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新患対応が楽しくなるリピートのお話

3坪治療院の鈴木むつよです。
3坪のイメージとオンラインのイメージで小さいと思われがちですが、167cmあります。でかいです。

このnoteでは、治療院運営の中でも重要な「新患患者様のリピート」のヒントを書いています。

治療院の経営は、『集客→リピート→ファン化』のサイクルで成り立っています。
このうち、リピートは売上の安定という点で非常に重要です。

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施術に自信が持てるようになり、
目標だった治療院を開業し(または治療院で働きだし)
集客についても勉強して、患者様を自分が対応する!

ここで必要になるのが、『施術の価値を伝える能力』です。
施術を行うだけではなく、その施術の価値を分かりやすく伝えること。
それが、今回お伝えするリピート率向上につながります。

この、「伝える力」って、どんな仕事をするにしてもとても大切なことだと思います。

皆さんは、「あれはないよな~」と思っているのに、なぜか売れている商品やサービス、心当たりありませんか?

某、5秒で何とか的な施術とか?
シミシワが一瞬で消える!的なのとか。

あれ、中身がどうこうは別にして、「伝える力」がめちゃくちゃ上手なんですよ。
※嘘や誇大広告はだめです。ミスリードもだめですけどね。

この「伝える力」次第で、治療院の運営状況は大きく変わります。

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でもね、、、
これ、学校では!習えないんですよ!!!

正直、なんでやねん、って思ってます。

施術、すごい価値があるものなのに、伝える方法を教えない、って、
どないやねん!って思ってます。

だから、まとめたら、需要あるかな、って。

今回取りあげるのは、「初めて来た方(新患さん)」が
「2回目以降の複数回来院する環境を作ること」についてです。

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先にお伝えしたいのは、
「何が何でも無理にリピートさせよう」という話ではないよ、ということです。

このnoteを書いた鈴木自身、
鍼灸師になって最初のうちや開業したての頃は、リピートや治療計画について何も考えてませんでした。

ただその時一生懸命施術をする日々。

その後、グループ展開している治療院で働いたり、研修講師、コンサルティングを行う中で、

・リピートには戦略が存在し、実行している院があること
・同じように施術をしても、リピート率が高い先生と低い先生がいること
もっと言えば、
素晴らしい施術を行っても、リピートに繋げられない先生がいらっしゃる事実

を実際に見てきました。(つらい)

また、自分よりも施術者としての歴が短く、開業経験もないスタッフたちが、バンバンリピートを取っているという事実が悔しくもありました。

…絶対、施術は自分の方が上手なのに。って。

だからこそ、この「伝える力」の大切さと、治療院における「伝え方」の話を皆さんと共有したかったんです。

■リピートが高い人の特徴は何なのか?
■どうしたらリピートしてもらえるのか?

リピートについて、今まで学んだこと、実践したことを基にまとめてみました。

本noteでは、苦手意識を持ちがちな「リピート対策」を「具体的な行動に落とし込む」「考え方をチェンジする」ことを目的としています。

皆さんの治療院経営、患者対応のヒントになれば幸いです。

以下の内容でお届けしていきます。

※実際のノウハウだけ知りたい方は、第4章よりご覧ください。


■こんな先生にオススメです

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■閲覧前のお願い

治療院の経営に正解なんてありません。
本当にないです。上手くいけばそれが正解です。
経営者は、新しい答えを見つけるのも仕事です。

「うちの院はリピート対策なんてしなくても皆来てくれている」
「そんなやり方は間違っている」

色々な意見はあるかと思いますが、私自身は、自分の経験がどなたかのお役に立てばという気持ちだけでこのnoteを書いてます。

不特定多数の人の閲覧や心ない意見を避け、ご理解いただけた方のみ閲覧いただけるよう、有料での公開とさせていただきます。ご了承ください。

2023.12追記 いつだったか忘れましたが、無料公開に切り替えました

【第1章】治療院運営におけるリピートの考え方

【1-1】大原則 治療院運営に「リピート戦略」は必須

まず、リピートが何故必要なのか?
(「当たり前だろ」という方は第1章、盛大に飛ばしてください)

最初にお伝えしたように、治療院の運営は、

①集客<まずは来てもらう>
②リピート<価値を伝えて理解してもらう>
③ファン化<通い続ける、選ぶ意義を見出してもらう>

という流れを作ることができれば概ね安定します。

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治療院という形態の場合、患者様が一度に支払う金額は決して安いものではありません。

