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『価値観に共感する』というブランドのデメリットを考えてみる。

価値観に共感するブランドに育てていきたいというご相談がここ数年で一番多い。

価値観に共感してもらえるようになれば、あたたかな経済の循環が生まれるイメージがあったり、機能などの商品の性質ではなくて感覚的に選んでもらえるようなイメージがあるのではないかな?ということを度々受けてとれる。

価値観に共感してもらえれば、売れ続けるのか?と言うところなのだけど。

立て続けにいいな、共感するな、と思っていたブランドがクローズすることを見た。

この理論で言うと、安泰のはずなのに、そうではないのだ。

価値観にさえ共感してもらえたら、ブランドとして安泰なのかも。というイメージを持っている人もいる感じがあるので、それは確実にNOだな、ということをこのnoteにて記しておきたい。

イメージしやすいのでいうと、立て続けに、雑誌が廃刊になるのを見ている。

一括りに、するのは違うのかもしれないけれど、雑誌は価値観の共感を生み出すものである。

ああ、あの雑誌好きだったのにな。

と思った雑誌はいくつもあったけれども、実際、私自身、購入していなかった。

価値観の共感はもちろん強いのだけど、価値観の共感はこれさえやればという、魔法のようなものではなくて、あくまでもベースという印象を持っておいた方がいい。

共感があるからこそ、生まれるデメリットによって色々と下がっているのでは?という結論に至った。

価値観の共感に繋がる3つの感覚のデメリット

①安心感

このブランドは好きだし、安心できる。この感覚は重要だ。

だけど、自分がわざわざ買うほどでもないと言う印象を作り出すことがある。

いつでもあるという安心感がファン化以上、購入未満という人が多くなっているブランドも多いのは、この安心感がある故のお客さま体験のデザインがされていないように個人的には感じる。

②忘れられやすさ

人がものを購入していたものを購入しなくなるのは、『なんとなく忘れていた』と言うことが多いと言うことを聞いたことがある。

安心感からくる感覚と似ているのかもしれないけど、ものが増えたり、コンテンツが多くて、何かと忙しさが増してくると忘れられやすくなると言う感覚が生まれてくる。

もちろん品質やサービスが悪かったから、ということもあるのだけど、それだけじゃないということを日々過ごしていても感じる。

好きなブランドに似たものが広告でおすすめされてきたり、自分の価値観に合った、別なものが常に日常において触れる機会が私たちには格段に増えた。

だからこそ、今まで以上に、わざわざあなたの元で購入する理由というのが重要視されているように思うし、定期購入なんかも流行っているような印象。

③わざわざ手に取るというハードルの高さ

<価値観の共感>というものは、<購入したいという感覚>とは、別物だ。

もちろん、価値観の共感によって、買い揃えたくなったり、盲目的に購入したくなる人は一定数はいたり、ただフォローする人ではなく、<ファン>を増やすことによって売れるという話もよく聞くけれども。

<購入をする>ということは、それぞれのブランドにとってどういう意味なのか、ということがますます重要視されている印象がある。


先日、ロンドンに行ってきたけれども、ストーリーテリングの上手なブランドが長く残っているという話を聞いた。なるほど…と思ったよ。


改めて書き出してみましたが、いかがでしょうか。

私が思い当たる、いわゆる、価値観の共感の強さが目立つブランドは、価値観に共有だけでなく、この3つのポイントを確実に抑えているような印象がある。

『この3つの感覚と向き合うためには?』という問いからは、いくらでも戦略を練ることができると思うので、ご自身のブランドの理解を深めるのにご活用ください。

ご自身のブランドの参考になりましたら、幸いです。




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