Memories of Zoo

30代の半ばを過ごした狂いに狂った企業の思い出を書き溜めます。基本的にノンフィクション…

Memories of Zoo

30代の半ばを過ごした狂いに狂った企業の思い出を書き溜めます。基本的にノンフィクションです。

最近の記事

深紅の摩天楼と動物園③

アルバイト達との面談は非常にエキサイティングだった。半数以上がまとめに社会人になれていないフリーターで向上心も業務遂行能力もなかった。文字は読めるが文章は読めない。というギリギリ人間が大多数である。どうやったらこんな奴らばかり集めるんだと絶句したが、やはりマサの仕業だ。奴が面接すると人間未満が送り込まれる→仕事はある意味楽なので辞めないが、とんでもなくミスが多い・・・ということだった。 そう、すべての原因はマサにあるわけである。入社初日にそれを悟った私は、とにかく奴の影響を排

    • 深紅の摩天楼と動物園②

      ATボーイをミーティングの後で捕まえて話を聞いたのだが、あまりに予想通りだった。まず、マサは月1回も顔を出さない。ほぼ本社にいてチャットでの指示もなく、ただただ放置をされているチームである事が分かった。 ATボーイは前任の社員が飛んだ(なんの連絡もなく退職)した為に、突然クライアント対応を任せたようだ。驚くべき事に当初はアルバイトだったらしい。全くPCを触った事がないアルバイトにすべてを丸投げしており、ATボーイなりの独学で今まで対応していた事が判明した。 この時点で私は絶

      • 深紅の摩天楼と動物園➀

        マサとの面接を終えた私の感想はシンプルに「この会社は大丈夫か・・・?」ではあったが、好奇心に負けて転職を決めてしまった。 今まで遭遇した事がないタイプの人間への出会い(もちろん悪い意味で)への期待と、少なくとも提示された仕事内容自体には関心があったからだ。 勤務場所はクライアント企業内。つまり常駐型である。しかし、マサがいるオフィスでは色々気になって集中できないので、私にとっては幸運だったのかもしれない。 私は常駐する事になったオフィスはある川沿いにある大きなビルだった。

        • その男の名はマサ

          まずは私の事を少し開示しておこう。当時の私はとても疲れていた。20代後半から30代半ば、恐らく5年程度だが猛烈に働いた。当時は働き方改革なんて言葉はもちろんなく、パワハラやセクハラという言葉は存在していたが今ほどの効力はなかった。法に触れるラインで無ければ何がセクハラか完全に人事の気分次第(まぁこれは今もある意味では変わらないが)の時代だ。 当時の残業時間は平均で150時間前後。年間ではない、月平均だ。月20日×8時間労働で160時間なので、簡単に言えば1か月で2か月分働い

        深紅の摩天楼と動物園③

          思い出を書き留める

          年を取ると失う物が多い。最たるものは記憶だ。どんなにつらい事も時が経ち年齢を重ねるうちにその記憶は薄れていってしまう。 基本的にはそれで良いのだが、私が30代半ば~後半で経験した事は書き記して他人に。特に若い人に読んでもらった方が世の為、人の為になるのではなか?そう考えるようになった。 その企業は日本企業の悪い所を集めて煮詰めてゴミ箱で腐らせたようなものであった。上場企業でありながらガバナンス機能は皆無、社長のセクハラはもみ消しは当たり前。低賃金で人を使い捨てる全体のビジネ

          思い出を書き留める