名曲876 「Midnight Pretenders」【亜蘭知子】

ーーセンスの塊にほれ込む真夜中のひと時ーー

【Midnight Pretenders】

Midnight Pretenders - YouTube

 亜蘭知子は初めて取り上げる。シティポップ界では有名だが、一般的な知名度は低い。この前50代の方と話したのだが、音楽好きでもこの方は知らないようだった。シティポップにはよくあることだが、当時は無名でもいまになって再評価されるケースがある。それをあとから知った若者たちが、いつの間にかリアルタイム世代を知識で超えてしまうなんてことは多い。ウルトラマンでも痛感するのである。最近の子って、ほんと詳しいのよねえ。

 「Midnight Pretenders」はシティポップの中ではレジェンド的な立ち位置。何らかのメドレー集とかでよく耳にする。松原みき、竹内まりやらと並ぶだろうか。タイトルの通り、いかにも真夜中が似合う。甘いメロディーの中、夜景を眺めつつお酒をひと口。憧れる。Pretendersも意味深ではないか。

 シークレットナイト。そろそろコロナも終わりそうだし、真夜中に遊び明かしたいと思ったが、なんてことはない。この曲を聞くだけで満足できそうだ。ワイングラスにやっすい酒を注ぐだけでいい。物憂げに外を見つめればもう完成だ。

 この曲はメロディーと雰囲気、亜蘭知子のしっとりした声質含めて非常に素晴らしい。もっと評価されるべきである。シティポップだけにとどまらず、テレビやネットで盛り上がらないだろうか。

 20代とはいえ、そろそろ体に気を遣う時期になってきた。こうした大人の落ち着きが求められる一方で寂しさもちらり。せめて音楽だけは上品なものを。形から入ろうか、真夜中から。

 

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