保健・医療・福祉職の連携「むさしのIPE」の授業を紹介します
こんにちは。社会福祉学科教員の小俣智子です。
病院には医師を始めとして多くの専門職がいますが、高度化・複雑化した医療や重複した問題・課題を抱える患者ケアにおいて、今や医療の分野ではチームで携わることが不可欠な時代になっています。
複数領域の専門職が共通の目標を目指し協働することが求められ生まれたのが、専門職連携教育(Interprofessional Education)、IPEです。医学部のある大学では早くから学部を越えた演習や実習などのプログラムが実施されてきました。武蔵野大学にも保健医療専門職養成の学部が看護学部(看護師)、薬学部(薬剤師)、言語聴覚コース/大学院専攻科(言語聴覚士)、社会福祉学科(社会福祉士)と4つあり、2015年から各部署の教員が協働で独自にむさしのIPEと銘打って活動を続けていましたが、2022年度より晴れて「保健医療福祉と社会の連携教育」という専門職連携を学ぶ授業が誕生しました。
今年度は8月8日、9日2日間に約100名の各学部学科学生が参加し集中授業を実施しましたので、その様子を簡単に報告します。
1日目は、オリエンテーションを経て各学部学科混在のグループにてお互いの学習内容などを共有しました。2限目は言語聴覚分野の実際を体験するため二人一組になり文字盤にて会話を行うなどの演習を行いました。
3限目は実際の薬学部の実習室にて薬剤を分包したり、薬の情報をグループで調べ医師役の教員へ報告するなどを体験しました。
最後の社会福祉の授業では、医療ソーシャルワーカーの事例から医療機関での業務について検討し、各専門職の役割を割り当て疑似カンファレンスを行いました。
翌日2日目は有明キャンパスに移動、看護学部実習室にて看護業務の体験を実施、最後はグループで振り返りをして終了となりました。
学生の頃からこのように各職種の業務を体験し交流することにより、各職種の専門性の理解が促進され、実践へ貢献することが可能となります。特に社会福祉の実践現場では、医療専門職との連携が欠かせません。多くの学生さんが参加できるようこれからもむさしのIPEの教員と共によりよい授業を考えていく予定です。