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がん体験備忘録 ♯21 肝臓がんからの鬱①〜初めての心療内科

退院して順調に回復したと言いたいところだが、この後もう一山来る。

不眠に端を発する鬱(らしきもの)

になってしまったのだʅ(◞‿◟)ʃ

甲状腺がんの手術、肝臓がんの手術、そして鬱の3つの中でどれが一番キツかったかと聞かれたら、私は迷わず「鬱」と答える。

このことについて、どこまで書けるか分からないが、やってみよう。

自転車散歩中の一枚


 肝臓がんの手術を終えて退院したのが8月下旬。初めて心療内科を受診したのが翌2月。約半年間、ぐっすり眠れた夜は一晩もなかった。「眠れない」「眠りが浅い」状態は日に日に酷くなり、限界が来つつあった。

 心療内科の受診はなんとなくハードルが高かったが、♯6で書いた職場のTさんに「眠れないだけで心療内科に行ってよいものか」と相談すると「行ったほうがいい」「行かなきゃダメ」と即答してくれた。Tさんの言葉に勇気をもらって、近所の心療内科に電話をした。

 一つ目のところは、コロナで新規患者は受け入れていないとのこと、二つ目のところが受け入れてくれた。予約は3週間ほど後だったが、当日が待ち遠しかった。

 私が「鬱病」だったのかは不明だ。なぜなら、心療内科では、病気休暇を取るために出してもらった診断書の病名欄を見せてもらえなかったから。
 このnoteの自己紹介欄に「鬱らしきもの」と書いているのも、そのような理由による。

 初めての心療内科。静かな落ち着いたところで、待っている人がだいたい1~2人。それほど待たされることもなく呼ばれる。
 先生のデスクに向き合う形で患者用のソファーがおいてあるところが内科などのクリニックと違うところ。先生は白衣を着ていない。

 受診前の問診票に、お困り事と、それに至る思い当たる理由を書く欄があった。

 前年に甲状腺がん、今年は肝臓がんを相次いで患い、声が出ない不安、再発の不安など、今後の事への不安が募り眠れなくなった

 というような事を書いたと思う。

 それを見た先生

「あなたのご年齢で、これだけの病気をしたら、鬱になるのは当たり前です」

なんの解決にもならないが、なんとなくホッとした事を覚えている。

その先生は、

「総合病院でがん病棟を診たとき、『ここにいる患者さんの多く(具体定な量をおっしゃった気がするが、そこは忘れた) の方が鬱状態』と聞いた」

と話してくださった。病気がメンタルにもたらす影響を十分に分かってくださっていると感じ、受診してよかったと思った。

 この時は、「私は普段のあなたを知らないが、よく知っている人から見れば、いつもと様子が違うのかもしれない。鬱状態ではある」との事で、それほどひどい状態には見えないという意味に解釈した。

 眠れないのは不安が強いため。睡眠薬だけでは眠れるようにはならないと抗不安薬も出してくれ、「これで様子を見てください」と言われた。

 不安の材料がはっきりしている時は、それを避けるのが一番。でも、それが病気の場合は避けることができないから、受け入れられるようになるのを待つしかない とのことだった。

そうですよね… (_ _).。o○

 それまで睡眠導入剤すらほとんど飲んだことのない私。神経に働きかける薬を飲むのは、ちょっと怖かった。明日、ちゃんと起きられるだろうか…

 そんな風に思っているから、この時もらった薬はあまり効かなかったように思う。結局この時の薬は、2週間ほどしか飲まなかった。騙し騙し、年度末までどうにかこぎつけた。

つづく

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