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知財業界の年収について、発表します!


知財業界の年収って、かつては超高所得だったんです。
いまは、全体として、ものすごく落ち込んでいると思います。
私が知財の業界に入った90年頃は、東京の長者番付に、特許事務所の所長さんが入っていましたね。
当時は、未経験者でも弁理士ならば、年収1000万円はもらえるという、触れ込みがありました。
かく言う私も、大学の掲示板に「目指せ年収1000万円!」という弁理士のパンフレットが貼ってあって、それを見てこの業界に入りました(笑)。

年収1000万円が初任給?

いや、未経験者が年収1000万円なんて、そんなに甘くないでしょ、と言われるかもしれませんけれども。
しかし、その頃は弁理士試験の合格率も3%前後だったんで、圧倒的に弁理士不足だったんだと思います。

いま考えれば、当時は、まだ特許業務法人というのがなかったんで、個人事業形態しかありませんでした。
そのため、個人事業の収入が、そのまま個人の収入として長者番付に載っていたんですよね。
もし、会社の経営者であれば、会社の売り上げが個人の収入とはなりません。
個人事業の場合は、事業の収入がそのまま個人の収入になりますから、番付で上位に行っちゃうんですよね。
こんな事情は、当時知りませんでしたが、ただし夢はありました。

売り上げが、ひとり3000~4000万円?

当時は、自分の売り上げの1/3から1/2くらいが事務所勤務弁理士の給料として、支給されていました。
その頃は売り上げが3000~4000万円くらいあげられたので、それなりに給料水準は高かったと思います。
いまは、売り上げ2000万円あげるのも結構大変ですよね。
弁理士報酬の低額化が、ここ15年で相当進みましたから。

残念な最近の知財業界

また、自分の売り上げの半分もらえるのも、レアケースになりつつあるようです。
現在の事務所勤務弁理士の平均としては500-700万円くらいが平均レンジの年収のようです。
年収700万円もらっていれば、かなり良い方ですよね。

事務所勤務弁理士の他に、企業に勤務している弁理士のトータルの所得も下がっていると思います。
私は、大学卒業後は、企業の知財部へ進みましたので、他の同期入社の人たちと基本給は、かわりませんでした。
ただし、毎月の弁理士会費の支払いの他に、資格手当として毎月5万円の支給がありました。
当時の5万円はうれしかったです。

もちろん、実務修習を含めた登録費用も、会社が支払ってくれました、確か合計で25万円くらいだったと思います。
いまは、毎月5万円の資格手当どころか、毎月の弁理士会費の支払いも会社からはなくなったと、当時の会社の後輩からは聞いています。
そのため、いまの企業内弁理士は、登録しない人もかなりいます。
登録すると、収入がガクンと下がっちゃうんですよね。

今後の知財業界の年収は、上がる?下がる?

知財業界の年収って、かつては超高所得だったんです。
いまは、全体として、ものすごく落ち込んでいると思います。
日本は、他の先進国と違って、年収が過去10年で伸びていないのだから、弁理士も落ちるのは当然だと思われるかもしれません。

ここで、言いたいことは、その落ち幅なんですよね。
多分、他の業態に比べると、収入の落ち幅が相当大きいと思います。
東洋経済オンラインなどの統計情報を見ると、過去10年で年収が100万円以上下がった会社は、集計対象の4%でした。

弁理士の場合は、それよりも圧倒的に高いと思います。
特許事務所の経営者も、かつては、高額納税者でしたが、いまはかなり沈んでいます。
経営者の場合は、自分の事務所の売り上げから5%も給料をもらえれば、上出来ではないでしょうか?

現在の単価からすると、従業員一人でおよそ1000万円くらいの売り上げが立つとして、30人スタッフがいても、1500万円くらいの年収にしかならないでしょう。
ここで、2倍の60人のスタッフになれば、年収3000万円でハッピーじゃないかと思うかもしれません。
しかし、スタッフがそれだけ多いと、その全員を食べさせるのが、今度は大変です。
そのため、単価をものすごく落として、案件を取りに行かざるを得ないので、それほど年収は伸びないんですよね。

知財コンサルであれば!

そこで、唯一の期待が、知財コンサルです。
知財コンサルという職種は、日本では昔はなかったのですが、最近、この分野で働く人が増えています。
実は、最強のコスパビジネスで、固定費がそれほどかからないんですよね。

出願業務は、どうしても明細書作成のために弁理士が複数人必要ですし、業務スタッフも必要です。
しかし、ビジネスアドバイザーとしての知財コンサルは、一人でもできてしまいますし、単価も出願系よりかは圧倒的に高いです。
平均の年収などはわかりませんが、年収1000万円は難しくないと思います。
厳しい弁理士業界の一筋の光ではないかと思っています。


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