そんな中で選んでいただくために、集客戦略としてある程度初回来院の料金を下げることも一つの有効な手段です。

その分必ず必要になるのが、「お試しで終わらせない」こと。

初回を2回目以降につなげられる確率を上げることが重要になります。

逆に言うと、リピートしてもらえるようになれば、初回料金を落として間口を拡げても問題がなくなり、集客でも有利になります。

「ディスカウントなんてしていないしー。」という先生でも、
2回目以降の患者様と初回の患者様では、初回の患者様にかかる時間の方が長いのではないでしょうか。
その場合、実質、時間あたりの単価は低くなりますので、結果的に初回の患者様ばかりを診るという行為は、売上の減少に繋がります

そしてこのリピート患者様という存在は、
治療院の価値を分かってくださっている貴重な存在です。
こういった存在が増えることは、更なる紹介に繋がったり、
良い口コミに繋がるなど、治療院の健全な経営に大いに関係してきます。

治療院の経営を安定させるには、既存患者様を増やすこと、
「リピートしてもらえる環境を作ること」が大切になるのです。

【1-2】治療院のタイプは2つに分けられる

リピートという視点で見ると、治療院は大きく2つのタイプに分けられます。

タイプ① 症状の改善後、体調管理で継続的に利用する場所としての治療院

タイプ② 症状にフォーカスし、あくまで症状の改善を目的にする治療院

まずは自分の院がどちらに当てはまるのかをしっかりと明確にしてください。
このタイプ次第で、リピートの捉え方も、患者様への伝え方も変わってきます。

タイプ①の場合には、「症状の状態に関わらずあなたの院に通い続ける理由」を明確にする必要があります。
通い続けるとどうなるのか、何を提供できるのかをまず明確にしましょう。
これを理解していただき、通い続ける環境を作ることがリピート対策の目的になります。

タイプ②の場合には、患者様の「卒業」までのゴール設定をする必要があります。
極端な話、1回で治ったのであれば、リピートせずに1回で来なくなってもいいんです。
この場合でも、卒業したあとも「トラブルがあった際にはここの治療院に行く!」という関係性を作る、つまり、通うならここ!と思ってもらうことがリピート対策の目的といえるでしょう。

どちらにしろ、「必要とする回数は通ってくれる」状況を作るためには、
それらを適切に施術者側から伝えること、提案をすることが重要になります。

患者様は、「知らない」のですから、「伝える」必要があります。
しかも適切に、過不足なく、相手の欲しい情報を伝える必要があります。

ここを疎かにしている治療院が多いのかな、というのが、皆さんのお悩みを聞いていての感想です。

【第2章】リピートに大切なマインド

大原則:「自信」はあるか

大原則として、リピートしていただくには、
・自分がやっていることに自信があること
が必須となります。

やっていることに自信があるか

自分の施術の価値に自信が持てていますか?
これからリピートに関する実際のテクニックをまとめていきますが、
皆さん自身が「自分の院をリピートすることが良いことだ」という前提がないと、いくらテクニックやノウハウを学んでも意味がありません。

「納得していない」という状況は、笑顔、雰囲気、話し方、声に現れます。
そしてそれらは、患者様がリピートを決めるにあたって非常に重要な要素です。

リピートの方法論を学んで実行しても結果が出ない人は、たいていこのパターンです。

「実は施術の内容に納得してない」とか、
「先輩が嫌いで、辞めようか悩んでるからリピートさせるの申し訳ない」とか。

・そもそも通ってもらうことを申し訳ないと感じる
・患者様のお財布事情の心配
・自分自身への自信のなさ       などなど。

私自身、大手治療院にて働いていた時、
技術、スキル的には充分な状態にも関わらず、
周囲の経験が浅いスタッフよりもはるかに低いリピート率を叩き出していました。

この原因は「納得していなかったから」の一言につきます。

・施術の内容
・設定した料金
・患者様に伝えるストーリーの整合性
・通うことで改善するという確信

「リピートさせてもいいのだろうか」という迷いがあると、
自ら「リピートされない」方に無意識に誘導してしまいます。
この無意識の誘導は、非常に強い力です。

そう言われても実績が十分ではない最初のうちは、なかなか「自分の施術は素晴らしいです!」とは自信を持てないかもしれないですね。

「ほんまにこれで良くなるんかな?」って不安に思ったり。笑
そういう段階の方は、自分と同じ施術をされている師匠や先生などの実績をお借りして、「『この施術で』こういう改善をした方がいらっしゃるんですよ」と、事実ベースで施術のメリットをお伝えするのも一手です。

