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「ブランチとコヒーレント」 の向こう側

「ブランチとコヒーレント」は、このお話にでてくる「ねこさん」と出会ってちょうど1年が経った日に何も考えず書きはじめたものです。

書き初めは特に読み手を想定したり意識することなく、下書きのまま公開せずにおいてありました。ここは無人島のようにぽつんとしていればいいや、と思っていました。

しかし、エピソードを書き連ねていくごとに、自分が受けた影響を「宝物」として残しておきたいと思うようになり、このお話に出てくる「ねこさん」こと櫻木ねこさんに打診のうえ公開しました。

「ブランチ」とは「枝」で、このお話では「枝分かれ」の意味で使われています。自分とねこさんの間で枝分かれする…ねこさんと遠ざかってしまったと自分が感じたお話の時は章の名前に「ブランチ」がついています。

「コヒーレント」とは、複数の波が干渉しつつ合成される波に規則性が見られる状態を指します。波が重なるとその振れ幅は増幅され、逆向きの波は打ち消し合います。自分の波とねこさんの波から別の波が合成された…ねこさんとの間に何か作用が発生したお話の場合は章の名前に「コヒーレント」がついています。

こんなふうに、人と人の間は枝分かれしたり作用しながら、時間と共にその関係性が変化していきます。

今まで自分は、特に社会人になってからはそういう人との関わり合いについては正直なところ深入りを避け続けてきました。

ところがねこさんとの出会いをきっかけに、その周りの人々との関係性含め純粋に楽しんでいくという、責務を負った仕事での関係や、否が応にも背負う家族との関係などとは全く性質の異なる状況は、自分にはとても新鮮なものでした。これも大切にしたいと思いました。これが冒頭で触れた「宝物」です。

ねこさんがきっかけで自分が身を置いたこのコミュニティ、人によっては「村」と呼んでいるこの時空には、ステージで歌や踊りを披露する「アイドル」という活動を行っている人々が沢山います。

彼女らが操る言葉はステージから発せられ、観客である自分なりの理解で自分に射影されます。この言葉はある時は彼女らの気持ちであったり、決意であったり、はたまた架空の世界であったり。彼女らの真意と自分が感じ取った射影は異なるのでしょうが、言葉を操ること、ステージでの表現のエネルギーに自分は感化されました。

このお話は、この記事を書いている時点では現在進行形です。未だ結末には至っていません。そして、やがてねこさんや周りの人々と自分の接点は失われ、過去のお話となるのでしょう。

ですが、一緒に過ごした時間、交わした言葉、刻々と変化する気持ち…ブランチとコヒーレントを、これからどんどん劣化していく自分の脳が記憶を失ってしまう前に、ここで言葉の形の「宝物」に変換していこうと思います。

各話はフィクションにはせず、時系列的な流れも事実に基づき、その時の自分の考えや気持ちをほぼそのまま言葉にしています。また、文章の間に挿入される写真、Twitterのツイート等は、そのお話があった時期に実際に私が撮影したり、つぶやいたものが置かれています。

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