名曲570 「Wonderland」【iri】

ーー延々とリピートできる大人の子守唄ーー

【iri - 「Wonderland」Music Video 【Full ver.】】

 最近の曲も捨てたもんじゃないな。わしがのう、ハマっているのは2019年の歌なんじゃ。ねえちゃんの歌声がかなり好みでなあ、何十年も生きてきて初めて聞いたぞい。

 とまあ、今回は珍しく最近の曲を。といっても、ネオシティポップの類で知ったのでどのくらいの知名度があるのかはわからない。すでに世間で流行している(いた)曲だとしたら申し訳ない。おじいちゃんと笑ってもらって構わない。

 私は初めて知った。アーティストはiri。見た目は女性だが、声がかなり中性的なのだ。実は元々、音源を先に知ったクチで、あとからPVを見たところ「あれっ、演者が歌うタイプのPVか」と思ったものである。よくよく調べてみたところ、本人だということがわかった。

{every day, every time 今日もあっという間に done 何が成せたなんて おもわず drunk and drunk くだらないジョーキング 答えのないトーキング All day, all day All night, all night}

{始まりはそういつも暗いとこ 這い上がる なにも映らないとこ やけに明るい世界じゃ嘘のよう 黒く汚れた心気の持ちよう 振り替えればいつだって 同じ失態ばかりで でもこの情景が変わって たらきっとここには立ってない}

{想定外のtrouble が招いてくチャンスを 重ねていく 最後を 笑っていたいんだ君と 透明な世界も恐れないでいたいの 元へ戻れなんて 望みなんかない}

 気だるいラップはネオシティポップに多い。淡々と言葉を紡いでいき、あまり韻も意識していない(要所では踏む)。これが好きな人はとことん好きなはずだ。私は無理に韻を踏んで文章が成り立たない、あるいは稚拙なものになっているものより、このほうが好きである。「ダサいラップ」が「オシャレなラップ」になっているのが重要なのだ。

 そしてこの曲は世界観もいい。深夜のファミレスに流してほしい絶妙なアングラ感。それでいてそこにいる人達の何とも言えない格好よさが想像できるではないか。皆、何かを求めて、そこにいる。何も求めていなくても。何が成せたなんて。わからなくていい。

       【今日の名歌詞】

想定外のtrouble が招いてくチャンスを 僕らはまだ知らずに 目を背けて 透明な世界を 恐れてるのかも 元へ戻れなんて

 


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