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『佐藤佐太郎集』を買ってみた

先日購入した岩波文庫の『佐藤佐太郎歌集』が、かなりツボにはまったので、勢い余って(まだ読了してないのに)こんな本を買ってしまった。

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佐藤佐太郎『佐藤佐太郎集 第一巻 歌集I』岩波書店

過去、佐藤佐太郎の著作集が岩波書店から、全8巻で刊行されており、そのうちの3巻が歌集となっている。まずはその第一巻を購入してみた。収録されている歌集は『軽風』『歩道』『しろたへ』『立房』『帰潮』である。

ちなみに、出版順でいうと、よく知られているように『歩道』が第一歌集であり、『軽風』は第二歌集である。しかし、『軽風』は『歩道』以前に歌われた短歌を師・斎藤茂吉の勧めでまとめたものであり、収録歌の制作年代は、上記の、つまりこの著作集の収録順となる。

まずぱらぱらと『歩道』を眺めていたら、文庫の選集には未収録の短歌で、とても好きな歌が早速見つかった。

サイレンの朝くらき街をつたふ時かすかになりし音ここに聞こゆる

ここで「街に響く」でも「街に鳴る」でもなく「街をつたふ」という動詞の選択が素晴らしすぎて、痺れたのだ。この音と世界の低空飛行感覚がたまらない。

それから、佐藤佐太郎の師である斎藤茂吉による、『歩道』の序文も収録されている。ここで書かれている佐藤佐太郎のエピソードがまたとても良い。

まずは『歩道』収録の短歌すべてをじっくり味わってみようと思う。

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