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ゼロからスタート!再デビューを目指すVTuber muti新衣装の制作裏側

はじめに

みなさんこんにちは!みんなのあなたのゲーマーお姉さん、mutiです。YouTube上でVTuberとして活動しているゲーム実況者で、活動し始めて4年目になるちょっぴりレアな生き残りです。ほとんどのVTuberは1年くらいで引退か無期限休養しちゃうからね…おい誰だ化石って言ったやつ。サカバンバスピス投げつけるぞ。

今、私は今更新しい衣装(モデル)で再デビューをしよう計画のため、初心者ですが自分で自分の新衣装デザインをやってみました。その中でわかったことや気を使わなきゃならなかったこと等が多くあったため、noteにまとめておこうと思います。
VTuber的にはちょっとメタな話ではありますが…誕生秘話的な感じで読んでいただけると今のキービジュアルの見方がちょっと変わるかもしれません。
特に初見さんが「そのお洋服良いですね!」とコメントした時に「そうだろ?特にここはむちさんのこういう意図があってな…」と配信上でドヤれます。やべぇなあいつってなること間違いなしです。多分。

新衣装のデザインを自分でしようと決めた背景

ほとんどのVTuberは自分のモデルを用意しようとする時にイラストレーターに依頼をします。イメージや雰囲気を文章で伝え形にしてもらい生まれるV
、自分でざっくりとラフを描いてからイラストレーターさんにより良くしてもらい生まれるV、既に出来上がっているモデルを買うV、デザインもモデリングもすべて自分で行い生まれる最強V等々、誕生の経緯は様々です。

一番最後の「デザインもモデリングも自分でやります」以外にはイラストレーターとの間に著作権が生まれます。この著作権云々の説明は省きますが、イラストレーターと著作権関係でトラブルが起きるとモデルやキービジュアル等が使えなくなる可能性があります。
私自身も既存のモデルが多くの人と関わって生まれたキメラ状態であったため、著作権といいますかオブラートに言えば鞍替えしたので使えなくなりました。今後こういったモデルやキービジュアルが使えなくなってしまう状況でもすぐ立て直せるように、デザインだけでも自分で1から100まで完璧に仕立てておけば大丈夫、と考えたのがきっかけとなります。

こんな事をしなくても名前も見た目もガラッと変えてデザインもAIに任せて新人VTuberとしてデビューするのが一番手っ取り早いのですが、それはもうmutiでは無い。今まで応援してくれた人たちの気持ちを考えたら普通にそんなことできるわけないじゃないですか。

とりあえず何も考えずに描き出していく

これまでは既存のモデルやイメージにちょちょいのちょいと付け加えりするぐらいなので完全に1からデザインを考えるのは初めての経験でした。どこから手をつければいいのかもわからなかったのですが「こうなりたいな~こんな感じかな~」とめちゃくちゃぼんやりとしたイメージはあったのでざかざかと描いてみることに。
好きな色や形を感じたままに描き出していった結果!ぼんやりとしたシルエットが生まれました!!当たり前だ!!!
ただこのぼんやりシルエットに向き合っている時間はなりたいあやふやなイメージの言語化ができたような気がします。

「スカート、あっロングスカートがいいな。カッコいいって雰囲気もほしいから制服のようなかっちりした…ワイシャツもほしい。ミニハットは象徴みたいなもんだから今回もつけたいよね。胸出そうぜ胸!やはりパッと目を引くのは谷間だよな!センシティブ判定にならないようにボディタイツみたいなの着るか…?でもあんまり肌出すと痴女だよなぁ」

脳内のおっさんと会話しながら少しずつぼんやりしたものに形を与えていく。これ、マストですよ

ざっくりシルエットを描いたもの。胸くそでけぇな。


「好きなもの」を描きこんでみる

脳内のおっさんと何度も協議をし生まれたぼんやりシルエット。こんなぼんやり衣装では「えっ、なにこのひらひら…ハサミで切った…?胸とワイシャツの境目どういうこと…?」とイラストレーターさんも頭を抱えてしまいます。ということで上記のデザインを基にして更に自分の理想に近づけていくことにしました。が、まったく思いつかない。これぽっちも出てこない。私も頭を抱え始めた時、どこかの誰かの創作物に対する考え方を思い出しました。

それは、創作物には「その人らしさ」がぎゅーっと詰め込まれてると人を惹きつける力が強くなる、という考え方。作り手の好きなもの、思考、その人だけがもつ技術、表現力。そしてVTuber視点になりますが演者とどれだけマッチしているか…。その人らしさというのは表現や技術だけでなくひらめきや感性など様々です。

そこで「自分の好きなもの」を基のデザインにぶちこんでみる事にしました。大好きなキャラクター、大好きな世界観、行ってみたい場所、現実では着れそうにないけど好きなファッションのジャンル。その結果~…

めちゃくちゃ形になってきた!

