映画 鹿の王 感想です。無難にまとめたが原作のメッセージが薄れて見えなくなってしまっています。
原作本と映画を比較する企画です。
映画単体で見ると、何が何だかよくわからない子供向けの作品という感じでした。
スーパーアニメーター安藤雅司さんの初監督作品。
安藤さんは、キャラクターデザインで色んな作品にかかわってて、もののけ姫とか、君の名は、パプリカ
とかが有名です。
本作の絵もそれっぽいですね。
原作は上下二巻。だいたい1000ページですから二時間にまとめると、どうしても内容が希薄になる。だから、かなりシンプルにラインを削っています。悪くないよく頑張ったと思うのですが、モチーフが伝わってこない。
もののけ姫だと、ダイレクトに環境破壊というモチーフが迫ってきたのだが、本作の文化の融合の難しさとか疫病を武器に使うという意味とか、そういうのがわかんなくなってしまっている。映画化することで、ただのエンタメの一つになってしまっています。
たとえると、もののけ姫はカルピスの原液、さらに広がっていく何かがあるのですが、本作は薄まったカルピス。それを補完するために別の何かを加えて飲みやすくしたもの。まずくはないのですが、核が伝わってこない。そういう印象でした。
それに、この映画だと 鹿の王 というタイトルが浮いてる。犬の王だよねということになる。
どだい、この長編を映画化なんて無理があるということでした。
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