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【読書】史記 (横川光輝)

「史記」と名のつく書籍はたくさんあります。今回ご紹介するのはマンガでわかる中国の歴史。史記。

三国志でおなじみの横川光輝さんが書いた本で読みやすくて面白いです。
今回は、この本を読んでの感想を書きます。

史記では計略、謀略が多くて、こうすればうまくいくとかそういうのがない。人にはそれぞれ義理、欲望(立身出世、色欲、権力欲、金銭欲、名声)、愛国心、友情など、行動の動機となるものが異なります。

だから、いくら義理に厚く人望があっても妬まれ陰謀を企てられて失脚し、死に追いやられることまであります。

例えば春秋戦国時代、魏に使えた「呉起」。呉起は行政、兵法共に優れ、出世しますが最期は妬みや恨みから人生を終えてしまいます。

呉起の立身出世とキャリア

呉起は「衛」という国の生まれで、立身出世のために生きていましたがうまくいかず、金を無駄に使う親不孝だと言われます。それに怒って人を斬って、他国に仕官の道を探します。

「魯」国で役人として仕えると、人望も厚く多才だったため頭角を現し、将軍にまで登りますが、妬まれて変な噂を流されて身の危険を感じ、「魏」に亡命します。

魏でも評価され将軍として活躍しますが、重用してくれた王が亡くなり、王が代わります。王が変わると側近も変わり、その側近にやはり妬まれ謀略にあいます。それに気づくと、次は「楚」に亡命します。

楚の掉王に見出された呉起は、政治の権力を一手に握る宰相にまで上り詰めます。そこで才能を発揮し、門閥政治を廃し、法で治めることを決めました。これにより国は豊かになり、戦果もあげていきます。しかし、掉王が死に後ろ盾を失った呉起はやはり特権階級を奪われた人の恨みを買い、反乱を受け生涯を終えてしまいました。

呉起は多才で政治家としても兵法家としても優れていましたし、人にも好かれていました。しかし、結局は妬まれ追いやられる運命にありました。

人としても良く、行いも良くても悪評1つで悪く見られる。自分を客観視して情報を発信するのがいいのかなと思いました。

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