施設入所の当日
施設入所の当日は、2人の職員さんが車いすの入る車で迎えに来てくれた。
2階から狭い階段を何とか母を2人で担いで降ろしてくれた。
近所の人が何事かとのぞきに来た。
母は、「行ってくるで!!」と心配顔の近所の人にそう挨拶をし、車に乗り込んだ。
施設につくと、部屋に車いすで案内され「きれいなとこやなー」ともらしていた。
用意されていたベットに横たわらせてもらって、介護士を呼ぶブザーを教えてもらった。
「綺麗なとこやろ?まだ、新しいでね。ここなら、毎日ちゃんとしたご飯がでるし、お風呂も入れてくれるでいいよ」と私は慰めた。
不安顔だった母も、お部屋は気に入ってくれたみたいで、ほっと安堵した。
私は、母の衣類やバスタオルをクローゼットやテレビ台になっているチェストに収納した。
「じゃあ、また来るから、、、」
そう言って、部屋を出た。
翌日だっただろうか?母の携帯から電話があった。
「知っとる人がおってなあ、、、」どうやら、たまたま知っている人が転職して、母のいるサ高住に介護士として勤務しているらしい。
それはよかった。さぞ、心強いだろう、、、!!
心配だったので、様子をみに行くことにした。
別段帰りたいとは言わなかった。
それからは、牛乳が欲しいだとか、ご飯が食べれないから、佃煮がほしいだとか何かと電話してきて、私はせっせと足を運んでいた。
それから、半月ぐらいたったのだろうか、、、だんだん施設の中の人の様子がわかってきたらしい。
「みんなここから、ディサービスに行っとる。私も寝てばっかりおらんといきたい!!」
こんなことを言い始めた矢先、施設の方からディサービスのお誘いがあった。
ケアマネージャーが「合わん人もおるからね、まずは、週一回いってみようか?」と言ってくれた。
母は、まるで子供が遠足に行くかのように喜んで、何を着て行こうかと着ていく服を私にタンスから出すように指示した。
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