1枚目の基デザインよりもかなり形になってきました。これは良い!さっそく清書してイラストレーターさんに連絡だ!と思ったのですが、ふと「多くの人に見てもらった時、それはぱっと目につくか?」という脳内のおっさんが語り掛けてきたのです。

「需要」を考えて描きこんでいく

おっさんは言いました。
「VTuber…まさに今は群雄割拠の時代。視聴者というコマの奪いあいだ」
「おっちゃん!」
「企業に所属しトレンドを生むVTuberもいれば、むちのように個人Vtuber一本で生活している者もいるし、ただ趣味でVTuberをしている者もいる。数多く存在するVTuber…その中でお前はこの姿で【見てもらえるのか】?
企業に負けず劣らずの個性はあるか?趣味で何十万もかけたモデルに引けを取らないか?お前は特別面白いか?お前はずばぬけてゲームが上手いか?お前は人の心を揺り動かすほどの魅力を持っているか?いいか、むちよ

流行りに乗れ。

父さん!!!
と、いう訳で最近デビューしたVTuberや、Twitter(X)で流行った見た目系ハッシュタグをつけてポストしているVTuberを見に行きました。
自分なりのリサーチですが最近のアニメにも多い「線の細さや透明感を生かしたイラスト」や「衣装のコンセプトに連なるモチーフをがっつり描きこむ系」や「清楚系、アイドル系、小動物系」の需要が多いのかな?という印象で、見た目系ハッシュタグに関しては「胸」「ふともも」「水着」あたりがダントツなんだなぁと思いました。

胸といえば?ふとももを見せるには?水着は体のボディラインが重要で普段の衣装でそういう風に見せるには?と自問自答しながら更に描きこんでいきます。しかしいくらトレンドといえど「muti」の雰囲気と合わないものは論外です。肌ががっつり見えるようなものやきわどいものは避けねばなりませんし、いきなりケモ耳つけたら「何があった???」となりますし。
今回「ボディラインを見せる」について特に難航していましたが、好きなファッション誌を眺めていたらたまたまコルセットを発見することができたので解決しました。元のデザインの雰囲気も守りつつ体のラインを見せれる…ばっちりですね。
こうして脳内のおっさんも「おっ」と目を惹くデザインができあがってきました。

通称「おっぱいベルト」を取り入れ胸を強調させたり、スカートにスリットをいれることで太ももを見せれるようになった。スカート自体もマーメイドからぼんやりシルエットのスカートに戻している。


物語や設定を描きこんでいく

大好きなものを詰め込んでいった事で自然とデザイン自体ににテーマが浮かんでいました。トランクが似合いそうで、ゲームの世界から別のゲームの世界へ旅をするような身軽さもあり、ゲーマーで、ゴシックな雰囲気でビシッとしていて、かっこよくて魅力的でかわいいお姉さん。
そのテーマを更に掘り下げ雰囲気にあう装飾や小物を追加していきました。

ゲーマーならヘッドセットが欲しいな。
旅をするならコントローラーがしまってあるようなカバンも必要かな、でも身軽さはなくなっちゃうからミニバッグにしてを腰につけようかな。
ミニバッグには好きなキーホルダーをつけちゃおう。すなめりさんと大事にしているハーバリウムを。
靴もヒールではなく厚めにしよう、動き回れるように…。
髪飾りはすなめりさんのたんぽぽをイメージしてシュシュでお揃いにしよう!

自分の感性と想像力を信じてデザインすること数か月。何度も試行錯誤を繰り返しようやく形になりました!最終的には満足のいく新衣装を作り上げることができましたし、このデザインには自分の想いがたくさん詰まっていてより一層愛着が湧きました。


最終デザイン案。ただ見た目が良いだけでなく、デザインに意味やテーマを閉じ込めるのは想像以上に難しかった。


あとは細かいところを誰が見てもなるべくわかるように文字で描きこんで…

胸元の宝石についてやここはみ盛りしてください!な箇所のマーキング
ミニバッグやコルセットの装飾
色も指定しておくとわかりやすいかなと思い載せてみました。素材の指定もありますね


そうしてイラストレーターに依頼をし、出来上がったのがこちらです。

担当してくれたイラストレーター 椎名こう様
神ですほんとに。


余談:「何かに似てる!」というのを避けることの大変さ

好きなものをあれこれ詰め込んでいた段階で「なんかどこかで見たことのあるデザイン…」という見方になりがちでした。まるっきり一緒ではないけれど「これ、似てるかも」という感覚です。オリジナルキャラを描いたときに「これOOのOOに似てるね!」というアレです。そうならないようにもmutiらしさを思い切りぶちこみまくりました。

この「なんか似てる」問題は、特に「物語や設定を描きこむ」「シルエットを描いてみる」で大きく変化するので、あまりにも形状や色合いがそっくりな場合は思い切って修正していました。今回ですとマーメイドスカート(なんか嫌だった)とワイシャツの肩回りのデザインですね。ワイシャツは肩口に思い切ってスリット…というか切れ込みを入れてみたところ、肌のチラ見せ効果もあったので採用しました。

使ったツールや参考にしたもの

MediBang Paint pro
無料で使えるペイントソフト。いつもお世話になっております。

Googleレンズ
画像や身の回りの物を写して検索することができるGoogleのツール。類似画像を検索してくれるのでデザインが被ってないかの確認に使いました。

自分の好きなものたち

日頃から好きなものアンテナを張っておくといいです。自分はTwitter(X)で好きなブランドのアカウントが投稿したらすぐチェックできるように通知ONにしたり、少しでも気になるものはブックマーク機能にぶちこんでよく見返しています。

さいごに

とても時間がかかってしまいましたが最高に私らしさが詰め込まれた素敵な新衣装デザインができたと思っています!今後もさらに自分の感性を磨き、機会があればもっと素敵なデザインを生み出していきたいと思います。
わたんぽぽのすなめりさんの活動に生かすことができたら百点満点ですね!

ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。また次の記事でお会いいたしましょう~!


イラストレーターのご紹介 
依頼を引き受けていただき本当にありがとうございました…!

椎名こう様
X https://x.com/shinakou_

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