「良くなると思います(不確定)」ではなく、
「同じ施術で良くなった方がいらっしゃいます(事実)」
です。
この違い、伝わりますかね。
嘘はついてませんよね笑

不確定なのに嘘つこうとするから自信なくなるんですよ。

どうせ、誰にでも初めてはあるし、やらなきゃわからないんですから。
嘘つく必要はないので、出来ることをやりましょう。

さてさて、治療家の皆さんで見られるパターンで、
「良かったと思ったら予約してくれるだろう」と、
リピートの提案から逃げるパターン。

自信がないことや、患者様に嫌われたくないという心理がこのような行動につながるのでしょう。
これ、お恥ずかしながら、私めっちゃやってました。

23歳で鍼灸院をやりだした時は、「次回予約」を取ることができませんでした。
「本当に良いと思った人だけに来てほしい」と思っていたからです。
というのは言い訳です。

怖かったんですね。提案が。

さらに、後述するような「良いと思ってもらうための工夫」や「来てほしいという提案」をしないままこのような対応だったので、結果的にリピート率は良くありませんでした。

全てを患者様に丸投げしてしまっていたのです。

必要な情報を伝えず丸投げしている状況では、自分の思うように患者さんが通ってくれるはずもありません。
だって、やってる行動が、
「通ってほしくないと思っている」人の行動ですから。

そこでこう考えてほしいんです。

皆さんは、少なくとも患者様の悩みに関して、患者様よりも知識がある状態で、その時点で、多くの価価値を与えられる存在です。

理想の結果を得るために、自分は患者様にどうして欲しいと思っているのか。
それを患者様にきちんと伝えることは、治療家である皆さんの責任ともいえます。
何度も言いますが、「患者様は分かっていない」のです。

もし、「めっちゃ分かってるし!お前より分かってるし!」みたいな患者様がいたらどうしたらいいのか?

放っておきましょう。笑

施術で結果を得るためにはどうしたらいいのか。

・通った方がいいなら通うことを提案すること
・「ベストな活用方法」をきちんと伝えること

これもまた、結果を得るために必要な価値とだと考えてみてください。

決して「売り込み」をしているわけではなく、「問題解決の方法」を提案しているのです。
選ぶのは患者様ですが、選択肢と選択のための材料を適切に与えるのは施術者の仕事です。
専門的な立場からの提案は、そのものが価値です。

私が今回お伝えしたい「リピート」とは

「新規の方に【院の価値を伝え】、【納得してもらい】、【ベストな結果を与える】」
ための『手段』としての「リピート」です。

通うことで良くなるはずの患者様が、対応の問題で通う選択をしなかった
=患者様、治療家双方にとって不利益な状態が発生した

という構図をなくしたいのです。

リピートさせることが目的ではありません。
患者様に価値を理解してもらい、必要であればリピートをするという状況を作ることが目的なのです。

そうすることで、結果的に経営は安定し、皆さんの目指す理想の治療院運営に繋がると考えています。


【第3章】リピートされる「条件」

大原則:リピートされる「条件」とは

リピートされるための条件を書き出してみました。

【リピートされるための条件3つ】
①リピートに伴うストレスを解消する
②信頼関係をつくる
 ┗主導権が握れている
 ┗共感と実感ができている
③必要な情報を伝える
 ┗ゴールを明確にする→未来の共有(ゴール設定)
 ┗通う理由を理解してもらう→理由と通い方の提案
 ┗どうリピートすればいいかを伝える→次回予約の提案

以上、このあたりの3つのポイントが抑えられていれば、患者さんがリピートする条件が揃います。

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順番に解説していきます。

【3-1】リピートされる条件① ストレスの解消

リピートをするにあたって、患者様にとってネックになる材料から考えてみましょう。
(施術の技術に関しては今回は除外)

多く聞かれる「リピートしない理由」は

時間がない・・・「時間的ストレス」
お金がない・・・「金銭的ストレス」
なんか先生と合わない・・・「人間的ストレス」

この3つになります。

■時間的ストレスを解消する■

時間の価値が、施術の価値を上回っている状態です。
これを回避するには、様々な方法があります。

例えば、

・施術にかかる時間を明確に伝える
 (1回あたりの時間、改善までの通院回数)

・2回目以降の来院頻度の調整(間隔を適宜空けるなど)、セルフケアの指導をする

このような手段で、施術者が本当に必要な施術を行っている、つまり、患者様の時間を無駄にしないように努めている、というアピールをしていきます。

終わりの見えない通院は患者様にとってストレスになります。
適宜、患者様にとって適切な通い方をお伝えし、納得していただくことで、このストレスは軽減できます。

■金銭的ストレスを解消する■

前述の「時間的ストレス」と併せて、どれくらいの予算がかかるのかをお伝えすることで、金銭的ストレスの緩和につながります。
「どのような状況を目指すために」
「どれだけの時間とお金が必要か」
これらを分かりやすく伝えることで、安心していただくことができます。

