名曲976 「ハッピー・デイ」【スピッツ】

ーーインディーズ時代の数少ない万人受け曲ーー

【スピッツ/インディーズ/ハッピー・デイ】

スピッツ/インディーズ/ハッピー・デイ - YouTube

 ひと通りスピッツを履修した者にとって訪れるのは「もっと新曲を聴きたい」という欲求である。CDじゃ聴けないような極上のものを探しにネットの海を泳ぐ。私は高校生に潜った。

 そこにあったのはインディーズという時代の作品であった。YouTubeにありがたいことにアップしてくださった方がいたのである。そこに眠っていたのはいくつも鋭利な曲ばかりであった。初期のスピッツは癖が強いのだが、それをさらに尖らせて「好きなやつだけ聴け」というスタイルに近いのである。

 その中に私はまさかの万人受けしそうな曲があることを発見した。それが「ハッピー・デイ」。メロディーはなかなかの完成度。だがどこかダサさ、芋臭さもあるわけで。

 しかしながら歌詞がズバッと決まっている。昔のスピッツはそれこそ難解極まりないものが多いのだが、これは比較的わかりやすいキラーフレーズが多めなのだ。今日は君のために世界中の花を咲かせようみたいな。

 私は初期という時代背景を含めてこれを名曲としたい。同時期のカゲロウが最高傑作で、次点という感じだ。インディーズ時代のスピッツを語れる人はいるだろうか。まだ出会ったことがない。ネットの海を泳げば何人もいるのだろうが、出会っても捕獲はしたくない。生存確認できただけで満足。手を振ってリリースするのだ。きっと誰もがある何かを壊さないようにして。

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