名曲79 「Winter, again」【GLAY】
ーー冬といえば、この曲。PVのTAKUROの真似は誰もがやったはずーー
【Winter, again】
GLAYは90年代後半に爆発的人気を誇ったビジュアル系バンドである。当時はGLAYラルクかで派閥ができていたという話もあったりなかったり。いや、あった。
平成後期、私も友人とどっちがいいかを比べたものであった。現在は私の中だと同列にいるが、当時の私はGLAYがはっきり上回っていたのである。その要因のひとつにこの曲の存在があった。後にGLAYの曲は多く取り上げる予定だがまずはベスト3に入るであろう知名度の高い曲から。
{無口な群衆(ひと)、息は白く、歴史の深い手に引かれて 幼い日の帰り道、凛と鳴る雪路を急ぐ 街灯の下ひらひらと、凍える頬に舞い散る雪 目を閉じれば昔のまま、厳しくも日々強く生きてる者よ}
この歌詞、妙に詩的なのである。あのビジュアルからはというと失礼半端ないが、なんだか小説のような繊細な序章ではないか。
昔なんらかの本で、この歌詞について考察があったのを覚えている。「あなた」とは誰なのか、一人称はどういった視点なのかというキーワードだったと記憶している(あいまいなのでデタラメかもしれない)のだが、この記事ではそんな高尚なことは書かない。ちなみにその本でもよくできている歌詞だと評されていた。
{降り続く白い雪は、心模様、そっと 滔々と白い雪は、無常なる人の世を すべて 許すように降り続いて行く}
秀逸なのはこの部分。滔々(とうとう)という表現がいい。雪自体には一切の感情がなく、ペースも一定。ただそれでも誰かをなぐさめるわけでもなく降り続いている。それが誰かの救いになっていることもあるのである。
{いつか二人で行きたいね 雪が積もる頃に 生まれた街のあの白さを、あなたにも見せたい}
2番までのサビは比較的穏やかだが、ラストの大サビは必聴である。初めて聞く方はきっと、ぶわーっと鳥肌が立つに違いない。
{逢いたいから、恋しくて、あなたを想うほど 寒い夜は、未だ胸の奥、鐘の音が聞こえる}
アイタイアイタイ!
{逢いたいから、逢えない夜には、あなたを想うほど}
ウウウウ!
{想い出には、二人が歩いた足跡を残して…}
フィニッシュ。2回目以降はどうしても↑のカタカナの部分を真似してしまいますな。カラオケで歌うと最高に気持ちいい。横で聞いている人はぜひ両手を広げてTAKUROになっていただきたい。
追記。今日は東京で雪が降った。思わず運命を感じた。
【今日の名歌詞】
滔々と白い雪は、無常なる人の世を すべて 許すように降り続いて行く