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LOVE ALL SERVE ALL 新曲について、その5

LASA新曲の感想文はこれで最後。
(「その5」になっているのは「まつり」だけLASA発売前に書いてしまっているから)
最後はこの曲「ロンリーラプソディ」!

イントロから昭和感にやられる

シロフォン(?)の「カッコッコッコ」という音からの古めいたストリングスとちょっと歪んだ感じのするピアノのイントロ、たまらない。
メロディも60-70年代の歌謡曲のような出だしだ。

「ラプソディ(狂詩曲)」とは、『自由奔放な形式で民族的または叙事的な内容を表現した楽曲。異なる曲調をメドレーのようにつないだり、既成のメロディを引用したりすることが多い。』(By Wikipedia)
「その意味もよく分からずにタイトルを付けた」とリリパで明かしていた風さんだが、タイトルも降ってきたのかな。

本人曰く、「メロディがマイペースに自由に漂うように進んでいくから「ラプソディ」でよかったんじゃないか。」
でもそういうの、風さんの楽曲では珍しいことではない。
コード進行や転調もだが、メロディ展開が斬新な曲は他にも沢山ある。
耳にタコができるくらい聴いているので今でこそ聴き慣れてしまったが、最初に聴いたときは本当に驚いたもの。

この曲も、歌ってみると実は結構メロディラインを覚えるのが難しくて、油断すると歌い損ねる(笑)。
マイナー調のイントロ、自在に明暗を行き来する感じのAメロ。
(コードのマイナーとメジャーという意味ではない。)
それから明るいBメロへと自然に流れ、「すーはー」という歌詞(呼吸音のフェイクと言っていいのか?)に続くサビではお得意の転調が見られる。
明るくて、一気に解放されたような洒落た感じになるのはメジャー7やdimが効果的に使われているからかなと思う。
それと同時に1小節まるっと同じコードというゆったりしたパートがある。歌詞でいうと下の部分。

もう分からないよ
あーあ
ため息は過ぎ去り
もう歌えない ロンリーラプソディ

サビは非常にキャッチ―なメロディなので歌いやすい。
特に上に引用した部分はエモいコードの上に歌詞もゆったりと乗っているので心地よさがハンパない。

歌詞は風さんの優しさ満載

”We are all alone, but at the same time, we are all one."
まさに風さんがリリパで言っていたとおりの歌詞がある。

【1番】
…孤独なんて幻想
気にしなきゃいいの
みんな同じ星
みんな同じ呼吸 

【2番】
w孤独なんてゲーム
楽しめばいいの
みんな一人でしょ
みんな一つでしょ

「夕方や夜の町を徘徊しながら、孤独に寄り添いたいという思いで仕上げていった曲」というライナーノーツに、風さんの想いが溢れている。
私たちはみんな一人、孤独な存在だ。
けれど、入れ物が違うだけで本当は(魂のレベルでは)繋がっている。
だから君は僕だし僕は君だよ。(ライブでいつも言ってるよね?)
寂しくなんかないよ、泣くことなんてないよ……。

「ため息は幻 もう聴こえない 時代遅れのロンリーラプソディ」……っていう最後の部分はあんまりよく分からない(笑)
「時代遅れの」が特にナゾ。
もしかしたら曲に合わせて出てきただけで意味はないのかも。
でも曲の昭和っぽい雰囲気に合っているから、それはそれ。

風さんの孤独

今や大人気の風さん、今日(4/12)のInstagramではどうやらLAに行って向こうの素晴らしいプロデューサーさんやシンガーソングライターさんと何やら始めている模様。(すごっ!……でも当然)
「孤独」を感じる暇もないほど忙しいかもしれないし、愛されキャラでもあるし、彼自身の今の孤独を心配はしない。
(もちろんアーティストというクリエイティブでセンシティブな仕事には、常に孤独はつきまとうものだとは分かっているが、それはおいといて。)

でも風さんはこの歌詞を概念だけで書いたのではないだろうと思う。
おそらく彼が一番孤独だったのは、高校を卒業してからデビューするまでの期間、Youtubeで素晴らしいカバー動画を次々にあげていた頃ではないか。
私たちはそれを心から楽しんだり驚愕したりしながらも享受しているけれど、あの頃の風さんは……。
きっと友人たちが進学したり就職したり、将来へのステップを着々と踏んで行っているのを横目に、内心は焦りもあったろう。
何より孤独感も。
よく彼自身が使う言葉に「もがき」があるけれど、まさにそんな時期だったのではないか。
だから孤独な人の気持ちは分かるのだ。
そして自分なりに克服してきたからこそ、「泣くことなんてないよ」と言えるのだ。
彼が孤独から救われたのは、一つにはデビューして環境が大きく変わったこともあるけれど、内なる自分と対峙して、みんな繋がっている、みんなひとつなのだ、という考え方を手に入れたからだと思う。
だから彼の言葉に私たち大の大人が、柔らかく心をほぐされ素直になれ、知らず知らず癒されていくのだ。

こんな素晴らしいアルバムを世に出してくれて、ありがとう。
何度も言います、生まれてきてくれて、音楽をやってくれてありがとう。

そろそろLASAの新曲についての感想は終わります。
特典のフォトブックについても語りたいけれど、これ好みすぎて気が狂うので(笑)、少し時間をおいて冷静になってからにします。
今回も長文にお付き合いいただきありがとうございました。

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