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すべて川からはじまるかも

友人宅でも繰り広げられていたというあるあるな会話、『うるさい、何回もおんなじこと言わんといて、ムカつく!』『なんちゅう口の聞き方や!あんたみたいな子うちの子と違うわ!鴨川で拾うてきたんや!』

川端康成の『古都』でも店の前の格子戸の前で拾われ子なのだと真一に打ち明け、真一に証拠があるのかと聞かれた千恵子は、父と母は可愛い子やからさらって逃げたと言うけどふたりのさらったいう場所がたまに食い違うからやっぱり捨て子なんや、という一節があり、拾った場所が夜桜の祇園や鴨の川原やったり。。。というのがあるのだから、古式ゆかしきネタということにしておこう

私も御多分に洩れず、鴨川で拾われてきた子なので、とても鴨川が好き

早朝もお昼も夕方も夜も深夜もどの時間も、春夏秋冬どの季節も、しんどいマラソン大会も鴨川だから頑張れたし、いつでもどんなときも好きな場所

父が足繁く通っていた「タネ源」と言う出町柳の園芸店にタネ・苗を買いに行くときは連れて行ってもらっては、よつ葉のクローバー探しやシロツメグサで花冠を作ったりしていたが、もしかしたらもう一回捨てられるところだったのかもしれない

最近は歩くことの方が多いけど、以前はよく自転車で下へ降りては大きな声で歌って、橋の下に住む人に怒鳴られたり、小さな虫を何百匹と食べた

お散歩するとき、実家も・前のマンション・今のマンションも鴨川より西にあるので、最初から西へ向いたときやよほどの用事がない限り、気がつけば東へ東へ、鴨川へ足が向く

そのまま橋を越えて東へ歩くときもあれば、川端通り沿いに北へ南へ歩くときもあるし、北なら阪急洛北スクエア(前のカナート洛北)、南なら七条まで行き東の京博か西の京都駅へ

産まれ落ちた場所なので恋しく、川の音に心が落ち着くのであろう


お店やなんかの場所を聞かれて『地図書いて』と言われササッと書いて渡すと、よく知る人は黙ってクルリと向きを変える

東を上に書いてしまう癖がある

仕事柄必要とかなら確実に注意を払うが、大体はおすすめのお店や場所をイラストや情報を書いて教えるような遊びのメモなので、全然治らない

さらに、恥さらしついでに言うと京都の『碁盤の目』と言われる部分の通り名は覚えていても、都道府県の場所や県庁所在地は覚えられていない

子どものとき教育系の雑誌か何かの付録のカセットテープに♬1都1道2つの府 43県 全国合わせて47の県庁所在地覚えちゃおっ ♬

♬北海道に春が来て 咲くよ鈴蘭 札幌市 
ルルルルルルルル ルルルルルルルル ルルル ルールー♬

こんなのがあったが、姉と替歌を歌ってふざけていただけなのででこれしか覚えてない

必要に迫られなければ大事なことも覚えないし覚えられず、地図を正しく書くことも出来ないし、自分の進む道もめちゃくちゃだ

いや、今からちゃんとやれ

『しかしながら鴨川生まれなもので、すべて鴨川からはじめないといけないのです』

長い前置きと言い訳の後、またここに恥をさらす





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