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成功報酬制の知財訴訟が普通になると良いな。

知財訴訟では、成功報酬制で訴訟を行うことも可能です。
この点は、検討すべき課題だと思います。
一般的に、知財訴訟を起こそうとすると、裁判所へ支払う費用の他に、弁護士や弁理士へ支払う費用も必要になります。
多くの方たちが、知財訴訟に二の足を踏んでしまうのが、知財事件の特殊性もあるのですが、訴訟費用が高額なところもあると思います。

せっかく、知財を権利として取得しても、多くの人はそれで満足しているようですが、それではもったいないですよね。

成功報酬が受けやすい条件とは?

どのような条件で、成功報酬が受けやすいかと言いますと、以下の3点があげられると思います。
先ず1つ目は、相手側が大企業である案件です。
相手側が大企業であれば、販売している売り上げ規模も高く、それに応じて損害賠償金も高額化します。
つまり、個人同士の訴訟や中小企業同士という訴訟では、なかなか高額の損害賠償にならないのです。

次に2つ目は、訴訟しようとしている知財の権利が、相手の製品からわかるというものです。
知財の侵害訴訟においては、相手が侵害しているかどうかが、一番重要なPOINTですから、そこがあらかじめ分かっているということが大きいんです。

最後に3つ目は、権利を取得した知財権がそう簡単には潰れないという点です。
こちらから訴訟を掛けるという事は、相手側からも反撃が来るのですが、多くの場合は、無効主張や無効審判などを掛けてくることが挙げられます。
簡単には、潰れない権利であるということが必要なんですね。
知財訴訟では、成功報酬制で訴訟を行うことも可能です。
全体の訴訟費用の多くは、弁護士や弁理士へ支払う費用なので、この費用を成功報酬にできると助かりますよね。

ほとんどの知財案件は和解で決着してる

成功報酬が受けやすいPOINTが3つあげられると言いましたが、このうち、1つ目と2つ目はマストですが、3つ目は「簡単に」潰れないという程度で足りる場合も多くあります。
具体的には、相手側が大企業で売り上げ規模も高く、高額の損害賠償金が見込めることと、訴訟しようとしている知財の権利が、相手の製品からわかるということは、必ず必要です。
しかし、3つ目の権利を取得した知財権が潰れないという点は、そう「簡単に」ということで足ります。

実は、90パーセント前後の知財訴訟は、和解で解決しているんです。
相手方も、多くの裁判費用を維持しながら、徹底的に抗戦するという場合もなくはないですが、訴訟戦略上は、落としどころが合えば、和解で決着したいのです。
つまり、無効主張が出てきたとしても、それが致命的で簡単に無効になrものでなければ、和解金の減額交渉などで決着する目が出てくるのです。
ただし、減額交渉などで、どのくらいの金額に落ち着くかはケースバイケースです。

成功報酬制の条件は、減額交渉も見込んで決めましょう

和解金の減額交渉などで決着したような場合に、結局のところ、権利者にいくらくらいお金が残るのか不安だという声もよく聞きます。
成功報酬制の良いところは、前もって訴訟費用を準備しておく必要はない点ですが、損害賠償金のいくらかは弁護士や弁理士に支払わないと行けなくなります。
そのため、和解金の減額交渉などが入ると、権利者側に残るお金が少なくなってしまう心配が出てきます。
そのような事態を避けるために、成功報酬制で支払う金額を、具体的な金額で決めるのではなくて、受け取った損害賠償金や和解金の何割を、支払うという取り決めにすることもできます。

たとえば、損害賠償金を1億円として請求した知財訴訟で、和解で解決したところ、和解金を6000万円として受け取ったケースを考えます。
この場合に、成功報酬金額を固定金額として、5000万円として取り決めてしまいますと、権利者に残るのは、1000万円のみです。
それだと、何のために訴訟したかわかりませんので、和解金の場合は和解金の半分を支払うという事にしておけば、3000万円を成功報酬金額として支払い、残りの3000万円は、権利者の利益となります。

成功報酬が受けやすいPOINTが3つあげられますが、相手側が大企業で売り上げ規模も高く、高額の損害賠償金が見込めることと、訴訟しようとしている知財の権利が、相手の製品からわかるということは、必ず必要ですが、知財が「簡単に」潰れないという点は、ある程度、のりしろがあります。
和解の場合も、最初から想定して、成功報酬制の条件を決めて置くべきなので、是非、成功報酬制での知財訴訟を検討してみてください。


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