現実が容赦ない

一番連絡を取ってる友達は、そこそこ余裕のある自営の奥様だ。

高級車を2~3年に一度乗り換える旦那様は、妻にお金はどう使ってもいいよ、という。

だからと言って湯水のようには使わない彼女は、元銀行員である。

彼と結婚した理由は、もちろん恋愛感情もあってのことだが、『こいつならどんな状況でも生き残る』だったらしい。

多彩で趣味のいい彼女の生活は私の理想ともいえる。

ハンドメイドもうまいし、友人も多い。こんな私をなぜか見捨てずいてくれている。

食べ物の好みも似ていて、年上で社会人経験の多い彼女と一緒にいると話が尽きない。幼稚園のママ友として出会ってもう何年の付き合いになるだろう。

彼女の生活は私の理想と言えるだろう。


私は20歳で結婚して、就職はしなかった。

ひとり親になってから、この7月に初めての正社員になった。

子どもたちを養うという大義名分のおかげで、大変な日常も頑張れている。

貯金残高がわずかにプラスになってきたことに感動を覚えている今日この頃。

子どもたちにお小遣いがあげられる喜び。好きな時に子供たちと出かけられる、外食もたまにできる。

仕事から帰ったら、適当なご飯を食べなら子供たちの今日の様子を聞く。好きなだけお風呂に長湯してアマプラ見て、気楽に過ごせる。

義実家同居だった1年前から思えば、格段に自由になったのだから、仕事が大変だろうがやるしかない。もちろん好きな仕事を選んだのだし、プライベートの居心地がいいと何とかなるものだ。


とはいっても。

毎日、仕事で自分の未熟さと向き合って、努力するのはきつい。

サービスを売る仕事なので、お客様の心の奥を読まなければいけないのだ。

同時に先輩方の私へのきつい言葉も、理由があって私のためなのだと素直に受け止めなければいけない。

言い方あるだろ、とか、意地悪だなと思うこともしばしばだし、雑談も正直したくないこともある。

お昼ご飯を一緒にとってコミュニケーションとるのが決まっているので、感じの悪い先輩にも自分から話題を振る。

勤務以外の付き合いも多少は参加する必要がある。

社内の人と親しくなることも仕事のうちなのだ。

良くしてもらっている、かわいがってもらおうという気持ちでいる必要がある。すべてを投げ出したいときでも。


そんな時、前出の友人と話すと。

生まれ持った環境も、結婚相手も。なぜこんなに違うんだろうという気持ちがどうしても湧き上がる。

湧き上がったもんは仕方ない。

味わうしかない。


辛いししんどいし、大変だ。

大変だよ。

誰かに甘えたい。生活を助けてほしい。

ハンドメイドの教室とか行って、家をきれいに飾って。

子どもたちを喜ばせたい。

豪華な料理を振舞って、パーティーして、お友達呼んでわちゃわちゃしたい。


そんな夢は遠いところにある。


できることから、やるしかない。

いつかの大逆転はくると信じて。


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