ぶっちゃけ、もともと「復讐したい」という想いがあり、当時の記録を残していました。
今ではその気持ちもなくなり、「院長も色々大変だったんだね」と思えるくらいにはなっています。

ブラックで働くのも悪いコトばかりじゃない

今だから言えますが、ブラックで働いたからこそ得られたこと、というものが本当に多くありました。

何せ、当時の出来事が今の自分につながっています。
「ピンチはチャンス」と言いますが、本当に貴重な経験だったな、と思っています。

でも、同じ想いを誰かがするのは嫌なので、
この先、助けを求められることがあるのであれば、
その治療家さんを全力で助けたいと思っています。

当時の私に「大丈夫、間違ってないよ。辞めていいよ。」と言ってあげたい。
辞めたあとどうしたらいいのかを教えてあげたい。
大丈夫、開業できるよ、と言ってあげたい。

今の自分が、誰かにとってそんな存在になれることが今の私の目標です。

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ということで、本日は、「ブラックな環境で働いて学んだ5つのこと」をご紹介してきました!
ご参考になれば幸いです!

ブラックで働くことは本当にお薦めしませんので、
みんなで幸せな治療家を目指しましょう!

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