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10クラ 第48回 オリジナルカラー

10分間のインターネット・ラジオ・クラシック【10クラ】
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第48回 オリジナルカラー

2022年12月23日配信

収録曲
♫エリック・サティ:グノシエンヌ第4番
♫フランシス・プーランク:『フランス組曲』作品80より 第2曲「パヴァ―ヌ」

オープニング…サティ:ジュ・トゥ・ヴ
エンディング…ラヴェル:『ソナチネ』より 第2楽章「メヌエット」

演奏&MC:深貝理紗子(ピアニスト)


プログラムノート

 マルゴ、またはナバラ王妃、その劇的な人生に多くの作品が生まれることとなったマルグリット・ド・ヴァロワ。大デュマ渾身の歴史小説『マルゴ』が最も有名と思う。母であるカトリーヌ・ド・メディシスの残虐な政治、マルゴの結婚式を利用した裏切りの大粛清から、波乱の人生が始まる。類稀な美貌と教養の高さから数多くの知識人をも魅了(ときに破滅へと導く)し、陰謀と策略の渦巻く宮廷を生きた人物だ。この女性を題材とした作品は、プーランクの12歳年上の劇作家エドワール・ブールデも手掛けている。そしてその付随する劇音楽として書かれたのが『フランス組曲』である。プーランクは既に人気作曲家の道を歩いていたが、この舞台もまた大成功を収めた。16世紀の音楽を母体とし、プーランクならではの和声-特にぶつかり合う7度音程-も交えた洒落た作りになっている。
 さて、このプーランクにオリジナリティを大切にするように説いた人物がいる。風当たりなどもろともせず、常に我が道を行くエリック・サティである。10代の頃に名ピアニスト、ビニェスの紹介を経て33歳年上のサティに出会う。サティはプーランクにとって「メンタルも音楽もあらゆることで影響と支えを与えてくれた」とする人物になり、彼のおかげで自信と希望を持って歩み出せるようになった。その後正式に作曲家デビューとなった『黒人の狂詩曲』は恩人サティに献呈されている。
 このようなサティのことを、親しき友ドビュッシーはこう紹介する。「現代に迷い込んだ、中世の優しき音楽家である」と。

クラシック音楽を届け、伝え続けていくことが夢です。これまで頂いたものは人道支援寄付金(ADRA、UNICEF、日本赤十字社)に充てさせて頂きました。今後とも宜しくお願いします。 深貝理紗子 https://risakofukagai-official.jimdofree.com/