今は亡き【シャッツキステ】のためのレクイエム
嘗て秋葉原にオタクの隠れ家が存在しました。そのひとつが後に「メイドカフェのメイド四天王」のひとりに数えられることとなる有井エリスさんが店主を務めたメイドカフェ『シャッツキステ屋根裏部屋』です。
「どうも」メイドカフェ(Japanese maid café)を文化にした者です。正確には「メイドカフェ」を文化(Japanese maid café culture)として政府に認めさせた者になります(詳細は以前の記事『【メイドカフェ】を文化にした者からオタクへの密命』をご参照ください)。
「メイドカフェ文化とはオタクのサロン文化のことである」という話は以前の記事『【メイドカフェ文化とは何か?】夜と朝の間に愛が生まれ、白昼に萌え出ずる』で触れましたが、2006年3月15日開店した『シャッツキステ屋根裏部屋』もオタクたちの社交場でした。
その『シャッツキステ屋根裏部屋』が移転し、店名が『私設図書館 シャッツキステ』になってから個人的には余り居心地のいい空間でなくなり、ほとんど訪れることはなくなりました(写真は在りし日の『私設図書館 シャッツキステ』)。
それでも「シャッツキステ」という存在は私という存在のバッファー、私という現象のひとつの「宝箱」であったのだと思います。
今は亡きシャッツキステ
その『私設図書館 シャッツキステ』が1年前の今日2020年11月15日にコロナ禍により閉館(閉店)しました。今は亡き(人ではないので「無き」とすべきだろうか)「シャッツキステ」があった店舗は1年経った今でも空っぽのまま佇んでいます(写真は2021年11月15日撮影)。それでも、掲示されていたテナント募集の貼紙はなくなっていたので次の借主が決まったのかもしれません。
オタクの社交場『シャッツキステ屋根裏部屋』2006年3月15日開店、移転改名『私設図書館 シャッツキステ』2020年11月15日閉店。仮眠なのか永眠なのか、今はただ安らかに眠ってください。ゾンビ好きなのでゾンビ復活とかあるかもしれません。杭は打たないでおきましょう。
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電脳の
ひとつの青い宝箱です
あらゆる透明なゾンビの複合体
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく開閉しながら
いかにもたしかにたたずみつづける
因果交流電脳の
ひとつの青い宝箱です
宝の残光はたもち
その宝箱は失われ
(詠人不知『春とゾンビ』序より)
Bar『Once Upon A Time』
「シャッツキステ」の近くにあるクラシックバー『Once Upon A Time』は健在のようです。
メイドカフェ『ひよこ家』は20周年
さらに近所にあるメイドカフェ御三家のひとつ『ひよこ家』は2021年11月10日で20周年を迎えました。「オタクの社交場」としてのメイドカフェを確立した元祖がこの『ひよこ家』です。(スマホ撮って出し写真で毎回ホワイトバランスがとれてなくて申し訳ないです。心の目でホワイトバランスの調整をお願いします。)
移ろい行く秋葉原とメイドカフェ
変わり行く秋葉原でメイドカフェ御三家の『CURE MAID CAFÉ(キュアメイドカフェ)』と『ひよこ家(HIYOKO家)』が移転後もこうして存続してくれているのは有難いことと言っても過言ではありません。私はこれからもこの街(世界の片隅)で「シャッツキステ」のレクイエムを奏で続けることでしょう。
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