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AI時代に気をつけたいエコーチェンバー現象と平面的、多面的思考について

実はもうすでに何個か他のAIの記事を中心に書き終えているのがありますが、あえて本記事では、少し違う角度の話について考えていきたい。

それは、AI時代に気をつけたいエコーチェンバー現象についてです。

また、そこに付随する物事の捉え方について、平面的に捉えるか・多面的に捉えるかということについて。

実は、僕自身が長年悩んでいることでもあり、成長するには?進化するには?と考えていると、必ずぶち当たることのように感じていることなのです。

自分自身も、このAIの発展と進化に伴ってよく考えるべきだと思っていることです。

エコーチェンバー現象

いきなり何やら難しそうなキーワードですが、エコーチェンバー現象はこのSNS、AI時代に注意すべき大事なキーワードだと思っています。

エコーチェンバー現象とは…

自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティーで、同じような意見を見聞きし続けることによって起こる現象。

そのコミュニティにいることで、無意識に自分の意見が増幅・強化されることを指します。

例えば、SNS(特にTwitter)やネット掲示板など、「同じ趣味嗜好、同じ思想」の人とつながることができる場で起こりやすい現象です。

また、昨今のAIやインターネットの普及による、自身に最適化されたネット広告やおすすめ・リコメンド機能なども似ている事例で、この最適化された世界で、人は無意識に意識が形成されていくということ。

では、この現象の何が問題なのでしょうか?

主に…
・自分の間違いや過ちを認識できなくなる
・他者の意見に不寛容になってしまう
・元々あった思いこみが正しいという思考の歪みになる

といった問題点があるのがエコーチェンバー現象なのです。

これらを踏まえて思い返してみると、「確かに自分もそうだ」と思う人はかなり多いと思います。

実際に、Twitterなどではアルゴリズムにより自分におすすめなツイートが目につきやすく、見たくない情報はミュートやブロックにより目を逸らすこともできます。

元々、自分が思い込んでいることや自分の考えについて立証するような情報ばかりに目がいってしまい、無意識に思考が歪んでいったり自分の思い込みが強固になっていくということです。

そうしていくうちに、知らず知らずに自分の思考が歪んでいったり、正しい情報や知識、新たな知との出会いをブロックしてしまうというわけです。

生物学などでも、人間の本質は「思い込み」だと言われているくらいなので、これは人間の性であり全員共通の思考と考えるのが妥当でしょう。

ただ、一概に悪いところだけではなく、自分の精神衛生面であったりストレスの回避などいい部分もあります。

ですから、まずはこのような現象やバイアスがある事実を認知して、自己成長などの目的のために、立ち止まって考えたり、客観的に自分を見るようにする必要もあるということです。

これは実際、僕自身の日々考えている課題でもあります。

思考停止せずに自身を客観視して、これらの思い込みや現象をコントロールできるのが、成長や進化のためには大事なのです。

では、どうすればいいのか?


平面的な捉え方よりも多面的な捉え方をする

図1:多面的-立方体(現実)


図2:平面的-四角形(非現実)


これらは図1が多面的、図2が平面的な図形です。

想像しやすくなるので、これらを踏まえて考えていきたいと思います。

先述しているエコーチェンバー現象の対策として、物事の捉え方について理解するということが個人的には腑に落ちている考え方です。


まず、図2の平面的な捉え方が良くない捉え方になります。

この捉え方は、単体のツイートやテレビ、ネットニュースなどが当てはまります。

その直接的に見える事柄だけを受け止めるということです。

仮にツイートで自分にとって信じていることや自分自身を全否定されるようなツイートを目にしたとします。

例えば、「読書をしている人は時間の無駄だし、頭悪すぎ!」というツイートがあったとします。

これを読書が好きで、読書は有益だと信じていて、余った時間を全て読書に費やす読書家の人が見たら全否定されて不快に思い、ブロックするかもしれません。

この事例を、その平面上の言葉だけで捉えずに、図1のように多面的に見るとどういったことが考えられるでしょうか?(他の側面を何個か考えてみましょう)

・相手は超タイムパフォーマンス重視の起業家で、人脈もあり有益な話を聞ける繋がりがたくさんあるから、読書より人脈派
・相手は、読書という事柄について意見を述べているだけであって、人格や生活、その他の事柄についての意見は何もないし否定しているつもりはない
・相手は失読症で、読むより聞く方が断然得意なタイプで、読書自体ほとんどしたことがない
・超理系で、文学や哲学が苦手な人でそもそも理解できない人
・有名人や影響力のある人で、本音とは別で仕事やキャラ的に発言している

などなど…(まだまだ考えられることはたくさんある)

実際はいろいろな側面や意図があり、表面上は見えていない現実です。

相手の立場や職業、相手の生い立ち、相手の育った環境などたくさん要素が含まれています。

表面上で全てを理解できるほど現実世界は簡単ではありません。

出来事、タイミング、経験、ライフスタイル、仕事などあらゆることが交差していて、現実は自分が思っているよりも、もっと複雑ということです。

多面的に捉えることで、相手を理解しようとしたり、新たな意見に気づけたりするかもしれません。

そうすることで、自分の意見や考え方と比較できて、双方の良さや悪さが見えてくるのではないでしょうか?

また、多面的にいろいろな意見や思考にふれることで、自分の考えの誤ちに気付くきっかけになったり、改めて検討する機会になります。

クレームの価値も同じようなことだと思います。

クレームを受けたことで明らかになる、間違いや改善点もあるのです。

肝心なことは、平面的に捉えるのが当たり前になりすぐにブロックしないで、多面的に捉えて深く考えてみることも時には必要ということです。


こういった捉え方により、SNSやAIの発展、アルゴリズムなど無意識に凝り固まってしまったり、脳死や思考停止してしまうことを防ぐことにつながり、自分の頭で常に考える人へと成長していくと僕は考えます。

便利になったり、発展することは人類の大きな進化で素晴らしいことですが、そこにあぐらをかいて退化してしまうのは本末転倒なので、よく考える必要があるでしょう。

そして、この多面的に捉えるということは、相手の考えていることや感情を理解しようとする行為。

この考え方こそAIやロボットがもっとも苦手で、むしろAIにはできないことである、相手の感情を読むという考え方なのです。


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