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すごい! ニセモノ品のビジネスオーナー

日本の税関は、タイなどの税関へ、日本の税関スタッフを毎年送って、現地での指導などを行っています。
ただし、毎年1-2名の限られた人員しか送れていません。
一方で、日本の特許庁や弁理士会も、東南アジアの特許庁や現地のJETROに、審査官や弁理士を派遣しています。

今の時代、人員が足りないのは、医療従事者のみならず、模倣品摘発関係者もですね。

模倣品の製造メーカーというのは、グローバルに増加していて、1か国の対応では、適切な対策ができなくなってきています。
かつては、特定の工場が、偽物品を単独で製造していて、その工場を通じて、偽物品の売買が行われていました。

そのため、その工場を摘発すれば、模倣品の流通は止まるという構造でした。
しかし、いまは、模倣品を製造している工場は、自分たちが本物を作っているか、偽物品を作っているか、わからないケースが多いんです。

何が起こっているかというと、模倣品のビジネスオーナーは、グローバルに展開してきていて、工場と倉庫と本社がそれぞれ、別会社で、模倣品の発注と販売を、分けているんですよね。

つまり、模倣品オーナーのいる本社は中国や台湾で、製造拠点は、ベトナムやインドネシアの外部工場で製造を行わせ、倉庫はカンボジアやフィリピンにおいているケースなどが多いんです。
もはや、正規品のブランドを展開している企業と、同じようなビジネスモデルですよね。

でも、購入している側も、ある程度、偽物品かもしれないと思って、買っているんじゃないの、と言われる方もいるかと思います。
つまり、消費者の中にも、偽物品を購入したいニーズがあって、値段が、もうすごい安いから、偽物かどうかなんて、気にしてないんじゃないの、って言う訳ですよね。

確かに違法だけれども、消費者ニーズがある、一過性のビジネスに過ぎないんだから、ほっとけば、いままでの香港や韓国みたいに、ニーズが減るでしょ、というコメントも確かにあります。

でも、実際の偽物品の世界では、正規品のメーカーが外見だけでは判別できないレベルの模倣品が、正規品の2割引きくらい安い価格で売っています。
たとえば、2割くらい安い価格だったら、「あれ、セールかな?」と間違えて買ってしまいますよね。

さらに、商品本体だけではなく、包装部材なども、徹底的に似せてきます。
このように、本物品を買うつもりで買った人が、偽物品をつかまされて、しかも、本物品だと思って使っている被害も急増しています。

メーカーからすると、たまったもんじゃないですよね?

実質的に、売り上げを奪われてしまっているんですから。
いままでは、まあ有名税だよね、とメーカー側も傍観できたのが、基幹商品の精巧な模倣品が出回ってしまう訳ですから。
しかも、東南アジアなどのマーケットでは、精巧にできた偽物品の方が、もはや本物品よりもシャアが高い状況が、普通に出来上がってしまっています。

恐ろしい状況です。

築き上げてきたブランドが、ハイジャックされてしまっている訳ですよね。
ネットでの買い物が増えたことで、世界中で流通する偽物品が急増しています。

いままでは、もう販売していない昔のモデルしか、偽物品は出回っていませんでしたが、いまは最新のモデルが、ほんの少しだけ安い金額で販売されています。

正規品メーカーの利益に直接、影響を来すようになってきました。



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