また、一つの手段として、
・繰り返し通うことによる財布から現金が出る機会を減らす
 →回数券やプリペイドカードを導入する
という手段もあります。

回数券の是非に関してはここでは省きます。怖いからね。笑

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■人間的ストレスを解消する■
これに関しては、「相性」と言ってしまえばそこまでですがいくつか人間的ストレスを解消する方法を書き出しておきます。

1)『人は知らない相手に無意識に恐怖を抱く』ということを頭に入れておく
技術セミナーとかやってると、治療家の先生で、前触れなく当たり前のように急に身体触ってくる人とかいるんですよ。
私でもビビります。分かっててもビビります。
患者さんは、もっとビビってます。
先生=怖い、くらいに思っておいてもいいくらいです。
「分からないものは怖い」し、必要以上に恐れてしまうのが人間です。
常にお声がけをして、不安を消していきましょう。


2)患者さんに「自分のこと」を伝える
患者さんに自分がどういう人間かを知ってもらうということも安心につながることがあります。
プロフィールの開示や自己開示を行ったり、
「来てくれて嬉しい」「来てくれてよかった」という『感情』を伝える、など。
やりすぎると、「自分の話ばかりする先生」になっちゃいますので、あくまで「相手を安心させるため」という目的を忘れないでくださいね。


3)最初に今日の流れの全体像を伝える

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<本日の流れ>の資料を作成しておき、最初にお伝えすると、全体像がつかめて安心できます。
このnoteで言えば「目次」にあたる部分で、何が書かれているか最初に把握できていると、迷子になりません。
患者様のこちらが意図していない行動も防げますし、こちらの予定する内容を先にお伝えしてその通りに実行することで、クレームの防止にもつながるオススメの方法です。

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4)相手がフリーで話せるタイミングを作る
患者様は、こちらが思ってもいない不安を抱えている場合もあります。
随所に「何かご不安な点はありますか?」というお声がけを行っていくことも有効な手段になります。
その中で、患者様から良く出る質問などがあれば、もう事前にこちらからお伝えする情報の中に組み込んじゃいましょう。


「良いな」と思ったものでも、時間、お金、人間的ストレスがあると躊躇してしまいます。
一見当たり前のことですが、患者様にストレスを与えていないか、一度確認をしてみてください。



【3-2】リピートされる条件②信頼関係をつくる


信頼関係を築くには、主導権を握り、患者様に
「この先生に任せたら安心だ」と思ってもらう必要があります。

そのためには明確な目的をもって「共感」「実感」の段階を踏むことをお薦めします。

共感…自分の話を聞いてくれる人、理解してくれる人だと感じる→主に問診
実感…施術の効果や自分の今の状況を自分自身が体感できる→主に検査、ビフォーアフター

この2つを通じて、
「先生の言った通りになった!」
「先生は自分の身体のことを自分よりも分かっている!」
という認識をしてもらうことが大切です。

分かりにくいのでまとめると、

共感

①問診で、共感をしながら話を聞く
「そうなんです…!!先生分かってくれます!?」
と言ってもらうのがミッション。
ヒントは、「感情に」共感すること。

②問診から得られた「困っているであろうと推測されること」
 を伝える。
 「そんなに肩こりの症状があるなら、頭痛の症状はありませんか?」
 だいたい当たる。そのへんの占いよりは確実。

実感

①施術前
「この検査は○○の状態をチェックするために行っています。本来はこうなるはずなのですが、あなたの場合は正常ではない状態です。」
→黙って検査して「フムフムなるほど」ではなく、実況中継して気づかせる。

②施術後
「施術前○○だったのを覚えていますか?施術によってこのように変化が起きましたよ。」
本人に施術による変化を実感させる。変化はなんでもいい。
その場で実感できる変化がない場合は施術によって体にどんな変化が起きていると想定できるかを話す。


これが上手くできていると、「先生、次はいつ来たらいいですか?」と言われるような、主導権を握っている状況を作ることができます。

ちょっとやれそうなところから、試しにやってみてください。

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【3-3】リピートされる条件③必要な情報を伝える

ストレスがなく、信頼関係ができている状況が作れれば、シンプルに「正しいリピートの仕方」を分かりやすく伝えることでリピートしてもらえる環境が出来上がります。

伝えるべき情報は、以下の内容で十分かと思います。

1)明確なゴール→未来の共有(ゴール設定)
2)通う理由→通い方の提案
3)リピートの仕方→次回予約の提案

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1)明確なゴール→未来の共有(ゴール設定)
以下のABのうち、より長く治療院に通うであろうと思われるのはどちらのパターンでしょうか?

