独力で良質な抄録を書くコツ【購入者特典動画付き】

【読者層】
本記事は以下の方を対象にしています。
・学会・研究会で発表したいけども、1人で抄録を書く自信がない
身近に研究指導してくれる人がいない
・すでに学会・研究会で発表したことあるけども、もっと多くの人に伝わる抄録を書けるようになりたい

【本記事の特徴】
独力で良質な抄録を書くテクニックを理解できます

【留意点】
・ただし、本記事を読んだだけで、魔法のように良質な抄録を書けるようになるわけではありません
・実際に独力で良質な抄録を書けるようになるためには、何度も抄録を書き、経験値を高めていく必要があります

【著者紹介】
寺岡睦(てらおか・むつみ)

作業療法士、博士(保健学)

大杉病院、吉備国際大学保健福祉研究所

【目次】
1.私の研究事始め
2.「型」をとことん理解しよう!
3.各種声明で報告すべきチェックポイントを把握する
4.良質な抄録を書くには良質な抄録を多読する必要がある
1)Annals of Internal Medicine
2)Lancet
3)New England Journal of Medicine
4)BMJ
5)JAMA
5.抄録を洗練するためには音読が欠かせない
6.購入者向け質問コーナー
7.まとめ
8.【購入者特典動画】独力で良質な抄録を書くコツの詳細な説明
9.文献


1.私の研究事始め

こんにちは、寺岡睦です。岡山のすごい山奥にある病院で働きながら、研究所で準研究員として研鑽を積んでいます。

私は学部2年生の頃から研究者になりたいと考えていました。港美雪先生が講義で作業療法の本質を熱く語られ、それに影響を受けたからです。港先生は私が3年に上がるタイミングで他大学で移動され、後任で京極先生が来られました。チューターだった岩田美幸先生に相談すると、「京極先生は研究力が高いので、研究者になりたいならゼミに入るとよい」と助言を受け、それで京極真先生の研究室に所属することになりました。その後は、学部大学院一貫教育、修士課程、博士課程へと進み、現在も臨床家&研究者として研鑽を積んでいます。

このプロセスを通して、私は国内外で複数の研究論文を公表し、いくつも学会発表してきました。学会発表では奨励賞を頂いたこともあります。研究室の後輩や臨床の先生方の抄録執筆の支援も行ってきました。そうした経験から独力で良質な抄録を書くには、あるコツがあると気づきました。私自身、最初はぜんぜん書けなくて、京極先生から毎回、真っ赤に修正されていました。もう本当に嫌になるぐらい何度も何度も何度も書き直したものです。

でも、そうこうしているうちに、何となくわかってくるんですよね。抄録には書き方にコツがあると。抄録の質を高めるために、どう独学すればよいのかも、今となってはよくわかる。トレーニング中は七転八倒、四苦八苦、悪戦苦闘ばかりで何がなんだかわからないんですけどね。

この記事では、独力で良質な抄録を書けるようになるためのノウハウを論じています。基本的にはシンプルな方法なので、やる気があって実際に行動する人であればトライ&エラーを繰り返しているうちに、抄録の質を高めることができるはずです。

では、ノウハウって具体的にどんなでしょうか?


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