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溶けた自分と新境地

子を産んでもうすぐ3年。
産んでからすぐ生活がかわって、出産前の自分が溶けていくような感覚だった。

強制されてるのか、自分で自分に呪いをかけてるのか、はたまた育児とはそう言うものでそれを楽しめなかっただけなのかは分からない。

でも確実に産む前の自分ではない自分になった。

『母親』というカテゴリーに入った瞬間から自分が見えない存在になり、もはや子の影武者のような存在でいた感覚だった。なによりも孤独だった。昔の自分が溶けて流れていなくなっていった。

そんな自分が3年たって半分くらい戻ってきた。
それが遅いのか早いのか分からないけど、好きだと思うものを少しずつ生活に取り込めるようになってきた。コーヒー、読書、ドラマ、音楽。小さなことだけど着実に生活も気持ちも変わってきた。もちろんまだできないこともあるけど、子が成長するにつれてそこも変わっていくのだろう。

その中で、昔の自分では考えられなかった新境地に踏み入れていく感覚もでてきた。

子どもに関するニュース(虐待、性被害、政治)への関心が高まったし、内容が酷すぎるとニュースを聞いていられなくなった。

季節の行事や食べ物を知りたくなった。こういうのは丁寧な暮らしを楽しんでる人の特権だと思っていたけど、超雑な生活の中でも案外楽しめるものだし、楽しんだ方が生活が彩る感じした。

アンパンマンにもディズニーにも詳しくなった。

少しだけ例をあげたけれど、子どもを産まずとも人は変わっていくのだから別の新境地には辿り着いていたと思う。

けれど一度溶けた自分が戻って、尚且つ新しい自分も出来上がってきたのが嬉しいのだ。
これが自分を大切にしたいという気持ちなのかも知れない。

新境地へ足を踏み入れながら、自分を大切にしたいと思う。

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