A:膝の痛みを取りたいんです!
B:膝の痛みを取り、できるだけ長い間、友達と山に登って綺麗な景色を楽しみたいんです。

「Bの方が長く通いそうだ」と思うのではないでしょうか?
また、Bの方がこちらからできる提案も増えそうですよね。

この2パターンの違いは以下のとおり。
        ↓↓↓
・症状にフォーカスしているか、症状改善後の感情や行動にフォーカスしているか
・継続的な欲求があるか
・具体的な目標があるか

そして、ここでとても大切なのは、これらはこちらの教育と説明でコントロールできる領域であるということです。
私たちが、感情や行動にフォーカスし、継続的な欲求を引き出し、具体的な目標を一緒に立てるのです。

「Bさんみたいな患者さんばかりだったらいいのにな~」ではなく、
「AさんであってもBさんのようなマインドになるよう誘導する」ことが可能です。

患者様は、「治療院について」皆さんよりも知識がありません

何をやってくれる場所なのか、どれくらい良くなるのか、どんな先生なのか。
そんな中では、皆さんが質問や説明で誘導できる余地は非常に大きいです。

例えば「膝が痛いんです」とおっしゃる患者様に、

・膝が痛いことで何に困っていますか?
・膝が痛くなくなったらやりたいことはありますか?
・そのやりたいことは、あなたにどういう感情をもたらしているのですか?

こんな堅苦しい内容ではなくても、このような趣旨の内容を質問することで、
「膝の痛みを治したい」という話から、
「膝の痛みで山に登れなくて困っていて、痛くなくなったら友達と山に登りたい。できるだけ長く山に登れる身体を保つことで景色とおしゃべりを楽しみたい」
という欲求を引き出すことができます。

そして、このやり方は簡単です。
「相手に興味を持つ」だけ。

膝の痛みに興味を持つのではなく、
膝が痛くて来院してくださったこの人に興味を持つ。

どうしたら喜んでくれるのか。
どうなったら嬉しいのか。
なんで膝の痛みを治したいのか。

そう考えると、患者様への質問は自然と出てくるはずです。

こうすることで皆さんの価値は、
「膝の痛みを治してくれる人」から
「私が長く山に登れる身体をキープすることをサポートしてくれる人」に変わります。

どちらが、より相手の欲求に寄り添えていて、継続して施術を依頼する相手にふさわしいでしょうか?

患者様は、なぜ症状が出るのか、この問題を避けるにはどうしたら良いのかに興味があります。
膝が痛いという訴えの先には、自分が喜ばしい感情を得たいという欲求があります。

その感情を得ることをゴールにするように意識してみてください。

【参考動画】
「通いたくなる問診の極意」
https://youtu.be/AGFkg47nta0

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2)通う理由→通い方の提案

次に、通う理由、治療院が出来ることをお伝えし、通い方を提案します。

以下のような話を順序だてて説明できるように練習しましょう。
どのようなタイミングで話していくかに関しては後述します。

原因、問題、解決策
①<現状>今のあなたの身体はこうなっています
②<問題>こうなった理由はこれです
③<解決策>こうすれば良くなります
④<手段としての通院>当院の施術で解決できることはこれです
⑤<継続した未来>解決後良い状態をキープする方法はこれです


3)リピートの仕方→次回予約の提案

次回予約に必要な情報は、
・次回いつ来るのが、専門家である施術者側としての理想なのか?
という点です。
専門家として、患者様にとってベストな情報を自信をもってお伝えしましょう。

ここで争点(?)となるのが、伝え方。
これでリピート率と主導権が変わります。

どういうことかというと、提案には「強弱」があるのです。

私が関わっていた治療院で指導していたのは、予約を頂くことは当たり前!という聞き方をするということでした。 

①「次回どうされますか?」
②「次回の予約はどうされますか?」
③「次回はいつにされますか?」
④「来週はいつにされますか?」
⑤「来週の火曜と木曜どちらにされますか?」
⑥「来週の火曜も同じ時間はいかがですか?」
⑦「来週の火曜の12時にしましょうか」
⑧「来週火曜の12時に入れておきますね」

下に行くほど主導権を握っている。
どんな場合も③か④は言うように心がけましょう

…というのがマニュアルの大筋だったのですが、

まぁぶっちゃけ、私は⑧とか普通に怖いと思います。
①は少し責任放棄気味かなと感じます。
でも、①すら言ってない先生もいらっしゃるのではないかと思います。

ですので、「いつ来るのがベストなのか」ということをしっかりとお伝えした上で、②-③あたりいっとくといいんじゃないでしょうか、というのが私の意見です。

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よろしければこちらの動画もどうぞ「"質問スキル"の使い方」
https://youtu.be/ypNRpV6SKjI?t=460

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はい!3章ではここまで、リピートされる条件についてお話してきました。
ざっくりまとめると、

リピートのストレスをなくして
信頼関係を築いて
必要な情報をあたえればリピートするよ!

