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六月一日 『氷の朔日』

こおりのついたち

氷の朔日 (こおりのついたち)

正しくは旧暦の六月一日

宮中では『氷室の節会(ひむろのせちえ)』といって氷室に保存した氷をこの日に食べる行事があった

宮中だけでなく江戸時代は将軍家が献上された氷を食べていたという

庶民の間でも『氷の朔日』として広まったが氷なんて当時一般的には冷凍庫もなく入手困難なため代わりにザクザクとしたもの─正月のお餅(鏡餅)を氷餅にして保存し炒ったもの─をこの日に食べる事として『歯固め』などと呼び、固いものを食べて歯を丈夫にして健康を祈念する

諸説あるし、地域によっては煎り豆や勝栗、干し柿なんかもあるそうだけど6月4日(虫歯予防デー)もあるし何かと歯は大切と思いを馳せる6月の頭

このような雅やかな風習にのっとって固いものを食べた記憶もないし、周囲からもあまり耳にしたことがない行事ではあるが私は小学生の頃から知っていた

親や学校で教わったとか歴史や風習に特別興味のある子どもだったのではなく、漫画『あさりちゃん』で知った

その時からずーっっっと6月1日はこの氷のついたちの固いものを食べるという話をするのだが全然興味を持ってもらえないのでここに書いた

ためになるとか勉強になるとかそういうジャンルの漫画ではなく室山まゆみ(と、まりこの姉妹)による子ども向けの漫画で誰かからもらったか何かが始まりでずらりと本棚に並んでいた漫画のひとつ

『氷のついたち』以外にもこれで知ったことは色々あり、覚えているだけでも、“ひな祭りに蛤のお吸い物を食べるいわれ”や“七夕におそうめんを食べるいわれ”なんかもこの漫画から

しかし食べ物のエピソードばかりで子どものときから食い意地がはっていることがよくわかる

主人公の運動神経抜群勉強嫌いの『あさりちゃん』に運動神経はないが秀才の姉『タタミちゃん』が色々教えるシーンが多いためこのようなうんちくや豆知識が度々登場するのだ

私の母親は何に対しても保守的で自己主張や自分の考えみたいなものをあまり持たない人なので誰かが言ったのか何かで見たのか『漫画やテレビは悪』であり、子どもの疑問や関心を刺激しすぎる『危険なもの』という認識を強く持っていた

他にもあらゆる事を管理下に置いていて我々姉妹はやや窮屈な子ども時代を送った

しかしながら、我々姉妹は母のそうした思いを違うパワーに変換させてしまった

母は母なりにそれくらいしないとこの子どもたちはやべぇことになるという母親の勘が働いてしまったのか。。。

だとすると母の勘は正しかったが、やり方は功を奏していなかったようだ

抑圧のパワーを高校入学のあたりから反抗というパワーに変え暴君と化した姉は何かを選択する際は確実に母の意向の逆を選択し、短すぎるスカートや襟ぐりの大きいトップスを着ては玄関先で毎朝毎朝揉めていたが早くに『家』の外の世界にどんどん出ていき社交性・社会性を確実に身につけていった

たかだか母の決めた『家』のそうしたきまりを破る事で毎日毎日全力で戦うパワーを持ち合わせていなかった私は両親には従順に見えはしただろうけど、外では楽しめない(お小遣いの使い方や行動範囲の制限、生活に対する時間の決まり事)のでクラブ(剣道)や音楽や本などの趣味という自分だけの世界にどんどん向かっていき、いざ外に出ると“あかんたれ”で社交性・社会性に欠ける”だめな人“となった

同じものを与えられ同じように育てられても『育てられた人』はやがて自ら『育っていく』人となりこんなにも違ってくるのだなと驚く

丁寧に育ててもらったのにね

かなり話が逸れてしまったが、子どもの頃読んだ『あさりちゃん』からこうしてその時期になると歴史的行事を思い出しては「そういえば何でそういう風習やったんかな?」と調べたりする

残念ながら訪問販売で玄関先での営業の巧みなやり口で『月賦』(ローンと同じと思ってた!月賦は業者に毎月分割で代金を支払いする /ローンは購入業者との間に金融機関が入る)で購入した“子どもの学びのため”の何十冊というシリーズの百科事典が漫画の横に並んでいたが、お気に入りの何冊かはボロボロになるまで眺めていたけれど残りの何十冊はピカピカのままご近所に渡ってしまった


カレンダーをめくりながら、そんな事を思い出だしたりする、6月のはじまりの日の朝

今月のマムアンちゃん
かわゆい♡

6月の楽しみ、御池通りの紫陽花(5月から咲いてますけれども)

新町御池
北側から南側の『白組さん』を撮る
山田製油のやっているマクロビカフェの前あたり
室町御池
淡い色がきれいだね




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