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ゴールデンウィークは映画を観た

待望のGW、古い映画を観ようと決めていました。
法事があって出かけたり、庭の草取りをしたり、なんやかんやと雑用をしたりしていたので、思ったほどたくさんは観られませんでした。
観たのは次の3本。

『怒りの葡萄』
『上海特急』
『自転車泥棒』

どれも1930~1940年代に作られたモノクロの古~い洋画です。『自転車泥棒』は確か10代の頃に一度観たことがあったけれど、細かいところは全部忘れていたので見直すことに。

うん、さすがに名画と呼ばれるものは現代の映画とちょっと違う。
どちらがいいとか悪いとか優劣をつけるつもりはありません。
ただ単純に香りというか品格というか、そんなものが漂っている感じ。


『怒りの葡萄』

これは有名なスタインベックの小説です。でも恥ずかしながらこの歳まで小説も映画も未体験でした。
アメリカの大干ばつ・砂嵐、そして大不況から進行した経済変動で苦しんだ農民たちがいたという時代背景や、キリスト教に詳しくないと面白さは半減するみたい。
なんとなく分かってはいるつもりでしたが、観終わってからネットで色々と調べてみて、もっと知識を入れてから観たほうが良かったと思いました。
あのアメリカにもこんな貧しい時代があったのだというのは衝撃。
貧しい大家族が夢の新天地カリフォルニアを目指してトラックで移動する物語だけれど、ほとんど苦しいことばかり。
「人情」にホッとする場面が1ヵ所あったけれどあとはもう辛い辛い。
最後に主人公が、逃げるばかりでなく立ち向かおうとする姿に少しだけ希望を感じさせるけれど、そんなに簡単なことではないということも容易に想像できる。
国というのは、政治というのは、国民のためにあるのではないのか?
力をもたない市井の人はいつも虫けらのように潰される。
主人公の母親の科白が印象的だった。
『女の人生は川だよ。途中に渦や滝はあるけど、流れが止まることは無い。』
『金持ちは子どもが身代をつぶせばそれで終わり。だけど、あたしたちはそうじゃない。たくましく生き続ける。永遠に生きる。それが民衆なんだよ。』

『上海特急』

マレーネ・デートリッヒ。妖艶、他の人にはない魅力。
ストーリーは今ひとつだった。
ものすごく深刻かと思いきやわりと軽いタッチだったりして、かなり危ない場面でもハラハラするというほどのこともなく。
これ、ジャンルはなんなのだろう?結局はラブストーリー?
でもそんなことはどうでもいいの。
デートリッヒの顔、仕草、衣装、列車で旅する雰囲気、そういうもの全てが芸術的。

『自転車泥棒』

切ない、やるせない。
ここにも貧しい市民の生活が描かれている。
ひたすらに地味、ひたすらに質素で貧しい男とその家族。
第二次世界大戦後の、貧困にあえぐイタリア社会。職がない人々が溢れ、やっとのことでありついたポスター貼りの仕事に大喜びで、張り切って意気揚々と出かける主人公。しかし……。
ブルーノ役の子の表情のなんと愛くるしく悲しいことか。
なぜこんな小さい子がこんな非情な目に遭わねばならないのか。
主人公とて、迂闊だったとはいえ、こんな酷いことになるほどの悪いことなど何もしていない。
社会が悪い、弱者を守ってくれない、ただ家族のために真面目に働こうとしていただけなのに。
とにかく切なくて、ラストシーンがずっと心に残りつづけます。

スカパーでは『北の国から』を一気にやっていたので、これも録画しています。
実はちゃんと通して観たことなくて、時間を見つけてじっくり観たいと思います。

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