というお話でした。

まだまだ続きますよ~笑


【第4章】実際の新患対応の流れ

やっとたどり着きましたね~笑
ここまでで大切な話は散りばめてきましたので、ここからは実際の新患対応の流れの話を。

全体の流れに一貫性があり、ストーリーになっているあたりに注目してもらいたいです。

私は、結局新患対応って、一つの完成されたエンターテインメントだと思っています。
患者様を感動させ、行動に移してもらうためのエンターテインメント。
なので、『流れ』『ストーリー』が重要です。

(このnoteも、できてるかどうかは別として、順番とかめちゃくちゃ気遣ってひっくり返したり削ったりしたんですよ…)

さて、行ってみましょう!
新患対応の全体像(鈴木がオススメする一例)はこちらです!

①施術の流れ説明
「今日はこんな流れでやっていくね!」
・施術の全体の流れを患者様に伝える
・安心して施術を受けてもらう

②問診
「まずはお話聞かせてくださいね」
・患者様の訴えを知る
・悩みの共有とゴールの設定、共感

③検査
「問診で聞いた内容を実際確かめていきますね」
・実際の身体の状態を知る
「あなたの身体はこのような状態ですね」
【重要】患者様にも理解してもらう

④施術前説明
「あなたの身体はこのような状態だったので、
 これからこういった方針で施術をしていきます。」
・身体の状態を説明する
・これから行う施術の方針を理解してもらう

施術

⑤施術後説明
「施術前の状態を覚えていますか?
 施術を受けることでこのような変化が起きましたね」
施術後の変化を実感してもらう

⑥継続来院の提案
「問診で伺った○○さんの『○○という願望』を叶えるには、
 このような通い方でこれくらいの期間通っていただくのが理想です」
継続の必要性を伝える

⑦次回予約
「理想的な形を目指すのであれば、このような通い方がベストの通い方になります。」

全体的に、ストーリーがつながってるのがお分かりいただけるでしょうか?

話聞いて(問診)、
実際触って確かめて(検査)、
これから行うことを説明して(説明)、
施術して、効果確認して(施術後検査)、
継続の必要性を説明して(継続するとどうなるか)、
その中でも2回目の来院(次回予約)がなぜ重要かを説明して、
次回の予約を取る。

このように、施術と話がバラバラにならず、一連の流れになっているのが理想的です。

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細かい内容や、自分の場合はどうしたらいいかなど興味がある方は、是非鈴木までお気軽にご質問ください。

そろそろ終盤に差し掛かりましたが、
それではここで、どこに入れていいか分からなかったあぶれた「伝え方のヒント」をまとめて書いておきます笑
(全然ストーリー繋がってないじゃん、と思ったそこのあなた、めちゃくちゃ鋭いですね)

■伝え方のヒント

1)治療院の特徴を伝える時は、「当院はこういう施術です」ではなく
「当院の施術を受けることであなたの身体はこのようになります」
と、相手が興味を持てる形で伝えるようにする

2)スクリプト(台本)を活用する
使う使わないは別として、一度台本を作ってみると、
情報が整理できるのでオススメ。
・全体の流れがスムーズか
・ひとつひとつの場面での目的は何か
を確認すること

3)回数券のご案内
「回数券のご案内です」ではなく
「○○さんが○○になるための回数券のご案内」
と言ってみる。

4)あなたの理想を伝える
そもそもどうしてほしいのかが伝わってなければ、相手がその通り動いてくれるとは限らない
明るくサラリと理想を伝える

ちなみに、台本(スクリプト)はこんなのです。

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なんだか色々書いてきましたが、書いた私も、読んだあなたもお疲れ様です。
何が言いたかったかって、
大手ではここまでしっかりと作り込んでやっているところもあるよ、何かヒントになればいいな。
ということです。

私は当時、シンプルに「マジか、すげぇな」と思いました。

大手が正解というわけでは決してありません。

でも、技術的に習熟度が低いスタッフでも結果が出せるように、
このような様々な工夫をして患者様に満足してもらえる環境を作り出しています。
日々、鬼のように練習しています。

私たちも参考にできるところは参考にして、
取り入れられるところは取り入れ、患者様の満足度を上げていければ、それはそれで良いんじゃないかしら、と思っています。


【第5章】「話す」技術を向上させる方法

ここまで読んで、初回の方には色々説明をすることが大切なんだな、ということは分かった。(分かってくれました?)

