名曲866 「ガラスの十代」【光GENJI】

ーー壊れそうなものばかり集めてしまうよーー

【光GENJI ガラスの十代 (TVver.) フル高音質】

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 二十代になってみてわかるのだが、十代はいろいろ尖っていたものだと思う。この時期にどう成長するかで、今後の人生に大きく影響するものだなと。私は真面目かつ不真面目で、曲がったことには容赦なく嫌だと思ったり、周りもそうなんだし別にいいだろと思ったりであった。なんだそのバランスはと言われそうだけど、これがガラスの十代なのだなと。

 ガラスとはうまい表現だ。一見周りから見れば美しいのだが内面はすごくデリケートで、些細なことで一気に崩れてしまう。そのブレイクした者に触れると怪我をしてしまう。きっとどちらもその気はないのだが。

 この曲は構成が非常に秀逸だ。出だしで暗く始まるのが世界観の演出である。よくあるのは光と影を強調させ、それぞれを大袈裟にするのだが、ともに絶妙なのである。全体的に影な感じの曲なのだが、だからといって光がまったくないわけでなく、光に転じそうなところで40%影を残す。このバランスが絶妙。これぞ十代ではないだろうか。

 作詞作曲は飛鳥涼である。さすがの一言。アイドルにこれを歌わせる(自身じゃちょっと弱い)のがまたニクい。十代の彼らに歌わせたことで、きっと多くの同世代が共感してもらえただろう。輝きは飾りじゃない、か。そうそう、二十代のいまは彼らを見て羨むけれど、当人たちも苦労しているのだ。

 光GENJIはずいぶん久しぶりになってしまった。この曲は早い段階で書こうと思っていたのだが、完全に脳内から抜け落ちて700日くらい経ってしまっていた。これは1987年の曲なのだが、同時期のシティポップにハマってしまったのが大きな要因である。まだまだ取り上げていない曲が多そうで怖い。ちなみに、この曲は個人的に80年代の最高傑作級である。

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