施設の毎日
母と知り合いだという介護士さんの話ではこうだ!!
「2年入っとっても、一回も来んでねー」
どうやら、施設に親を入れっぱなしで、見舞いに来ない人がいっぱいいるようだ。
「寒がってみえるで、毛布もって来たってください」と電話すると、毛布の入った小包が施設に届くのだという。
「ほんと、雑巾より汚いタオルで口拭いとるもん。そんなもん、知らんがね」
なるほど
こういうことを聞いている以上、ほったらかしには出来なくなった。
まあ、ほったらかしにするつもりはなかったけれど、、、
その方は、山根さんという。
それから私が行く度、山根さんも母の部屋に来るようになった。
「この間亡くなった人なんか、貯金1000万以上あったでねー」
どうやら通帳を見せてくれたらしい。
それで、よくしてもらっとるでと言って、まあまあ値の張るものをもらったのだという。
「私の気持ちやで貰ってーっていうからさー」
なるほど、、、
うちの母も良くしてもらっているようで、うんちが出なくて困っていたら、バナナを持ってきてくれたとか、そんな話を聞くたび、私も少しだけどお礼を持っていくようにした。
おいしいお菓子とか飲める方だと聞いたのでお酒とかだけど。
母に会いに行く度に、介護士のあの子はよくしてくれる。あの男の子は、脚もんでくれる。と聞かされていた。
他の方には別段請求されるような話はなかったので、個別には持って行かなかったけれど、11月ごろ柿を2箱「職員の方で召し上がってください」ともっていった。
これは、正解だったようで、山根さんが言うには、
「お見舞いに来て、柿を部屋に置いてってもそのまま腐ってポイって捨てるだけやで」
そりゃ、介護士さんはみなさん忙しいだもの誰も好き好んでむいて差し上げるってことはないってことは、通っていれば十分わかる。
母には、みなさんに持って行った甲斐があって、ちゃんとむいて出してくれたらしい。
おいしかったと言っていた。
それに介護士さんみんなが母に「柿、ありがとう。おいしかったよ」といってくれたらしく。母は、みんな言ってくれるよ!!と喜んでいた。
高級老人ホームでも掃除する人に1000円を握らせないときれいにしてくれないという話は聞いたことあるけど、、、
なんでも金次第、いや気持ち次第なのだ。
私はいつも施設に入るときは、介護士さんと入居者さんひとりひとりに「いつもありがとうございます」と頭を下げていた。
感謝の気持ちは、伝わる
読んでくださって、ありがとうございます。尻尾を振って、喜びます!!語彙を深めるために、本の購入に充てさせていただきます。