でも、そもそも、話すの苦手なんだよなぁ。

この章ではそんな方のために、そもそもの「話す技術」の向上の方法と、過去の研修講師歴から学んだことをお伝えしていきます。
スタッフを雇用されている先生などは、研修やスタッフ教育にも役立つかもしれません。

話す技術を向上させる方法には録音、録画をする

自分が話してるところ、客観的に見たことはありますか?
今時はSNSやYouTubeなどもあるので、見たことがあるという人も増えているのかもしれません。
やったことない方は、是非一度やってみてください。

めっちゃヘコみますから笑

私もYouTubeでお話させていただいたり、時には編集したりするのですが、もう見たくない(笑)ってなります。

それくらい、自分が思っている以上に口癖やしぐさの癖ってあるものです。

ここで、私が実際に新人研修で多く見かけた患者対応時の「癖」をまとめてみました。

■あるある癖①「次に○○なんですけれども」
これ、言う人はずっと言ってます(笑)
ひとつずつ整理して話すように努力しているんだと思いますが、
なんですけれども~、なんですけれども~、、、、
と繰り返すのは、実は聞いていると結構気になります。
これに限らず、「過剰に繰り返す」というところが違和感につながっているのではないかと思います。

■あるある癖②「~と思います」
これは特に自信がないときや、不確定な情報を話す時にでがちですね。
「良くなると思いますよ」、ってやつです。
ここは理想としては、「あなたの身体はきっと良くなりますよ」という言い切りに変えていきたいところ。
断定することで、説得力が増します。
これ、口頭はもちろんなのですが、チラシやブログなどの文章書く時とかも気を付けた方がいいです。
あまりに多いと、大事な情報が伝わりにくくなります。

■あるある癖③資料を見たまま話す
説明する時に、要所要所資料や模型などを使うと便利です。
あと、ぶっちゃけそれっぽくちゃんとした感じになります。笑
でも、それらのツールは、あくまで先生のサポート的役割。
資料を説明することが目的になってしまって、資料の方ばかり見てしまって、患者様の方を見ないようになってしまったら本末転倒です。
「患者様に伝わりやすくする」ことが目的なので、しっかり患者さんの様子を確認しながら資料や模型を用いるようにしましょう!

あとは、語尾を伸ばすとか、言い切りができず質問に答えられてないとか、早口とか、本当にそれぞれ色々あるのですが。
(全部自分の話や…)

こういう気づきは、人に見てもらうか撮影するかして気づくしかありません。

話す技術の向上、とか偉そうに言いましたが、
・話すことを決めること
・順序だてて話すように準備すること
・それらを見直して反省すること
しかありません、ごめんなさい。

私も勉強中なので、一緒に頑張りましょう(;_;)

また、別の練習方法としては、段階を追ってレベルを上げていく方法もあります。

話すことの練習方法
<①から始めて⑤ができるように段階を追って練習する>

①紙を見ながら話す
②紙を持ってできるだけ見ないように話す
③紙を持ってできるだけ見ないように、視線に気を配って話す
④紙を見ずに話す
⑤紙を見ずに、周囲と視線に気を配って話す

まぁ、カンペがあればある程度話すの楽になりますよね。って話です。
次の第6章で紹介する視覚化資料(患者様説明用の資料)を用いることで、
上手に話すことのハードルは下がります。

そもそも話すのは得意じゃない、そこに労力を割きたくない
少しでも患者さんの印象を良くしたいという方は、
資料を用いて話す方法も検討してみてください。


【第6章】患者様の好感度が上がる視覚化資料の作成方法と活用方法

さて、私がオススメしているのが患者様に説明する時に便利な「視覚化資料」を作ることです。

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資料がなくても説明できるのが理想だけども、作っておくと色々めっちゃ便利だよ!という感じです。
めちゃくちゃかっこいいものとかでなくて構いません。
分かりやすく、伝わるものであればOKです。

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作成するのは

①どのような治療院か<当院の特徴>
②当院の○○治療の特徴
③不調や症状の原因
④通院による改善までのイメージ
⑤通い方
⑥料金、メニュー

あたりを基本として、その他に資料化をオススメするのは、

・使用している機械などで、優秀な「数値」を有しているものの紹介資料
 →数字は視覚で示すと理解度が深まります
・注意事項
 →施術者側の伝え忘れ防止にも繋がります

