名曲757 「七色仮面の歌」【近藤よし子/キング小鳩会】[七色仮面]

ーー白黒テレビで七色の主張をするヒーローーー

【七色仮面 オリジナル バージョン】

七色仮面 オリジナル バージョン - YouTube

 久しぶりに昭和の特撮作品を取り上げる。1959年から1960年まで放送された「七色仮面の歌」だ。そんな前から特撮作品があったのかと驚かれた方も多いだろう。実はアニメより歴史が古い(鉄腕アトムの1963年が最初)。

 当時はテレビが出始めたころで、特撮もテレビ番組も黎明期だった。当然白黒の時代である。その中で颯爽と現れたのが七色仮面だ。いまの子は驚くかもしれないが、当時は普通のおじさんが仮面をつけてえいやと敵を倒すだけでヒーローだったのだ。こういう作品はほかにもある。まあ私も面食らった。

 その中でもこの七色仮面は際立っている。七つの顔、七つの声を持つということでいろいろ変化するわけだが、どうしても見た目が七色なのか、虹のヒーローなのかと連想してしまうではないか。そういうわけではなく顔は黄金色、虹の要素は皆無である。もっとも、当時の子どもたちはわからなかった。

 主題歌は当時の曲群だと秀逸な部類だと思う。作詞は原作者の川内康範。歌詞の中に「デンデントロリコ」という謳い文句があるのだが、いつも書くように当時の昭和の方々は言葉遊びがうまかった。こういうキャッチーなものを作らせたら先人には敵わない。カタカナの妙である。「あだなす」というのもいいですな。もう死語に近いが勉強になる。仇敵として恨んだりすることだが、これを4文字で表現するものがあったとは。

 また「夢は七色」というのも奥深くていい。そうか、それを夢見ていて戦ているのかと、主人公の背景まで考察したくなる。

 歌いやすいメロディーに少しの情緒が散りばめられている。個人的にはたまらない要素が多く、名曲認定。知名度は10%もないだろうからぜひ勧めたい。

 余談だが、この前同世代の異性の方と「まんだらけ」に行ったとき、七色仮面のフィギュアがあったのを見つけて「おー七色仮面だ!熱い!」と興奮したらわりと普通に引かれたのでトラウマもある。まあ、当時の子どもたちも特撮でたくさんトラウマを植え付けられただろうし、当時に浸れてよかった(?)。よくない。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?