・特殊な治療法の紹介
 →例)美容鍼灸、○○療法など施術自体に特徴がある場合、その特徴を視覚で伝えるのは有効な方法です。治療法や仕組みを伝えるだけでも価値に繋がります

このあたりが資料としてると便利だなと。



これらを「患者様説明用の資料」と名付けましょう。

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この資料を使用するメリットは以下の点です。

患者様説明用の資料を用いるメリット

☑患者様への伝え忘れがなくなる

→あれもこれもと伝えたいことがある場合に、
伝え忘れが出てしまったり、順番がバラバラでちぐはぐになるのを防ぐ

☑ストーリーで話せるようになる(訴求力アップ)
説得力を増す方法として、ストーリーに抜けがなく繋がっている状況というのが好ましい状態とされています。
例えば、起承転結がある話はわかりやすい。
初回施術における一連の流れに関しても、
ストーリーがあり、患者様を迷いなく誘導し、疑問に繋がらないような工夫をすることで、
納得感や満足度を増すことができます。

☑話しやすくなる
私自身、慣れてきてからは全ての資料を使用しない場合もあります。
とはいえ、やっぱり今でもメニュー、料金表がきちんとあると圧倒的に説明しやすいです。
通い方なども資料になっていると、患者様にもさくっとお伝えすることができて重宝しています。

☑患者様が目でみて分かりやすい
メラビアンの法則、という有名な法則があります。
ざっくり言うと耳から入る情報よりも目でみた情報の方が影響力が高いということなのですが、そうでなくても、初めて聞く話が全て口頭だとなかなか理解しづらいですよね。
口頭での説明に比べて、重要な部分をより強調して見せることができるので、無駄な情報が入らず、混乱を防ぎます。
料金やメニュー、通い方などの時系列は、図やグラフを用いると効果的です。

☑「ちゃんとしてる感」の演出
「口約束」があまり信ぴょう性がないのと同様、口頭で話されることよりも、書面や資料になって準備されているものの方が信ぴょう性が出ます

☑スタッフ間での患者対応の統一
とある大手の治療院グループでは、この資料を使った説明を徹底していました。
スタッフ間の差が出にくくなり統一感が出るということと、
何より「そのままやる」という点、資料があるから覚えやすいという点で、
スタッフが患者様対応にデビューするまでの時間の短縮になっていました。
練習を行う際にも、適格なフィードバックができるというメリットもありました。

反面、デメリットがあるのも事実です。
このあたりは、工夫で解決できますが、まぁ、好みかなと。

デメリット

☑資料見がち問題
☑マニュアルっぽい感じ問題
どうしても資料を見ながら話しがち
マニュアル読んでるだけ、のような感じになってしまいがちです。
資料がなくてもできるけど、あるとより良い。
基本口頭だが、効果的な場面でのみ使う、ぐらいの感覚でいると良いかもしれません。

視覚化資料は大変分かりやすいので、是非気になった方は作成にチャレンジしてみてください。

いくつかサンプル事例を置いておきます。

↓スタッフが多い治療院様や、料金プランが複数ある治療院様に便利なパターン

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↓女性向けの治療院様で使用される資料

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↓自分の院の仕組みが色々すぎて説明しづらいという院のサンプル

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【まとめ】

今回のnoteでは、

☑リピートは治療院運営に必要
☑新患対応の目的は「知ってもらうこと」
☑話す技術を向上させよう
☑実際の新患対応の長手
☑視覚化資料の活用

というお話をお伝えしてきました。


いかがだったでしょうか。

あれもこれもと長くなってしまったのですが、ここまで読んでいただいた皆様には、心より感謝を申し上げます。


鈴木は今後も、自分の知識、ノウハウ、能力を、治療家の皆様にお役立ていただけるようなサービスを提供していければと考えております。


✅開業や集客など、鈴木に聞きたい!相談したい!という方
https://mosh.jp/classes/page/32626

✅記事本文で出てきた視覚化資料、うちの院のやつ作ってほしい!という方https://mosh.jp/classes/page/32633(6月末までモニター価格)

✅その他何か制作物などを頼みたいという方
→応相談(DMください)、サービス化準備中

✅セミナー資料などの作成、ブラッシュアップを依頼したい方 
→応相談(DMください)

✅なんか、これ手伝ってくんねーかなーという方 
→応相談(DMください)

2021年4月より、治療家の皆さんのお役に立てる情報やサービスをガンガン提案させていただく所存ですので、今後皆様とのご縁がありますと幸いです。

皆様本当にいつもありがとうございます☺

それではまた!

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